ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第27節 東京ヴェルディvs栃木SC

2020-10-20 16:03:30 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回のヴェルディの記事はこちら(23節・甲府戦)
※前回の栃木の記事はこちら(20節・磐田戦)

4試合連続無得点という現状の栃木。
劇的な逆転劇であった磐田戦以降も複数得点を重ねていたものの、23節・福岡戦で相手にお株を奪われるウノゼロでの敗戦を境に急転直下。

選手編成で見てみると、21節(京都戦)を境に高杉が、24節(長崎戦)で負傷退場した佐藤祥が離脱を余儀なくされています。
これまでチームを支えていた主力選手を失い、層の薄さを痛感させられている、といった状況でしょうか。
この日は14試合ぶりに禹相皓(ウサンホ)、15試合ぶりに榊がスタメン出場を果たしたのもその影響に因る所だと思われます。

ボール支配に長けているヴェルディ相手にも怯まず、立ち上がりから持ち味を発揮して好機を作っていく栃木。
序盤は様子見、という姿勢を持ち合わせていないかのようなそのハイプレスぶりに、流石のヴェルディも守勢に回らざるを得なくなります。

しかし押し込むものの、その成果が出ずに流れを失ってしまう。
この日もその例に漏れず、7分にヴェルディのカウンターを反則・警告で止めた(西谷)プレーを機に、以降ヴェルディに傾いてしまいます。
普段通りのパスサッカーに加え、右サイドバック・クレビーニョのスピードを活かす攻撃も加えていきペースを握っていくヴェルディ。
前半11分、左サイドで福村・佐藤優平を中心にパスを繋いで前進、左からのパスを受けた端戸がダイレクトでエリア内左へ短いスルーパス。
福村が走り込みグラウンダーでクロスを入れ、山下が跳び込んで合わせゴール、と思われましたが端戸が戻りオフサイドとされて得点ならず。
14分には同じく左サイドで、福村のスルーパスから佐藤優がクロス、ファーサイドで再び山下が足で合わせるもミートしきれず枠外に。

決定機は作れたもののモノに出来なかったヴェルディ。
すると栃木が、十八番である高い位置でのボール奪取からの攻撃。
15分、左サイドで西谷がカットしたボールを浮き球で繋いでいき、収めた明本がエリア内左に進入してシュート。(枠外)
その後も敵陣でのパスカットから攻撃を仕掛け続けます。
流れを失ったヴェルディは、井上がボランチに落ちたり、佐藤優が井上のポジションである左ウイングに入ったりと可変しての攻撃を見せます。
しかしペース取り戻すまでにはいかず、そのまま飲水タイムへ。

明けた直後、栃木にも変化の兆しが現れ、ロングボールの落下点に入ったセンターバック・田代。
普段なら素直に跳ね返す所を、余裕があったのもありトラップで収めてビルドアップの体勢に入りました。
中々得点出来ていない故の変調かと思われましたが、結局その姿勢はこの場面ぐらい。

30分の栃木の攻撃、GKオビ・パウエル・オビンナのロングフィードから、こぼれ球を拾った明本がスルーパス。
受けた榊がエリア内右からシュートするもGKマテウスがセーブ。
32分のヴェルディ、敵陣右サイド奥からのスローインに山下が走り込み、彼の低いクロスからニアサイドで井上がボレーシュートを放つもGKオビンナがセーブ。
ともにGKのセーブを見せ、一進一退という状況の中、ヴェルディに決定機が訪れます。

クレビーニョの右からのクロス(その前の山本理仁のヒールでのポストプレイが巧でした)がクリアされてのコーナーキック、キッカー・佐藤優のクロスがクリアされたボールを藤田譲瑠チマがダイレクトでミドルシュート。
これもGKオビンナにセーブされ、跳ね返りがエリア内左の高橋の足元へと向かいますが、反応した高橋のシュートはゴール右へと外れてしまい絶好機を逸してしまいました。
これが大きく響いたか、以降ヴェルディが攻勢に出る事は無く、そのままスコアレスで前半を終えます。

この日は栃木の特異のサッカーの前に、持ち味があまり発揮されずといったヴェルディですが、後半戦に入ってからは好調。
折り返した22節以降は3勝1分1敗と上昇機運に乗り、上位をキープしています。

とりわけ1戦目に負けた北九州・大宮・愛媛にいずれも勝利しているのが目を惹きます。
チームだけで無く、監督の永井秀樹氏も発展途上といった前半戦の様相であり、リベンジを果たす事で進化を如実に表しているのでしょうか。
しかし逆に1戦目に勝利した岡山には敗戦(25節)、甲府にはスコアレスドロー。

