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DAZN観戦 2022年J2リーグ第27節 ロアッソ熊本vsレノファ山口FC

2022-07-22 16:01:07 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(16節・大分戦、2-1)
※前回の山口の記事はこちら(24節・甲府戦、2-1)

<前節からの変更>

熊本=スタメン11人・ベンチメンバー7人共に不動。ちなみに前々節も同じで、3試合連続となる。

山口=3人変更。前節唯一の得点を挙げた梅木を即行で抜擢、大槻に代わってセンターフォワードに。その他、左サイドバックが橋本→石川・右インサイドハーフが神垣→山瀬。ベンチには、夏の移籍で出戻りとなった高井が登録即ベンチ入りと、即行がテーマの選手起用か。

スタメン

独特のフォーメーション(3-3-1-3)による独特の戦いを繰り広げている、といった感じである再昇格1年目の熊本。
16節以降僅か1敗(4勝6分)と、立派に既存のJ2クラブと渡り合っている姿には感動を禁じえませんが、恐らくは「喜ぶのは(結果を出した)リーグ戦終了後」という思いで戦っているのでしょう。

ともにプレッシングの意識旺盛で、最終ラインも高目が基本というチーム同士の戦い。
ハイプレスを掻い潜らんとする裏狙いのロングパスが多めとなるも、オフサイドも量産した立ち上がりとなります。

最初にフィニッシュに持ち込んだのは山口で、前半7分に石川の左サイドでのパスカットが契機となり、裏へのパスに走り込んだ沼田がクロス。
中央で高木が合わせにいき、こぼれた所を梅木がダイレクトでシュートしましたが枠外に。
前節結果を出し即スタメン起用された梅木が、この日も得点という結果への執着心が目立ち。
しかし見所は熊本のビルドアップを遮断する山口ディフェンスで、9分にも敵陣で石川がカットしてから好機を作り。(シュートまではいけず)
11分にはミスを誘発させたのち、ボールを持った田中がエリア内左を突いてシュート(ブロック)と、プレッシングで相手の攻撃を機能不全にしていく狙いを発揮していきました。
熊本の組み立てで中心となるアンカーの河原を、大ベテラン・山瀬が常時チェックするという立ち回りで、サイドからの前進を押し付け。
熊本は、ウイングバックの三島(右)・藤田(左)を中央へ絞らせる手法を採って対処せんとするも、慣れるまでに時間を要するといった序盤戦となりました。

しかしWBの代わりに左右のセンターバックがワイドに開いて攻撃参加するなど、慣れを見せ始めるその後の熊本。
次第にウイングの杉山・坂本がサイド奥を突くシーンを量産させ、一転攻勢を展開します。

そしてビルドアップが機能不全となったのは山口の方で、最終ラインに対しても果敢にチェイスする熊本に対し、ロングボールで逃げるのがやっとという状況に追い込まれ。
GK関を加えてのパス回しで逃げ切りを図る山口に対し、CFの高橋は常時ヘナンをチェックし、そこから左右どちらに展開されてもウイングのプレッシングで詰まらせる方策が機能。
たまらず山口は、ゴールキックから短く繋ぐ基本方針を改めざるを得なくなり、前半途中から関はロングフィードへと傾倒していきました。

こうして得点への下地が出来上がった熊本は31分、左サイドで坂本のスルーパスに走り込んだ高橋が、エリア内左奥に切り込んでマイナスのクロス。
ニアで三島が合わせにいき、跳ね返りを坂本がダイレクトでシュート。(枠外)
32分は坂本の左→右へのサイドチェンジを受けた杉山が、そのままエリア内右へと切り込んでシュート。(GK関セーブ)
得てして単純なクロスに終わりがちなサイド攻撃を昇華させ、エリア内に切り込んでシュートかグラウンダーでのクロスかの二択に持ち込むシーンが頻発、山口ゴールを脅かしていきました。

