Ashe店長のテニスショップ業務連絡

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全日本大学王座テニス決定戦が松山で開催!

2018年10月18日 | 試合インプレ

団体戦の大学日本一を決める「平成30年度全日本大学対抗テニス王座決定試合(男子72回、女子54回)」が1010日~15日、松山市の愛媛県総合運動公園テニスコートで開催されました。

昨年まで会場として使用してきた東京・有明テニスの森公園が五輪に備えた改修工事に入ったため、愛媛県と松山市、愛媛県テニス協会が大会を誘致、実に62年ぶりに松山での開催となりました。

私は今回も例の「E-dge」の取材を編集部から依頼されたので観戦してきました。


開会式では地元から中四国代表として出場した松山大学の平田・武田男女両主将が選手宣誓。


競技1日目は雨天で順延、2日目からの試合では地元・松山大が男女とも1回戦を突破する大健闘!。
2回戦では共に王者・早稲田大に完敗したものの、同一大会で男女揃ってのベスト8進出は松山大テニス部史上初の快挙だそうです。


大会は松山大を破った早稲田大が男子が決勝で慶應義塾大を破り14連覇、女子も決勝で亜細亜大を下し13連覇を達成しました。
※大会の模様は全日本学生テニス連盟がYouTubeに動画をUPしていますので御覧ください。

大会を通じて印象に残ったのは、「強い大学の選手ほどアンフォーストエラーが少ない」ということです。
特に男子はネットミスがほとんどない。
チャンスボールでエースを狙う時はフラット気味にボールを叩くのでネットの白帯にボールが当たることがありましたが、それ以外のストロークではネットを確実に越す軌道からしっかりスピンをかけてボールをコントロールしており、フォアハンド、バックハンド問わずストロークの安定感が際立っていました。

さらに関東同士の大学が対戦した決勝戦と、関西同士の3位決定戦を比較すると、関東の学生の方が若干ボールスピードがあり、ボールの軌道もネットに近いため、ラリーのテンポも速く感じられました。
一方関西の学生は関東より若干ストロークの軌道が高いため、その分ラリーのテンポが遅くなり、そこが準決勝での勝敗に現れたのではないか、というのが私の印象です。

もちろんストロークの軌道が低ければいいという訳ではなく、高い軌道でベースライン近くに弾むボールを打つという戦略もあるので一概には言えませんが、ボールの威力、深さは同じくらいだった分、リスクを犯してでも攻めのラリーをしていた関東の学生が結果として決勝まで勝ち上がれたように思います。

また楽天オープンなどの国際試合と比較すれば、やはりフィジカル・パワーといった面ではまだ改善の余地を感じました。
みんな洗練されたスマートなテニスをする反面、プロや外国人選手に比べれば力強さが足りないのは明らかで、今回の参加選手の中から将来プロの道に進む選手もいるとは思いますが、海外選手と渡り合うためにはそのあたりが課題でしょうか。

錦織・西岡・杉田といった現在世界で活躍している日本人選手も体格のハンデを克服してランキングを上げていきましたので、そこはやり方次第で対応できるはずです。
将来彼らと同じ舞台で戦える選手がここから一人でも多く現れることを願っています。

また見方を変えればみんなまとまった堅実なプレーをしていて、団体戦という性格上どうしても確実性を重視する「負けないテニス」が求められるのはやむをえないのでしょうが、ビッグサーバーやパワフルなトップスピンで相手をベースライン後方に釘付けにしたり、サーブアンドボレーに徹するテクニシャンといった個性的な選手が見られなかったのが少し残念でした。

それだけ大学生のレベルが高くなって、効率良い勝ち方を目指した結果、多くの選手が現在の主流である「堅く守ってカウンター」というような、似かよったプレースタイルになっているということなのかもしれません。

来年度も有明は使用できないため、再び松山開催の可能性も十分あるとのこと。
そのあたりの事情や地元選手たちの活躍の模様が今月末発売の「E-dge」に掲載されますので、興味のある方はぜひ県内の書店・コンビニでお買い求めください!。