本田が287日ぶりに代表のピッチに帰ってくる。日本代表は22日、試合会場の静岡・エコパスタジアムで公式練習を行い、23日のアゼルバイジャン戦に向けて最終調整した。注目は約9か月ぶりの代表復帰を果たしたMF本田圭佑(CSKAモスクワ)だ。アルベルト・ザッケローニ監督は公式練習後の会見で先発起用を明言。昨年8月10日の韓国戦(3-0)以来の代表戦出場が濃厚となった。
全体練習前、指揮官が本田のところに歩み寄り、通訳をまじえて数分間、言葉をかわした。「私はできるだけ選手と会話するようにしている。練習の前、練習の最中、練習のあと。時にはホテルでそういう場を持つこともある」。そう語るザッケローニ監督が、約9か月ぶりの代表復帰となった本田を気にかけるのは当然だ。相次ぐ負傷で代表から遠ざかっていただけに、直接コミュニケーションを取り、その状態を確認した。
「見た感じでは体調もよさそうだなという印象を受けている」。そう指摘した指揮官は「試合のリズムの中でどれだけできるか。その中で真のコンディションのチェックができると思う」と起用を明言。MF香川真司(ドルトムント)は「チームではトップ下だけど、左に入ると思うので、普段とは違うところを生かしたい」と話しており、本田がトップ下で先発する可能性が高い。
6月に開幕するW杯アジア最終予選3連戦前最後の実戦。最大の目的は、シーズン終了から試合間隔が空く海外組のコンディション、試合勘を取り戻させることにあるが、久々に本田を加えた攻撃陣の連係面の確認も重要事項になる。昨年11月15日の北朝鮮戦(0-1)、今年2月29日のウズベキスタン戦(0-1)と、W杯アジア3次予選ラスト2試合は無得点に終わった。すでに3次予選突破を決めていた消化試合だったとはいえ、最終予選前に不安を残したのも確かだ。
カギを握る本田はこれまでの18番から4番に背番号が変わった。本人は2日連続で無言を通したが、代わりにザッケローニ監督がその心境を代弁する。
「ひと昔前であれば、監督が選手のユニフォームの番号を決めていた時代もあったが、近年は選手が好きな番号を選ぶような制度になっている。監督の立場としては選手が何番でプレーしようがそんなに変化はない」
そう前置きしたうえで「本田がプレーしているポジションと4番ということを考えると、バルセロナの(セスク・)ファブレガスがその番号を付けているので、もしかしたら意識しているのではないかと思う」と指摘。“4番・本田”がザックジャパンにどんな変化をもたらすか。だれよりも頼もしい男が、最終予選を目前に控えた代表チームに帰ってきた。(ゲキサカ)