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DAZN観戦 2020年J2リーグ第23節 ヴァンフォーレ甲府vs東京ヴェルディ

2020-10-01 17:00:31 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の甲府の記事はこちら(19節・岡山戦)
※前回のヴェルディの記事はこちら(19節・群馬戦)

前回対戦時(5節)は、甲府にとって色々な転機となったこのカード。
大幅なターンオーバーに踏み切ったものの、ヴェルディの多彩な攻撃に翻弄されて4失点での敗戦(2-4)となり、今季初黒星。(一方ヴェルディは今季初勝利)
ディフェンスリーダーとしてスタメンだった大ベテラン・山本英臣にとっては散々な試合となりましたが、この日も3バックの中央としてスタメン出場となり、リベンジの機会が巡って来ました。

このヴェルディ戦以降、伊藤彰監督は中央CBを前に出しての3バック→4バックへの試合中の可変を戦術として取り入れ、現在に至っています。
ヴェルディが可変システムを巧みに操るチームの代名詞なだけに、この敗戦で何かが吹っ切れたのでしょうか。
中央CBには新井涼平と山本英が主に起用され、以降チームは立ち直り22試合で3敗という安定感を取り戻しています。
しかし引き分けの多さ(11)で上位を脅かすには至っておらず。
そんな中、9月17日にDFとして助っ人・メンデスの獲得を発表したクラブ。
未だ試合には出ていないものの、J2経験豊富な助っ人(金沢→栃木で約4年半プレー)が、勝ち切れないチームにどんな刺激を与えるでしょうか。

4戦引き分けが続いている甲府。
故障から復帰したドゥドゥをジョーカーに置き、先制された試合でも追い付く粘りは発揮しているものの、全体として得点力に欠ける現状。
しかしラファエルやハーフナー・マイクを起用してもそれはあまり改善されないので、バランス重視の舵取りは崩さず、といった現状でしょうか。

試合が始まり、立ち上がりからヴェルディがボールを支配。
ショートパスを基調にしつつ、時折ロングパスを交えるスタイルを見せ、前回対戦時はこの攻撃で甲府守備陣は終始翻弄されていました。
この日も同様の攻めを見せますが、当時とは打って変わって、ベストメンバー+山本英で組まれた甲府ディフェンスの前に中々フィニッシュに持ち込めず。

一方、甲府の攻撃も今季はポゼッションスタイルを取り入れており、主にサイドでショートパスを散らしていきます。
そのサイドで決め手になるのは泉澤・内田が2人揃う左サイドであり、泉澤のドリブルと内田のクロス能力を噛み合わせての攻撃。
これを軸としつつ、後方から山本英のフィードを交えてアタッキングサードにボールを送ります。

ヴェルディのビルドアップですが、この日は左サイドバック・福村が中央へ絞り気味。
最終ライン付近でパスを受けた福村が左に出すと、CBの平が張り出して受けるという奇妙な絵図もしばしば見られました。

そんな立ち上がりを経たのち、徐々に決定機を得るようになったのは甲府。
前半19分、左サイドで内田のスルーパスに泉澤が走り込み、クロスが上がるとファーサイドで松田が強烈なヘディングシュート。
しかしGKマテウスがセーブして防ぎます。
22分には同じく左サイドから、山本英の中央からのロングパスを受けた泉澤のクロス、これもファーサイドで宮崎が足で合わせるシュート。
ヴェルディ・福村にブロックされての右コーナーキック、キッカー藤田優人は中央へ入れると今津が落とし、泉澤がフリックの姿勢でスルー。
GKマテウスは虚を突かれたものの弾き、ゴール前で乱戦が生まれましたが掻き出されてゴールならず。

飲水タイムを挟んだ後も、28分に泉澤が左からカットインしてエリア手前左でシュート。(GKマテウスキャッチ)
34分には泉澤が左サイドの突破の後武田を経由し中央の野澤へ渡り、シュートが放たれましたがこれもGKマテウスのセーブに阻まれる、という具合に甲府の攻撃に立ちはだかったマテウス。

一方ヴェルディは、飲水タイム前とは打って変わり、流れの中から中々好機を掴めず。
次第にポゼッションでも甲府に肉薄される展開になりつつありましたが、38分に決定機。
甲府と同じく左サイドで攻撃しますが、福村を軸にショートパスの連続で組み立て。
そして受けた井上がエリア手前でカットインを見せ、豪快にシュートを放ちましたがGK河田がセーブ。(その後小池が詰めるも撃ち切れず)
甲府サイドも、2節以来の出場となった河田がゴール前に君臨しました。

終盤はお互い遠目からのセットプレーで、山本英のフィードで好機が生まれた甲府がシュートを放ちました(エリア内右へロビング→小柳折り返し→宮崎ヘディングシュート・枠外)が、ゴールが生まれる事は無く前半を終えます。

前回対戦とは違い、甲府がやや押し気味というゲームを描いたこの日。
ボールは握るものの、やや閉塞感が漂っていたヴェルディ、ハーフタイムで松橋→山下へと交代します。
中2日での試合かつ、この後も中2日という厳しい日程を強いられ、レギュラーのボランチ・藤田譲瑠チマを休ませざるを得ない(ベンチ入り)状況のヴェルディ。

