ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第20節 ジュビロ磐田vs栃木SC

2020-09-23 17:08:11 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の磐田の記事はこちら(18節・水戸戦)
※前回の栃木の記事はこちら(18節・徳島戦)

前半立ち上がりから栃木ペースで試合が進む、所謂「ストーミング」スタイルがこの日も猛威を振るう。
そんな予感の入りを経たものの、磐田サイドは冷静にその攻撃を防ぎ、逆にカウンターを炸裂させます。

前半10分、栃木がフリーキックをエリアに入れたもののチャンスは作れず磐田・大森がクリア、そのボールを小川航基が収めたのち浮き球でスルーパス。
これをもう一人のFWであるルキアンが受けてドリブル、そのままエリア内に進入し、切り返してからシュート。
嵐の中を綺麗に分断するかのようなロングカウンターを決めきり、早い時間で磐田が先制に成功しました。

その後も磐田がゲームを支配する事で、嵐は収まりを見せます。
15分、ルキアンが受けにいった所を栃木・西谷に倒され、良い位置での直接FK。
右ハーフレーンぐらいのサイドから、キッカー上原は直接狙い、ゴール左を襲ったものの僅かに外れ(GK川田が触ったかに見えたが判定はゴールキック)。
反撃したい栃木をいなしつつ、追加点を狙う展開に持ち込みました。

ただ、磐田はポゼッションを重視するスタイルながら、徳島やヴェルディのような相手のプレッシャーをいなし続ける程のパスワークは無く。
執拗にプレスを掛けてくる栃木相手に、その戦い方に付き合うような振る舞いを見せる事が多々ありました。
18分には左サイドからのスローインで、一気に奥へとボールを投げ込むという、栃木のサッカーをインスパイアするかのような一面が。
思想の違う相手を拒絶するのでは無く、一緒に手を取り合いつつその場をやり過ごす、そんな感じでしょうか。

飲水タイムを経て栃木2度・磐田1度の攻撃機会の後、お互いがボールを蹴り合うも好機に結び付かない落ち着かない内容が続きます。
リードしている磐田にとってはこれで良かったのかもしれませんが、知らず知らずのうちに栃木に流れが傾いていた感があり。
その後29分に栃木が、瀬川のパスカットから左サイドで森がカットイン、そのままエリア手前左からシュートを放つ(ブロック)チャンス。
流れを手繰り寄せた栃木、31分にはミスを突き、GK杉本のキックミスをエリア内で明本が拾う大チャンス。
しかしクロスから森がヘディングシュートを放つも、GK杉本がキャッチしてモノに出来ず。

思いがけない危機を招いた磐田、その反省故か以降はボールを握ってゲームを落ち着かせます。
左サイドハーフ・大森が逆の右へと張り出し、右サイドに人数を掛けてパスワークを展開したのが37~39分。
その間に上原がエリア内右からシュート(ブロック)を見せたりもしましたが、守備を固める栃木に対しても、ボールを戻して作り直すという作業の連続。
これが一定の効果があったのか、その後は磐田ペースに。

40分、最終ラインの大井からロングパスが出て、小川航の落としを受けた山田がエリア手前からシュートするもゴール右へと外れ。
43分は大森のインターセプトから、栃木・西谷に倒されるも小川航へと繋ぎ、受けた小川航は裏へスルーパス。
ルキアンが走り込み、GK川田が飛び出してクリアしますが、ムサエフが拾ってそのままループシュート。
追加点かと思った刹那、戻った高杉がゴール寸前で頭でクリア、跳ね返ったボールを川田が抑えて凌いだ栃木。
一方先程の大森とのデュエルで西谷が頭部から出血(その後止血して復帰)と、傷が増えつつも何とか1-0のまま折り返す、といった様相でした。

ビハインドの状況という、自分達のサッカーの特性上苦しい立場で後半を迎える事となった栃木。
ここからの反発力を見せられるかというのが一つの課題ですが、ここまでは逆転勝利も7勝のうち2度見せるなど、違いを発揮しています。

契機となったのが12節・岡山戦でしょうか。
先制を許したものの、相手に退場者が出、その反則によるPKで同点に追い付いて優位に立つ事に成功。
それでも火力不足で後半アディショナルタイムまで1-1のまま推移したものの、最後に柳のヘディングシュートで勝ち越して勝利。
今季初の2得点で胸すく逆転勝利となり、以降はウノゼロ狙いに留まらない戦いぶりを見せているここまでの栃木。

ポゼッションこそ相手に大きく上回られる事ばかりですが、反面シュート数で上回る展開に持ち込む試合も多く、前年の守備偏重・ロングボール一辺倒という印象は随分薄れてきました。
そしてその真価を発揮する時となったこの試合。

その最初の手段として、後半頭に森→大島へと交代した栃木。
後半立ち上がり、再び双方ボールが落ち着かない展開となり時間を費やしていきます。

そして後半4分に最初のチャンスを得たのは栃木で、しかもPKという絶好機。
田代が相手のロングボールを跳ね返したボールがそのまま磐田エリア内に入り、大井との競り合いを制して明本が受けると、エリア内左で切り返した所をGK杉本の伸ばした腕に引っ掛かり倒れ反則に。
与PKという結果もさる事ながら、相手の跳ね返し一発で好機を作られてしまったという過程も、磐田にとって割り切れないものとなってしまいました。
このPKを、キッカー矢野がきっちりゴール中央へと決めて同点に追い付いた栃木。

