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DAZN観戦 2020年J2リーグ第42節 大宮アルディージャvsアルビレックス新潟

2020-12-31 16:20:28 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の大宮の記事はこちら(38節・愛媛戦)
※前回の新潟の記事はこちら(39節・松本戦)

前評判こそ昇格候補に挙げられていたものの、故障者続出という要素で、シーズンを乗り切るのに一杯一杯な一年となった大宮。
この日も試合前練習の段階でスタメンの河本が故障、ベンチに入っていた高山が代役でスタメンに。
そのためベンチメンバーが6人になるなど、最後まで離脱が付き纏うシーズンでした。

近藤やイッペイ・シノヅカなど、攻撃の中心として期待されていた人材が長期離脱している中、奥抜が39節で復帰。
以降2得点を挙げる等活躍を見せましたが、来季に期待という前に、彼が今季健在だったなら……と悔やむ思いがどうしても先に立ってしまいます。

試合が始まり、大宮は前線からのプレスが実り好機を作っていきます。
前半2分、小島がボール奪取からパスを繋いでエリア内へ進入、戸島とワンツーで右に流れたのちシュート。(GK藤田キャッチ)
相手の新潟は最後方からのビルドアップを基調とするものの、シーズン途中の微調整が巧くいかず、最近は逆に奪い所と化してしまっている感があり。

その後新潟も好機を作り、7分には舞行龍ジェームズが縦パスを通し、中島からパスを受けた荻原が中央をドリブル。
そしてペナルティアークからシュートを放つもブロックに阻まれます。
11分にはマウロの右サイド裏へのロングパスを、この日1トップでスタメンの田中が受けたのちに戻し、敵陣でパスワーク。
そして左サイドから本間のクロスが上がり、クリアされたボールを島田がミドルシュートするも枠を捉えられず。
センターバックからの長いパスにより、ビルドアップの難を隠しつつ好機を作っているという印象でした。

しかし以降は大宮ペースの流れとなり、1トップの戸島が収め所として好循環を齎し攻勢に。
攻撃の中心となっている黒川(離脱者続出の中、18試合連続スタメンは凄い)も、12分と15分にエリア内からシュートを放つなど奮起。
19分には新潟がビルドアップの段階でGK藤田がプレスを受けてボールロストしてしまい、奥抜のパスを受けた戸島が藤田をかわし、エリア内からシュートするもゴール上に外れ決定機逸となってしまいます。

飲水タイム直前の22分にも、左サイドでパスワークで攻撃を組み立てたのち小島がクロス、戸島を越えてファーサイドで吉永が合わせる決定機。(枠外)
後は決めるだけという大宮の流れでしたが、それに水を差す要素が生まれてしまいます。
それは試合前同様、今季大宮を悩ませてきた故障という要素で、29分にあろう事か畑尾が足を痛めてしまい続行不可能に。
渡部が投入されたものの、彼もこの日ベンチに復帰してきたばかりと、何処を見ても傷塗れな状況の大宮。

このアクシデントから暫く経ち、新潟は2列目の3人を配置換え。(32分頃か)
スタートは右=荻原・中央=中島・左=本間でしたが、このタイミングで右=中島・中央=本間・左=荻原へとチェンジします。
交代して間もない渡部のサイドに、推進力が鋭い荻原をぶつけるという算段だったでしょうか。
その狙い通りに、左サイドで荻原が吉永に倒され反則・フリーキックとなり、キッカー島田のクロスに田中が合わせヘディングシュート。(枠外)

しかし新潟に傾きかけた流れは、自滅含みのプレーであっさりフイに。
36分、マウロから黒川がボール奪取するとそのままGKと一対一になり、エリア外に飛び出したGK藤田のスライディングをかわした黒川。
そのまま空っぽのゴールに悠々と蹴り込み、実にあっけなく先制点をゲットしました。

手痛いミスからの失点に精神的にも動揺したか、以降は新潟の攻撃は影を潜め。
前半の残り時間は大宮ペースで進み、新潟サイドは対応に四苦八苦。
それでもシュートシーンはあまり無く(アディショナルタイムの黒川のシュートぐらいか)、1-0のまま前半終了となります。

夏場の積極補強により、シーズン途中から昇格にウェイトを置く姿勢を取ったのは明白だった今季の新潟。
それでも交通法違反による契約解除という誤算(特にファビオ不在は痛かった)が降りかかるなど、狙い通りにいかず。
終盤は大宮同様に離脱者の多さで失速、結局昇格どころか上位からも陥落する事となりました。
またサッカーの内容的にも当初とのズレが目立ち、過密日程故修正する事はままならず。
特にこの日も目立ったビルドアップ能力の陰りは、ポゼッションサッカーを貫くうえで致命的な要素となりました。
編成的には、夏場に育成型レンタルに出した秋山を第3の補強期間でレンタルバック。
そして結局秋山はベンチを温めるばかりとなり、誤算続きでこの分野でも慌ててしまいミスを犯した感が拭えず。

既に来季への続投が決まっているアルベルト・プッチ・オルトネダ監督。
シーズン当初はポゼッションスタイルを突き詰めにいったものの、途中から守備重視の意識を強め結果を出すスタイルに傾倒と、理想と現実の挟間で苦労している節が窺えました。
果たして来季はどちらに針が振れるでしょうか。

