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J2に固定化しつつあるという印象の首都圏のクラブ、それは安定かあるいは怠惰か。
上のJ1に目を向けると、川崎とマリノスがリーグ制覇している過去5年間、神奈川県はどうやらそんな流れから脱しているようで。J2視点で見ても、湘南・横浜FCが昇格し片方が定着しつつある状態で、神奈川と他を分ける趣が……ある訳無いか。
今季昇格に絡む現実性としては、千葉がどうかというぐらいで、大宮の凋落が著しい状況では苦しいか。前年上位に喰い込んだ町田はやはり神奈川寄りの街なのか
<水戸ホーリーホック>
予想フォーメーション 4-2-3-1
GK 中山 小澤 山口 茂木 本間
CB タビナス・ジェファーソン 三國スティビアエブス 鈴木 楠本 山田
SB 大崎(L)村田(R)黒石(R)松田(?)後藤田(R?)
DH 平塚 新里 前田 土肥 (鈴木)
OH 音泉(R)森(LC)曽根田(CR)高井(L)椿(L)金久保(C)(村田)
FW 安藤 梅田 唐山 木下 (高井)
予想順位 8位~16位
主力の引き抜きの被害は毎度の事なので開き直れるだろうが、それに加えて木村・細川・岸田といったベテラン勢が居なくなったのは地味にキツイと思う。本間の存在もあり、クラブに残ってくれる選手は大事に扱うと思っていたが……。その本間のポジションであるGKは、誰がレギュラーになるのか解らない状況が訪れており、2期ぶりの出場があるかもしれない。
とりあえずはFWが少なめという事を踏まえて4-2-3-1で予想すると、大幅に引き抜かれたとはいえ、新規獲得選手は実力者ばかり。J3上位クラブからも梅田・音泉・前田と補強に余念が無く。
そんな訳で巧く組み合わせられれば攻撃陣は例年通りの力を発揮できるだろうが、逆に動きがあまり無かった(というかそれまでに抜かれ尽くした)ディフェンスラインに不安を残す。補強してきた楠本は、山口では3バックの経験が多かっただけに対応できるかどうか。まあチーム自体が3バックに移行する事も考えられるが……。
レギュラー固定はしないチームなので、過密日程になってしまってもダメージは少なそうなのが救いか。
<栃木SC>
予想フォーメーション 4-2-3-1
GK 川田 藤田 青嶋
CB 小野寺 三國ケネディエブス カルロス・グティエレス 大谷 鈴木 井出
SB 福森(L)黒﨑(R)面矢(L)大島(R)(磯村)
DH 佐藤 西谷 磯村 神戸
OH 森(RCL?)山本(RL)トカチ(C)ジュニーニョ(RL?)谷内田(LC?)松岡(RL?)大森(?)
FW 矢野 瀬沼 小堀 五十嵐 宮崎
3-4-2-1の場合
GK 川田 藤田 青嶋
CB 小野寺(RL?)三國(?)グティエレス(C?)大谷(R)鈴木(R?)井出(?)
WB 福森(L)黒﨑(R)面矢(L)大島(R)谷内田(L?)(山本)
DH 佐藤 西谷 磯村 神戸
IH 森 山本 トカチ ジュニーニョ 五十嵐 松岡 大森?(谷内田)(瀬沼)
FW 矢野 瀬沼 小堀 宮崎
予想順位 14位~21位
ある意味パワーサッカーの先駆けともいえた栃木、その伝道師(?)であった田坂和昭氏に代わり、前年まで福島を率いていた時崎悠氏が監督に。前年福島の試合を観た際は、3バック・4バックどちらも使用していたので両方予想する。
柳が抜けたディフェンスライン、三國は福岡でのFW起用が仇になったか未だ今一つな状態なので、福岡から獲得した(出来た?)グティエレスが軸となり得るか。思えば柳はその得点力ばかりが目立っていただけに、前年田代(現鳥栖)が抜かれた際よりは穴は(守備面で)大きくないのが救いか。
豊田⇔瀬沼の交換トレード(金沢と)のような形になった攻撃陣。恐らく主体的な組み立ても取り入れての構築となると思うので、メンバー云々というよりは監督の手腕がモノを言いそうな状態。そういう意味では、福島からトカチを獲ったのが大きいか。それでも前年までのスタイルの削ぎ落しに手を焼く事となりそうだ。
<ザスパクサツ群馬>
予想フォーメーション 4-4-2
GK 清水 櫛引 伊藤 山田
CB 畑尾 渡辺 川上 城和
SB 小島(L)平尾(R)藤井(R?)高橋(L)光永(L)岡本(?)(岩上)
DH 細貝 岩上 内田 中山 風間 田部井?