37分までにコーナーキックも6本得るなど、まさに熊本の圧倒的優勢といった時間帯。
しかし39分、熊本のパスミスを梅木が繋いで山口の攻撃ターンとなり、左サイドで前進していき大外の沼田からエリア内左へ横パス。
受けた田中が奥に切り込んで低いクロス、この鋭いボールにGK佐藤優也は飛び付いて何とか弾くも、ファーサイドに転がって拾った高木がシュート。
しかしブロックに当たってゴール左へ外れ、何とか命拾い。

ここから山口ペースへと切り替わり、熊本にとっては自身のミスで流れを失った格好となった前半の終盤。
一転してその後前半終了までに3本CKを得た山口でしたが、ゴールを奪う事は出来ず。
高木のロングスローも交えていったものの、セットプレー攻勢は不発に終わり、結局スコアレスで折り返しとなりました。

共に交代無く迎えた後半。
熊本の最初の好機(後半2分)が、河原の裏へのミドルパスに高橋が走り込むもオフサイドになるという前半の立ち上がりと類似したような感じなのを尻目に、山口は直後に決定機。
高木の敵陣でのボール奪取から右サイドを前進し、佐藤謙介のクロスがファーサイドに上がると、合わせた沼田がボレーシュートを放ちましたがゴール左へと外れ。

プレスをまず一つ決めた山口に針が振れると思われましたが、ここから熊本は最終ラインからの組み立てで好機を生み出すシーンが目立ち。
7分には杉山が降りて来てのパス回しを経て菅田が左サイド裏へロングパス、受けた坂本がカットインでエリア内左を突き、切り返しからシュート。
GK関がセーブし、跳ね返りがヘナンに当たり前へ向かうも決まらず。
山口の前線の守備は、アンカー河原へのチェックは変わらずも、それに慣れを示した熊本に対しては曖昧といった感じであり。
他選手の頻繁なポジションチェンジに対応出来ず、前からのプレスを嵌められずに推移していきました。
特に前半は中央寄りだったWBが、ワイドでプレーする事が多くなっていたのは山口のプレスに対する答えか、あるいはプレスが脅威とはならない故の変節か。

そんな状況もあり先に動かざるを得なくなった山口ベンチ、完全移籍で出戻りを果たした高井を早速投入します。(沼田と交代・9分)
沼田と同じ左WGに入り変化を付けると思われましたが、フィニッシャー含めた攻撃の中心は梅木というのは変わらずに推移。
13分には中央~左サイドでの細かいパスワークから、梅木がエリア内へ走り込む石川へ浮き球を送り、クリアされたこぼれを自ら拾いそのままミドルシュートを放ち。(GK佐藤優セーブ)
この場面は高井の居るはずの左サイドからの攻撃でしたがボールに関与せず、打開したのは左に開いた梅木という具合に、あくまでチームの和を乱さない事に努めていた感のあった高井。
CKのキッカーも務めたものの、ポジションの取り合いの段階での反則もあり不発に終わります。

一方熊本も15分に最初のカードを切りにいき、こちらは強烈に変化を与える采配となり。
伊東→ターレスへと交代し、右WGにターレスが入る事により杉山が左WGへ・坂本がトップ下へとシフト。
玉突き的なポジションチェンジが敢行されたものの、その効果はおつりが出るぐらいのものがありました。
その後、熊本のプレッシングに苦しみつつも19分に好機を迎えた山口、佐藤謙のエリア内左への縦パスを受けた山瀬が熊本・イヨハ理ヘンリーに蓋をされつつも横パス。
そして梅木がシュート(ブロック)と、あくまでCFの梅木に撃たせる攻撃を貫き。

ここまではどちらが先制するか解らない流れでしたが、ターレスという翼が羽ばたく事で一変。
22分坂本の右サイド裏へのロングパスに走り込み、奥で追い付いてマイナスのクロスを入れた所に、杉山が走り込むも間一髪クリアされ。
まず一つその威力を見せ付けると、24分には三島のロングパスで再び右サイド奥に走り込むターレス、今度はカットインを選択しエリア内右を急襲。
角度の無い所からシュートを狙ったものの、ブロックされた末に右サイドネット外側に。
そして決定機を迎えたのが26分で、今度は敵陣でパスを受けたのち自らエリア内右へ切り込んだターレス、そのままシュートを放ち。
GK関がセーブした跳ね返りを坂本が詰め、関の脚に当たるもゴール方向へと浮かび、決まったと思われましたがライン寸前で山口・生駒がヘッドでクリア。
まさに紙一重という所で、何とか防いだ山口。