これでイーブンか、と思われた後の8分。
磐田が左サイドをムサエフ・ルキアン2人の助っ人によるドリブルの連続で持ち上がり。
ルキアンのカットインからの縦パスがエリア内に入り、受けた小川航が混戦の中シュートコースを探すも撃てずこぼれ球に。
しかしこれを拾いにいった大森が、同じく拾おうとした栃木・瀬川の伸びた足に引っ掛かり転倒、笛が鳴って反則・PKに。
短い時間でのPKの応酬となった試合展開、キッカーのルキアンは中央やや左へと蹴り込み、GK川田を(キッカーから見て)右へと反応させて悠々とゴール。
すぐさまリードする展開を取り戻した磐田。

その後も磐田は攻撃の手を緩めません。
14分には中盤からのFKで、小川大貴のエリア内左へのロビングを伊藤が折り返すと、小川航がヘディングシュート。
至近距離ながらもGK川田がセーブし、尚もルキアンに詰められるものの、このシュートもセーブ。
決定機を逃した磐田、続く15分にも大森の裏へのロングパスにルキアンが抜け出しますが、トラップが大きくGK川田が抑えました。
個人能力を生かしての好機の前に、栃木がギリギリで耐えるシーンが多かったこの試合。

流れを変えたい栃木、16分に矢野→エスクデロ競飛王に交代。
以降反撃に出るものの、磐田と違い中々決定機を作れず、押し込んでのセットプレーという漸進戦術に頼らざるを得ないのが苦しい所です。
20分からFK→CK→CKと連続でセットプレーを得ますが、シュートに結び付けられず。
23分には右からのロングスロー、溝渕の投げ入れたボールをエスクデロが収め、山本廉がシュートするもブロックに阻まれます。

それでも飲水タイムを挟んだ25分以降は、試合後に田坂和昭監督が誇っていた「走り勝ち」が如実に表れて来ます。
攻撃機会を失っていく磐田を尻目にチャンスを量産する流れとなり、後は同点にするだけ、という展開。
31分には直接FK、左ハーフレーン・エリアからやや手前という位置から、瀬川が外からカーブを掛けて直接狙います。
しかしゴール左を襲ったものの、GK杉本がキャッチ。

尚も攻め上がる栃木、その攻撃は決して綺麗とは言えないながらも、「ストーミング」の威力は再び発揮されつつありました。
そして36分、佐藤縦パス→明本受けてドリブル→榊(山本廉と交代で出場)エリア内右でキープからクロス→大島折り返しと繋いでいき、明本がトラップ。
そして体勢を崩しながらシュートした所、ブロックに入った山本義道の腕に当たりハンドを誘発、再びPKを獲得します。
執念の結集で得た好機、キッカー・明本は中央に蹴り込みネットを揺らし、とうとう同点に。

一方再びリードを失った磐田、39分に小川航・ムサエフ→ルリーニャ・山本康裕と2枚替え。
運動量を担保し、何とか栃木が巻き起こす嵐に対抗せんとします。
その直後の40分、自陣からのFKという長い距離ながら、GK杉本ロングパス→大井落とし→ルリーニャエリア内でシュートと好機に結び付けます。
しかしここもGK川田のセーブに阻まれ実らず。

そしてATを迎えるに辺り、栃木は切り札ともいえる柳を投入(西谷と交代・45分)。
リード時はクローザー、同点時はジョーカーという「二刀流」をこなしている柳、この日もベンチの期待に応えます。

ATに突入し、CKから榊がヘディングシュート(GK杉本キャッチ)と栃木が先制攻撃。
しかしその直後、磐田のカウンターに対し、ドリブルする上原を明本が抱え込んで止めて反則・警告を貰う場面が。
明らかに気持ちが出過ぎといった感じでしたが、最後はそれが良い方向に転がったでしょうか。
この直後、磐田も勝ち越しを狙うべく大井→中野へと交代。

その後磐田・伊藤のヘディングシュート(枠外)を経て、ゴールキックから攻撃を繋げる栃木。
左サイドでエスクデロスルーパス→瀬川受けてキープからクロス、しかしブロックされこぼれ球となり、何とか瀬川がスライディングで繋ぎます。
ここからはとにかく「相手より先に触る」という感じで大島→佐藤と渡り、最後方の田代まで戻り、田代がロビングを上げて一気に柳の下へ。
伊藤がクリアに入るもミスとなり、こぼれたボールを榊が繋ぐも磐田選手に当たり、再度のこぼれ球を柳がシュート。
ボールは左サイドネットに突き刺さり、土壇場で勝ち越しゴールを挙げた栃木。
瀬川以降、全選手が出足の速さで相手を上回ったのが最高の結果に繋がりました。

そして磐田の反撃を凌ぎ切り、逆転勝利に辿り着いた栃木。
今季初の3得点と、再び攻撃面でレコードを更新しての勝利。
成績面でも早くも前年の勝利数に並ぶ8勝目となり、変貌ぶりを猛アピール。
折り返しが目前に迫った現在、ここまでは上々の結果と言うしかありません。


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