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DAZN観戦 2020年J2リーグ第6節 松本山雅FCvsザスパクサツ群馬

2020-07-22 18:30:24 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の群馬の記事はこちら(2節・水戸戦)

ディフェンスラインの人材を故障で欠くクラブ同士の対戦。
松本は再開直後の2節(金沢戦)に橋内が故障で途中交代、代わって出番を得た常田は3節(甲府戦)の前半で途中交代と、立て続けにセンターバックが離脱。
群馬も平尾・渡辺と4・5節で相次いで試合中に負傷交代(平尾は今季サイドハーフが主ですが)し、ともに長期離脱。

そしてこの日両クラブの対戦でしたが、前半8分にアクシデント。
橋内・常田の故障を余所に、フル出場していた森下までもが、群馬・林との接触で流血してしまい交代する破目に。
浦田が代わってピッチに立つ事となりました。

松本は中断明け以降未勝利と、これだけ予想外の事が起きれば成績も安定しないはず。
そして前年J1に居たのも相成ってホームでは昨年5月以降未勝利と、不利な要素満載な試合となりましたが、この日は最後まで粘り強い戦いを見せました。

開始早々の1分、フリーキックを得た松本はキッカー・セルジーニョのクロスに阪野が合わせてヘディングシュート、ゴールネットを揺らしたもののオフサイド。
7分には左サイドでボールを拾ったセルジーニョがサイドチェンジ、受けた田中隼磨の手前からクロスを、ファーサイドで高木彰人がヘディングシュート。(サイドネット)
立て続けに頭で群馬ゴールを襲います。

一方の群馬も、5分に遠目からのFKをキッカー宮坂が直接狙い、GK圍は弾いたもののすぐさま抑えます。
互いに相手ゴールを脅かすシーンが見られた序盤。

そんな中前述の森下の負傷交代が起き、松本不利な空気が漂い始めましたが、14分でした。
右サイドのスローインから形を作り、田中隼のクロスがこぼれると、エリア内右に転がったボールを塚川がすかさずシュート。
エリア内右の角度のきつい場所からでしたが、シュートはグラウンダーで左サイドネットを捉え、苦しさを吹き飛ばすような先制点が入りました。

先制後もしばらく松本の時間が続きましたが、18分に田中稔也がエリア内からシュートを放って(浦田がブロック)からは群馬のターンに移り変わります。
直後の19分には、左サイドの高瀬中央へパス→進ポストプレイ→宮坂ドリブルから縦パス→林と渡り、反転した林のシュートがゴールを襲いゴールバーを直撃してヒヤリ。

飲水タイムを挟み、明けた後の25分にも、岩上の右サイドからのパスを受けた進がエリア手前から反転シュート(ゴール左に外れる)とチャンスを作った群馬。
しかしその後は、松本の前線からの守備が嵌るようになり、好機を作れず再び松本の時間に。
この時間の松本はプレスは掛けるものの、群馬の最終ラインまでは詰めに行かず、パスコースを消す事を重視。
これで群馬はビルドアップに難儀し、思うように前線にボールを運べなくなりました。

しかしその流れも10分ぐらいで終わり、前半の終わり際は群馬の攻撃が続き、クロス処理を中心にGK圍も大忙し。
前半最後のシュートは45分、宮坂縦パス→進ポストプレイ→林左へパス→高瀬ワントラップして手前からクロス→林ヘディングシュート(ゴール左に外れる)というもの。
何度か良いシーンも見せた群馬ですが、得点力不足解消(前節・山形戦は3得点で勝利)には至らず前半終了。

その群馬を前年にJ3→J2へと復帰させた功労者が、今現在敵として立ちはだかっている松本・布啓一郎監督。
長らく市立船橋高校の監督を務めた事で有名で、その後はアンダー日本代表(U‐16・U-19)の監督に就いたりもしましたが、クラブの指揮はこれが2つ目。

群馬時代は1年でのJ2昇格がならず、人件費の問題で大幅に選手を入れ替えなければならない状況に陥った2018~2019年オフ。
主にJ3やそれ以下のカテゴリのクラブから選手を集め、2019年のJ3での戦いに挑みました。
一見すると「寄せ集め集団」とも揶揄されるような編成でしたが、そこは布氏の目利きの良さが奏功し、激しい2位争いを制して昇格。
FW高澤(現大分)の大活躍など、若手の飛躍も目立ちました。
そしてオフに入り、その実績を評価した布氏を松本が監督に招聘。
岩上・宮坂と、松本から群馬への移籍選手が目立ったのは、その埋め合わせという意味があっての事でしょうか。(邪推)