この決定機を逃したツケが大きくなるか、あるいは山口の決壊は間近と見るべきか。
そして次の攻撃で直ぐさまその答えが出る事となります。
27分中盤で高橋がプレスバックしてボールカットし、すかさずパスを受けた杉山が山口・渡部を振り切り長距離をドリブル、一気にエリア内を突き。
必死で追走した山口・ヘナンが止めにいくも、後ろから足を掛ける格好となってしまい、杉山が倒れた事で反則の笛が鳴りPKの判定が告げられます。
これに山口サイドは主審(大坪博和氏)に対し猛抗議、生駒が異議で警告を貰ってもなお執拗に続けたものの、当然覆る事はありません。(むしろヘナンに対し警告が出なかったのが個人的には謎)
このPKのキッカーは高橋が務め、責任重大といった場面でしたがゴールやや左へ強いシュートを蹴り込み。
ライン上で動きつつじっくりと高橋の動作を見ていたGK関は反応しきれず、待望の先制点が生み出されました。

勢いに乗る熊本、尚も32分には中盤でボール奪取した坂本が倒れながらもスルーパスを送ると、やはりそこに走り込むターレス。
エリア内右からマイナスのクロスを送る(シュートは撃てず)など、山口ディフェンスに脅威を与え続け。
その後のCK攻勢では、キッカー杉山があろう事か遅延行為で警告を受ける一幕があったものの、山口に反撃の隙を与えずに試合を進めていきます。

何とか糸口を掴みたい山口は、34分に山瀬・石川→神垣・兒玉へと2枚替え。
空いた左SBには高木が(兒玉が入る)右WGから回るなど、ベンチ外となった橋本の穴は大きいといった選手起用に映り。
一向に衰えを見せない熊本のプレッシングを受けつつも、40分にGK関ロングフィード→梅木フリックという定番の流れで好機が到来。
拾った高井がエリア内左奥を突き、切り返して入れた低いクロスに兒玉がボレーシュートで合わせにいくも、ミート出来ずに終わってしまいました。

直後に熊本は藤田・杉山→阿部・東山へと2枚替え、運動量を保ちにいき。
そして前掛かりとなる山口の隙を突くように裏狙いが尚も冴え、42分にはまたもターレスが右サイドで抜け出し、奥からのクロスを中央ややファー寄りで高橋がヘディングシュート。
しかしゴールバーを掠めて枠外となり惜しくも追加点はならず。
その直後にも敵陣での坂本のボール奪取から、拾ったターレスがシュートを放つ(枠外)など、ターレスの脅威は止まる所を知らないといった絵図となりました。
欲を言えば2点目を叩き出して欲しかった所で、32分の好機は自らシュートしてよかったのでは……とも思いました。

43分にレジェンド・岸田を投入し(梅木と交代・同時に佐藤謙→佐藤健太郎へと交代)、残り少ない時間で同点を狙いにいく山口。
しかし流れを得れない状況で好機は数えるほどしか作り出せず。
そのままアディショナルタイムを迎え、パワープレイ紛いのロングボール攻勢に賭けるしかなく。
最終盤で渡部のロングフィードから、右サイドで生駒がクロスを入れる展開に繋がり、これをニアサイドで岸田がフリック気味に合わせ。
しかしゴールには向かわず右へ逸れていくと同時に試合終了の笛が吹かれ、レジェンドが齎す起死回生のゴール……とはなりませんでした。

ウノゼロのまま逃げ切り、勝ち点3を得る事に成功した熊本はこれで6位へと浮上。
リーグ戦も進み相手の対策も窺えたなかで勝ちきれたのは大きく、独自の戦いをプレーオフ圏争いへと昇華させる事が出来たでしょうか。


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