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DAZN観戦 2020年J2リーグ第42節 ジェフユナイテッド千葉vsギラヴァンツ北九州

2021-01-01 11:28:16 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の千葉の記事はこちら(41節・栃木戦)
※前回の北九州の記事はこちら(40節・磐田戦)

昇格レースも前節をもって終了し、それを前半戦引っ張ってきた存在の北九州。
首位で折り返す快挙を見せたものの、現在は緩やかな失速を経て5位に留まり。
しかし前年も、前半戦首位の山形は6位でリーグ戦を終えているという具合に自動昇格を逃しています。
そんな要素を考えれば、J3から復帰して初年度のJ2リーグ、決して悪いとは言えないシーズンでした。

4バックを下地に、組織的なサッカーを繰り広げていた今季の北九州ですが、この日の最終節で突如フォーメーションを変更。
生駒・村松・佐藤喜生の3バックへとシフト、しかもこの日佐藤喜はプロ初スタメンというおまけ付き。
3-3-2-2で加藤がアンカーという、今までとは一線を成した形でスタートしました。

千葉のキックオフで試合が始まると、その攻撃で早速好機。
この日右サイドバックの、既に引退が決まっている増嶋のロングパスから、船山の落としを経て堀米がドリブルののち中央へパス。
クレーベのポストプレイから小島がダイレクトでシュート(ブロック)と、先制攻撃を浴びせます。

しかしその後は北九州が反撃に出ます。
急造の3バックといっても、普段から最終ラインを3人にしてのビルドアップを行っており、村松が中央を張る変わらぬ姿がそこにはありました。
6分にはスローインを受けた加藤が千葉・高橋壱晟に倒され反則、得たフリーキック(中央やや右・エリアからやや手前)を高橋大悟が直接狙うも、GK新井章太は読み切って正面でキャッチ。
直後の8分、高橋大が中盤でポストプレイののち、受け直して裏へミドルパス。
跳ね返されたボールに藤原が走り込みミドルシュート。(GK新井章セーブ)
12分には高橋大が敵陣でパスカット、そのままドリブルからミドルシュート(GK新井章キャッチ)と、フィニッシュ・チャンスメイク両面で高橋大が活躍します。

以降は千葉ペースとなり、決定的なチャンスを得たのが18分。
北九州のパスミスを拾った船山、そのままエリア内に進入してGK永井を右にかわし、GK不在のゴールへシュート。
しかし戻った村松がヘディングでブロックし、寸での所で失点を防ぎます。
40節・磐田戦でも、ゴール前でのファインプレーで先制点を許さなかった北九州の守備。
そしてそこから勝利への道筋を掴みました。

その通りに好機は到来し、24分。
サイドチェンジも絡めつつパスを繋ぎ、一旦村松まで戻されたのち縦パスが入ると、受けた針谷のボールキープから鈴木へ。
鈴木はエリア手前中央から果敢にシュートを放つと、豪快にゴールネットに突き刺さり。
先制に成功した北九州、直後に飲水タイムへ突入しました。

リードを奪われた千葉、以降はセットプレー中心に反撃。
そんな流れの中この日がラストマッチの増嶋、フリーキックからのクロスを折り返したり、右サイドからのスローインでロングスローを投げ入れたりと奮闘。

そして同点劇は鮮やかなカウンター。
33分、自陣エリア付近での北九州のパスワークを遮断して船山のスルーパスで攻守逆転、左サイドで受けたアラン・ピニェイロがドリブル。
エリア左角へと入り込んだのちカットイン、そしてシュートを放つと右サイドネットに突き刺さってゴール。
堅守のチームらしく、カウンターを得点に結び付けました。

一方自分達がボールを握っていた所に冷水を浴びせられた北九州ですが、その後も主体的に攻撃。
37~38分にはじっくりとボールを繋ぎ、左サイドで攻め込んだのち最終ラインに戻され、生駒の縦パスから好機。
これを鈴木がヒールでポストプレイ、受けたディサロ燦シルヴァーノがエリア手前右からシュートするも、枠を捉えられず。
この時間帯から、アンカーの加藤が最終ラインに降り、左右のセンターバック(生駒・佐藤喜)が大きく開く形でのビルドアップ。
所謂「ミハイロ・ペトロヴィッチ(現札幌監督)式」で組み立てを図るなど、最終節でも新たな形を模索していたような北九州。

一方の千葉も、40分には右サイドから増嶋の低いクロスをアランがボレーシュート。(枠外)
42分にも右サイドから増嶋がクロス、クリアボールを高橋壱が繋ぎ、アランがエリア手前でのキープからヒールパス。
下平が走り込んでシュートしたものの、GK永井がキャッチ。
奮戦を続ける増嶋、これにベンチには同じく引退表明している佐藤寿人が控える等、ホームでの情緒的な後押しを力に変えているかのようでした。
結局1-1のまま前半を終えます。