8年間監督を務めた反町康治氏の時代が終わりを告げた松本。
J1定着を焦るあまり、Jリーグでの歴史が浅いにも拘わらず、ホームグロウン選手の不足・レンタル選手が幅を利かせる歪な選手構成になっていた近年。
布氏の招聘はそれを正さんとする意味合いともとれ、実際この日のスタメンには森下・杉本・久保田・高木彰と若手選手の起用が目立っています。(森下・高木彰はレンタル加入だが一応入れとく)

レギュレーションの変更もあり、今季は自動昇格2枠のみでプレーオフは無し。
そして降格が無い代わりに、翌年は降格枠が4枠という予定が立てられています。
つまり昇格しても、来季は残留が一層厳しいものになるはずであり、こうした基礎固めを重視した起用は何より重要となるでしょう。
観客減による経営悪化をどれだけ凌げるかに掛かってくる……というマクロの問題もありますが。

その松本、後半開始前に高木彰→鈴木雄斗に交代。
鈴木雄が左サイドハーフに入り、セルジーニョがFWへシフトしました。
後半1分、自陣からのFKでロビングがエリア内右へと入り、高木利の落としを浦田がボレーシュート。(枠外)
前半同様、遠目からのFKでの攻撃でジャブとした松本。

その後は再び前線からプレス。
今度は積極的にボールホルダーまで詰めていき、3分には敵陣右サイドで久保田がボール奪取に成功し、そこからCKをゲット。
しかしこのCK、相手のクリア後に久保田がミドルシュートを放ってブロックに遭うと、そこからカウンターを受けてしまいます。(シュートには持ち込めず)
これを境に群馬のペースに。

前半とは違い積極的に奪いにいったのが拙かったのか、群馬はビルドアップでこれらをかわして攻撃を組み立てます。
しかしシュートは6分の高瀬ミドルシュート(ゴール右に外れる)ぐらいで、完全な攻勢とまではいかず。
8分に、前節からベンチに復帰した大前を投入(中山と交代、進が左SHにシフト)し勝負を賭ける体制に。

しかしその効果が表れる前に、松本に追加点が入ります。
17分自陣左サイドから高木利がロングパス、これが中盤で混戦となり、こぼれ球を鈴木雄が拾い中央に向かうドリブル。
追い越した杉本にパスを出すと、杉本はエリア内に進入してシュート。
混戦(セルジーニョが潰れたのが利いたか)の後でトランジションが遅れた隙をドリブルで突き、数的優位を作った末のゴールでした。

その後も20分、久保田のクロスから阪野がヘディングシュート(オフサイド)と松本が好機を作ったのち、群馬は21分に2枚替え。(高瀬→飯野・田中稔→青木に交代)
しかしまたもや松本が好機(25分)、今度は相手CKからのカウンターで、杉本のドリブルで一気にエリア手前まで進んだのち中央からシュート。(GK清水セーブ)

決定的な3点目こそならなかったものの、これを機に以降松本はカウンター狙いにシフト。
群馬にボールを持たせる戦術を採り、その通りにブロックの外でパス回しを強いられるシーンが多くなっていく群馬。

終盤には守備時に5バックとなる逃げ切り体制に入る松本。(杉本が右ウイングバックの位置に降りてくる)
何とか打破したい群馬は41分、左サイドで白石(進と交代で出場)が細かくドリブルで前進し、奥の飯野へパス。
飯野が切り返しからクロスを上げると、ファーサイドで岩上がヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
以降も得点の匂いがしないまま、試合終了のホイッスルを聴く事となりました。

敗れた群馬ですが、布氏の時代に獲得した選手は鈴木順也・岡村・田中稔に飯野・青木と、絶対数は減ったものの出場を重ねている模様です。(青木はこの日が今季初出場)
結果とともに土台作りも重要である事を示しているようで、松本でもこの手腕を発揮し、チームの基礎を固める事が出来るでしょうか。


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