SH 田中(R)白石(L)加藤(L)高木(L?)久保田(LR?)(平尾)(山根)
FW 北川 深堀 山根 平松 (高木)(加藤)
予想順位 18位~22位
既定なのか否か、今回も残留のためだけの指揮となった久藤清一氏に代わり、新監督に選んだのは大槻毅氏。そのキャラクター性が数多のファンに印象を残した人物だが、残留争いという苦境を強いられそうなクラブでの指揮は博打に近いものがあると思う。浦和時代を振り返ってもチーム運営的にとりわけ強みを見せ付けられず、選手獲得などで強い人脈がある訳でも無いだろうし……。
前年までの基本形と大槻氏の浦和時代での基本形から、4-4-2が有力と踏まえて予想。大前・青木の移籍が重大事項で、個人的には「ベテランが去っても、彼らより若い人材で埋めれば大丈夫」と考えるのを優先したいが、選手獲得源が限られている群馬にとってはまさに痛手以外の何物でも無く。彼らの働き場だったFW以外を見ても、センターバックの薄さとそこそこ揃っているサイドバックが織りなす最終ラインのアンバランスぶりなど、課題はそこかしこに転がっているようであり。岩上をSBに回すかどうかで悩ましいボランチでは、風間獲得で硬くなったのが唯一の幸いか。
(大槻氏のサッカーから考えて)速攻主体になる事を踏まえると、新加入で最も期待したいのはスピードのある山根か。
<大宮アルディージャ>
予想フォーメーション 4-3-3(4-2-1-3)
GK 南 植田 若林
CB 西村 新里 田代 貫 (茂木)(山田)
SB 吉永(L)山田(R)茂木(RL)
DH 三門 大山 小島 大橋 (山田)(三幸)
IH 小野 武田 三幸 矢島慎也 菊地
WG 奥抜(LR)柴山(LR)泉澤(L?)中野(RL?)高田(R?)(小野)
CF 河田 富山 矢島輝一 (中野)(菊地)
予想順位 9位~18位
前年はまさかの残留争い、それも最終節での残留決定という有様。そんな汚泥に塗れた結果と中途半端に潤沢な資本力による編成が招いたものは、オフの20名もの退団選手と、いかに整理整頓の意思が働いたかが窺える。その過程で黒川はじめ個人昇格という名の引き抜きにもあったのはマイナスだが、ある程度は仕方ないという事で……。
そんな断行の影響で、特にディフェンスラインが一気に薄くなった感があり。未だ若い西村を中心にせねばならないセンターバックの状況故、新里の獲得は僥倖となるか。サイドバックも手薄で、茂木・吉永の新加入組(吉永は再加入だが)を軸に、前線の選手からのコンバートが考えられそうだが想像の域を出ない。
中盤以前の補強は、中堅所(25~30歳)の選手を集めたという感じ。他クラブでの主力が数多なだけに使いやすい分、上がり目も少ない気がするし、故障明けの泉澤の出来も気になる所。例外的な若手である武田が育成型レンタルなため、彼に経験を積ませるというのも長期的な策では無いのが辛い。
<ジェフユナイテッド千葉>
予想フォーメーション 3-4-2-1
GK 新井章太 鈴木椋大 松原
CB チャンミンギュ(C)鈴木大輔(L)新井一耀(RL)佐々木(L)ダニエル・アウベス(?)
WB 末吉(L)福満(R)米倉(R)秋山(L)
DH 田口 熊谷アンドリュー 小林 小島 (高橋)
IH 見木 サウダーニャ 高橋 高木 風間
FW 櫻川ソロモン 川又 ブワニカ啓太 (サウダーニャ)(高木)
予想順位 2位~11位
苦闘を経てようやく最適解へと辿り着いて結果を残した昨季終盤。引き抜きが予想されていた見木らも契約更新と、珍しく上昇機運著しい状況でシーズンを迎えそうだ。
ディフェンスリーダーとなるべき鈴木が中央では無く左センターバックに定着するなど、現状のサッカーに行き着くまでの苦難が窺える陣容。カッチリと役割を当てはめての最適解故に、ポリバレント性に欠けるという難点も見受けられ、アクシデントに弱そうなのが不安点だろうか。
ともかく前年のメンバーを主体にしたその期待度は高く、前線3人のレギュラー(櫻川・見木・サウダーニャ)が未だ伸びそうな年齢なのも好材料。カギは日程的に苦しい時に、風間・高木などの新戦力が綻びをどう埋められるかだろう。
<東京ヴェルディ>
予想フォーメーション 4-3-3(4-1-2-3)
GK マテウス 長沢 高木和 佐藤久弥
CB ンドカ・ボニフェイス 馬場 平 山越 佐古 谷口 (加藤弘)
SB 深澤(R)山口(L)奈良輪(L)宮本(?)加藤蓮(?)
DH 山本 加藤弘堅 (森田)
IH 梶川 森田 井出 石浦 (稲見)
WG 小池(RL)杉本(L)新井(L)阿野(R?)バスケス・バイロン(R?)河村(?)(端戸)
CF 佐藤凌我 端戸 阪野
予想順位 7位~15位
ユース出身はじめ生え抜き選手が大勢力を形成するクラブ、しかしそれが決して良い状況を生む訳では無いというのがプロサッカーの世界。経営難故の苦しさをも窺わせる生え抜き重視であり、順位的にもJ2中位に定着しつつあるという、冒頭に述べた怠惰を感じさせる象徴ともいえる状況で浮上の芽はあるのか。
昨季終盤にチーム状態は急上昇し、千葉と同様に上昇機運は抱えている。ただし主力であった若狭・福村・山下が抜けてしまい、若干の再編成と若手の突き上げの両方が必要な状況。ピンポイントに補強選手を加えたものの、それが果たされなかったサイドバック(特に左)がネックだろうか。佐藤凌に続けと言わんばかりに大卒選手を多数獲得しており、いずれは彼らを軸として陣容を固める算段か。
2年目を迎える堀孝史監督の手腕も重要なファクター。浦和時代も、正式な監督として挑んだ2018年シーズンに迷走してクラブを追われてしまっただけに、同じ轍を踏まないかが今後の指導者生活の分かれ道だろうか。