後半が始まり、先に仕掛けたのは新潟で、暗雲を振り払うかのように敵陣でのパスワークで攻撃を組み立て。
右サイド奥でパスを回した後、中島の中央へのパスを受けた荻原がエリア内右へと送り、中島のスルーを経て受けた本間がマイナスのクロスもブロックされ入らず。
何とかショートパス主体のサッカーを取り戻そうという姿勢が見えた入りでした。

しかしその効果が現れる前に、大宮が追加点に辿り着きます。
後半4分自陣でボールキープののち右へと展開した奥抜、前に走り吉永のスルーパスを受け、そのままドリブル体勢に。
そして低いクロスを入れるとニアサイドで戸島が合わせにいってスルー、ファーサイドでフリーの翁長へと渡り、翁長が合わせシュート。
右サイドネットへと突き刺し、完璧な流れで新潟ディフェンスを崩してのゴール。
既に退任が決まっている高木琢也監督の秘蔵っ子的な存在の翁長、見事に高木監督の大宮最後の試合に華を添えました。

その後、試合は慌ただしい様相に。
反撃したい新潟が、田中に2度シュートチャンスが生まれるもGKフィリップ・クリャイッチのセーブに阻まれます。(7分と10分)
しかしその間に大宮・高山が足を痛め、この日3度目のアクシデントによる交代。(嶋田が投入され右ウイングバックに、吉永が左CBへ回る)
ここまで来るともはや、何かが憑いているという表現すら生温く感じます。
そしてそれを受け、新潟は再度2列目の位置を変更。
今度は試合当初の配置に戻し、吉永のサイドに荻原を充てるという配置にシフトし、あくまで大宮のイレギュラー発生を突かんとする姿勢を見せました。

その通り押し気味に試合を展開する新潟。
さらに圧力を掛けんと、16分に田中→鄭大世(チョンテセ)へ交代します。
早速17分、右サイドから入った荻原のファーサイドへクロスに跳び込み、ヘディングシュートを放った鄭。(ゴール右へ外れる)
以降もボールポゼッションを主体にして大宮を押し込んでいき、反撃体制を維持します。

しかしその勢いも飲水タイム(24分)までとなり、明けた後は大宮の攻勢。
相変わらず奥抜・黒川の推進力は脅威で、エリア内に進入し新潟守備を脅かすシーンを作っていきます。
そして28分にベンチも動き、既にアクシデントで2度交代機会を使っていたため、最後の交代は3枚替えに。
戸島・奥抜・吉永→青木・小野・富山へと交代し、翁長が左WB→左CBへ、嶋田が右WB→左WBへシフトします。(小野はシャドー・富山は右WB)

新潟サイドも33分に荻原・早川→シルビーニョ・大本へと交代と手を打ちましたが、残念ながらその直後に駄目を押される事に。
大山のヘディングが新潟・本間の反則を誘発(足が顔に入ってしまい警告)し、そのフリーキック(右サイド)で大山のクロスを、ファーサイドで青木がヘディングシュート。
これをGK藤田が弾くも、青木の前に転がり再度シュートを浴び、またも藤田はセーブ。
しかし尚も青木がシュート、今度はゴール寸前で新潟・大本がブロック。
必死の守備を見せた新潟ですが、最後に黒川に詰められて万事休す、3点目を献上してしまいました。

万策尽きたような恰好となった新潟(38分に高木→秋山へと交代)を尻目に、尚も決定機を作る大宮。
43分にはCKからの攻撃が途切れたのち、GK藤田のフィードを小野がカットし、新潟のトランジションの最中にカウンターという絵図に。
そして青木がエリア内に切り込み、切り返しからシュートを放つも、ボールは際どくゴール左へと外れてしまいました。

新潟にとっては何の慰めにもならないような大宮の決定機逸でしたが、44分にようやく反撃。
敵陣深めで本間がプレスを掛け、拾ったシルビーニョがシュートを放つもブロックされ、こぼれ球をエリア内左で中島が拾ってクロス。
高くファーサイドへ上がったボールを鄭が合わせ、ヘディングシュートをゴールに突き刺し。
1点を返し、以降も怒涛の攻撃を仕掛ける新潟。

しかし時間は既にアディショナルタイムで、ひたすら守備を固めに掛かる大宮に対し、出来る事はロングボールを蹴り込むのみとなってしまいます。
途中出場のシルビーニョが2本シュートを放ったものの、結局ゴールを奪う事は出来ず、3-1のまま試合終了に。
7戦未勝利・4連敗と、悔いの残る締めとなってしまった新潟。

大宮・新潟ともに、2017年にJ2降格となってしまったクラブ。
以降の歩みは、大宮は2年連続でプレーオフに出場するも昇格は果たせず、迎えた今季は大きく低迷。
新潟はJ2でも低迷する入り(2018年)となってしまい、前年10位・今季11位と中々上位に喰い込む事が出来ずに居ます。
千葉やヴェルディ・京都のような「J2定着コース」を歩むのは何とか避けたい来季となるでしょう。


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