そうなると、この日の相手である栃木の1戦目を気にしない訳にはいかなくなり、3節に栃木のホームで行われた同カードは1-1の引き分け。
その内容はというと、ヴェルディは後半に退場者を出し(高橋)数的不利となったものの、何とか凌いだという一戦でした。
ボール支配率が71%にも拘わらずシュートは5本で、対する栃木のシュートも9本とお互いに低調。
再開後間もない時期故、共に成熟していないチーム状況が現れていたといえるでしょう。
それはともかく、あの時とは違うという事を証明する勝利が欲しい試合。

後半が始まりましたが、前半と同様に栃木が良い入りを見せます。
内容的にもパスカット・デュエルでのボール奪取からの攻撃と前半の焼き直しという感じで、後半4分には溝渕のこぼしたボールを明本が拾い、そのままミドルシュート。(GKマテウスキャッチ)
10分には西谷が左→右へとサイドチェンジ、受けた溝渕のクロスから明本がヘディングシュートを放ちますが枠を捉えられず。
良い形は作るものの、決定力不足という最後にして最大の課題を克服出来ない栃木。

その栃木の間隙を突き、ヴェルディは12分にパスワークで相手を翻弄。
そして井上のミドルパスを受けた佐藤優が左サイドからグラウンダーのクロス、端戸が収めて再び左へ展開し、受けた福村が再度グラウンダーでクロス。
エリア手前へと流れると、拾った平が右に出して今度はクレビーニョがグラウンダーでクロス気味のシュート(GKオビンナキャッチ)と、グラウンダーのクロス攻勢を展開しましたがゴールは割れず。

支配力に長けたヴェルディと、泥臭く早くという攻撃を繰り返す栃木のぶつかり合い。
1戦目とは異なり、決定機の数も多くシュート数も膨れ上がる好試合の様相となっていきます。
17~18分に双方2枚替えを敢行。
栃木は大島・禹→山本廉・岩間、ヴェルディは山本理・井上→森田・新井へと交代しました。
以降ヴェルディは新井の左サイドでの突破力を活かす攻撃に持ち込み、19分には新井のクロスに端戸が合わせてシュート。(枠外)
栃木はボランチに入った岩間がパスを散らす役を担い、22分に溝渕の右からのクロスを明本がヘディングシュートに持ち込みます。(GKマテウスキャッチ)

双方互角といった状況のまま飲水タイムを迎え、明けると同時に栃木が再び動きます。(25分)
榊・溝渕→矢野・瀬川とまたも2枚替えで勝負を賭けにいきました。(黒﨑が左SB→右SBへシフト)

この交代効果か、以降栃木が一方的に攻撃を仕掛けていきますが、個人的には27分のシーンが切欠となったかと思います。
栃木・瀬川が中盤でボールキープする所、チマが反則気味に(傍らから見て完全にユニフォームを引っ張っていたように見えた)奪ってからヴェルディが攻撃。
栃木ベンチ(?)の怒号が轟く中、チマのドリブルから端戸がミドルシュートを放った(GKオビンナキャッチ)ものでした。
これがかえって栃木サイドに発奮材料を与えてしまった感がありました。

28分には瀬川の左からのクロスを矢野が収めたのち戻し、西谷を経由して黒﨑がエリア手前右からシュートを放つもゴール上へ外れ。
33分には瀬川がパスカットからそのまま左サイドをドリブル、クロスが上がり明本がほぼフリーの状態でヘディングシュートしますが、これもゴール上へと外れてしまいます。
まさに怒りのパワーというような攻撃を見せるも、やはりゴールを奪えない栃木。
数多シュートを放つも決められない明本、形作りの段階では万能性を見せるものの、そのためかフィニッシュに精神を回す余裕が無くなっているのでしょうか。

その後はヴェルディが懐の深さを発揮し、36分の交代(福村・端戸→近藤・小池)を境に押され気味の状況を打開。
センターバックが3枚揃った事で3バックにシフトかもと思いましたが、高橋が左SBに回る布陣で、右のクレビーニョが常時上がり目のポジションを取る「疑似3バック」のような感じになります。

以降は栃木もペースダウンし、39分のCKからの柳のヘディングシュート(GKマテウスキャッチ)の後は、遅まきながらヴェルディのペースに。
相手のクリアボールも回収する分厚い攻撃で攻め込んでいくも、押し込まれた栃木側も最後の所ではやらせない粘り強さで対抗します。
止めを刺すべく、44分に山下→大久保へと交代するヴェルディ。

アディショナルタイムに最後の決定機が訪れ、佐藤優のドリブルから左サイドの大久保にボールが渡り、比較的守りが薄い栃木の状況を見た大久保はかなり手前からクロス。
中の小池がエリア手前へ落とすと、そこに走り込んでいたのは高橋で、そのままミドルシュートを放ちます。
しかし無情にも浮いてしまいボールはゴール上へ。

結局ゴールが生まれる事無く、引き分けで試合終了となりました。
前半に負けたカードは後半に勝ってきたヴェルディですが、引き分けを勝ちにする事は出来ずに終わったこの日。
今後は勝ち越しのカードを量産し、景気の良い後半戦としたい所でしょう。

コメント
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