前年の佐藤勇人に続き、身を退く決意を固めた選手を送り出す舞台となった千葉の最終節。
緩やかではありますが、年齢層が高いという編成の問題点を改善させようとしている。
そんな感じの尹晶煥(ユンジョンファン)監督の1年目となりましたが、逆に言えば解決スピードの遅さが顕著。
特に同じく新体制ながら、大胆な新戦力の加入で今季の昇格を掴んだ福岡とは雲泥の差、というシーズンとなりました。

シーズン前は、「J1でも手腕を発揮していた監督(尹氏)を呼んだ」という事で安心しきっていた感もあり。
その尹氏のサッカーの基本である「ハードワークからの堅守」の実現を手助けするような選手獲得は、山下ぐらいのものでしょう。
そしてシーズンインしたものの、現場の悪戦苦闘ぶりは語るに及ばず、昇格争いにも全く縁が無く。
もちろん過密日程というイレギュラーな一年となったのも、フィットネスの面で大きく影響したでしょうが、それは他クラブも同じ事。

そしてシーズンも終わりが近付き、ゼネラルマネージャーの高橋悠太氏が退任というニュースが。
5年間勤めていたという事ですが、昇格争いには2017年(6位・プレーオフで敗退)に絡んだのみと、クラブの凋落ぶりを結果的に手伝ってしまいました。
新たな責任者(鈴木健仁氏)の下、かなりの選手入れ替えが図られるでしょうが、果たして「J2沼」からの脱却は見えてくるのか。

後半開始後も、展開的にはさほど変わらず。
ボールを繋いで攻撃を仕掛ける北九州に対し、守備を固めたうえでセットプレーで押し込む千葉。
開始1分、自陣からのFKでしたが放り込みを選択、再び増嶋の落としからアランのミドルシュートが生まれる(ゴール右へ外れる)という好機。

そんな路線を貫いた千葉、この日はそれが奏功する事に。
8分に再びカウンターの流れで攻撃、高橋壱のパスカットから堀米がドリブルで持ち上がり、エリア内左でパスを受けた船山がシュート。
GK永井を抜くも右ゴールポストを直撃、決定機逸かと思った刹那、跳ね返りを高橋壱がシュート。
今度はゴールに突き刺さり、勝ち越し点を奪った千葉。
ポゼッションvsカウンターの戦いに持ち込み、見事制する展開となりました。

反撃したい北九州ですが、後半になるとペースを掴む事が出来ず。
2失点目の場面もそうでしたが、楔のパスが思うように繋がらず、カットされるシーンが目立ち始めます。
千葉は明らかに縦パスの対策を採ってきて、守備時にはサイドハーフが中央寄りに位置してパスコースを狭める体勢。
これが実に効いていました。

攻撃に行き詰まった北九州は、17分に2枚替え。
加藤・生駒に代えて國分・佐藤亮を投入し、フォーメーションも基本である4-4-2へとシフトし再起を図ります。
直後の18分、左サイドで形を作り、佐藤亮のクロスがこぼれ球となった所を高橋大がミドルシュート。(ゴール上へ外れる)
しかしミラーマッチとなった事で、以降も千葉の守備が冴え渡り。
逆に千葉がボールを握っての攻撃も散見されるなど、一向に流れが変わらぬまま飲水タイムへ。

明けた後、27分頃からようやく主体的に攻撃が出来るようになった北九州。
それでもシュートは29分、エリア内での鈴木が放った(ブロック)ものぐらいと実を結べず。
その隙を突き、千葉はこの日冴え渡るカウンターを仕掛けて北九州ゴールを脅かしにいきますが、こちらもシュートは撃てず。

そして38分、千葉ベンチが動きます。
船山・アラン・クレーベ→佐藤寿・米倉・川又と3枚替えを敢行と、とうとう投入された佐藤寿。(フォーメーションも3-4-2-1にシフト)
情緒的なボルテージは最高潮となりますが、それを味方に付けたのかここから千葉が押し込む展開に。

43分には佐藤寿の左サイドでのクロスから、合わずに相手が拾ったボールを川又が奪い、そのままシュート。
GK永井にセーブされてコーナーキックとなり、そこでもキッカー小島のクロスに増嶋が合わせヘディングシュート。(枠外)
44分も、佐藤寿の右へのスルーパスから、米倉のニアサイドへのクロスを小島が合わせヘディングシュート。(枠外)
あわよくば3点目、ないしは佐藤寿の送別ゴールか、という雰囲気となったフクダ電子アリーナ。

結局ゴールは生まれずも、北九州サイドも反撃の有効打は撃てず。(アディショナルタイムの國分のミドルシュートぐらい・枠外)
最終盤には最後のカードを切った千葉ベンチ。(鳥海→岡野)
ピッチを退く鳥海は涙を見せていましたが、シーズン後に移籍が発表される運びとなり、この時点で決まっていたのか感情を抑えられなくなっていたのでしょうか。
かくしてメインイベンター(増嶋・佐藤寿)以外も、言葉に出来ぬ思いを表す事となった試合は終了の運びとなりました。


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