後半を迎え、立ち上がりはその効果を得たヴェルディがギアチェンジを見せます。
後半3分、山本理仁が自陣でパスカット、縦パスから井上ポストプレイ→井出スルーパスで素早く敵陣左サイド奥へ。
受けた山下から、戻しを受け取った井出がエリア内へスルーパスを送ると、井上のマイナスのクロスを森田がシュート。
ゴール左を襲ったものの、僅かに外れてしまい電撃作戦は成功せず。
その後も6分にパスワークの末に山本理がシュートを放つ(枠外)など、2列目の選手によるフィニッシュが際立ったヴェルディ。

しかし次第に甲府ペースに移っていき、甲府も11分の宮崎クロス→ファーで武田シュート(枠外)ぐらいで推移。
膠着状態の雰囲気が漂ってきた15分、甲府は2枚替えを敢行します。
宮崎・野澤→ドゥドゥ・中村へと交代(松田がFW→シャドーへシフト)。
ジョーカーのドゥドゥを早くも切ってきた甲府ベンチ。
この後早速、ドゥドゥや泉澤に裏抜けを狙わせる攻撃を展開していきます。

一方のヴェルディ、この甲府の交代辺りからでしょうか、ウイング同士(小池・山下)でポジションを入れ替える策を採っていました。
右だった小池が左に移り、山下が右へ。
そしてそれが奏功したのが19分で、右サイドで若狭のパスカットから縦パスが素早く山下に入ると、一気に奥までドリブルで前進。
山下からのクロスがファーサイドに流れた所を、小池が拾ってシュートしますが、GK河田がセーブで防ぎます。
しかし20分に井出→佐藤へと交代したヴェルディ、それに伴ってか小池と山下は元の位置へと戻ります。

22分の山下シュート(枠外)を最後に、ヴェルディはシュートチャンスを失っていき甲府のペースに。
27分、右からのスローインで攻撃を組み立てていく甲府、最後は中村のスルーパスにドゥドゥがエリア内へ抜け出してシュート。
しかしオフサイドの笛が鳴り、ボールはゴールに入ったもののノーゴールとなります。

その後はヴェルディがパスミスを連発するなど、疲労度が内容に影響してくるのを隠せないようになっていきます。
その隙を突かんと敵陣からショートカウンターの連続で攻め立てる甲府、途中出場のドゥドゥもシュートチャンスを得ていきます。
31分にはエリア内右からシュート(右サイドネット)、32分にはミドルシュート(GKマテウスキャッチ)と果敢に放っていったドゥドゥ。
それでも肝心の得点には辿り着けずに時間を消化。

35分に再度ヴェルディは動き、大久保とチマを投入。(井上・山本理と交代)
その際に再び小池と山下がポジションを入れ替え、苦境を変化で跳ね返しにかかります。

37分に早速、チマがスルーパスをエリア内左へと送り、大久保が走り込んで受ける好機を作る両者。(その後大久保はクロスを選択もクリア)
ペースを取り戻し押し返すヴェルディに対し、甲府・ドゥドゥがエリア手前でチマを倒してしまい反則。
その際に松田が異議で警告を受けるなど、今度は甲府側が我慢を強いられる展開に変わっていたのでしょうか。
これで得た直接FKは、キッカー佐藤の直接シュートが壁を直撃してモノに出来ず。

しかし甲府も40分に交代(泉澤→ラファエル、ドゥドゥがシャドーへシフト)で押し返しを図ります。
41分に早速、右サイドで右往左往するボールを藤田優が落とし、松田がクロスを上げる好機が。
エリア中央で中村がボレーシュート、しかしGKマテウスがここも防ぎ、ラファエルが詰めたもののオフサイドに。

結局双方スコアレスのままアディショナルタイムを迎え、甲府が攻勢を掛けるもゴールを割れず。
最終盤で疲労困憊な中カウンターも炸裂し、甲府のCKから、武田のヘディングシュートをGKマテウスがキャッチ。
するとマテウスがすかさずスローしてカウンター、福村のドリブルで敵陣に進入し、彼のパスを受けた佐藤が右に振って大久保へ。
大久保がシュートするもGK河田がキャッチし、素早いスローで逆にカウンターを始める甲府、武田がドリブルで前進。
右へパスを出し、受けたドゥドゥのクロスを松田がファーサイドでヘディングシュート(GKマテウスセーブ)。
双方シュートで終わってのカウンターのカウンター、という面白い絵図となったものの、やはりゴールは生まれませんでした。

そして4分のATを消化して試合終了を迎え、引き分けの痛み分けとなりました。
これで5連続引き分けとなった甲府、その間の得点は2点のみと、攻撃陣の不発ぶりが際立って来ました。
少し前は長崎・北九州といった上位クラブを撃破するなど躍動していたものの、今後は何処でチームの舵を攻撃にきっていくか、悩む事となりそうです。

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