めんどりおばあの庭

エッセイと花好きのおばあさんのたわ言

寂庵での思い出

2014-07-22 12:58:51 | 日記
  梅雨明けの空の下に咲いている   可愛い紫陽花

瀬戸内寂聴さんが5月に圧迫骨折されていたそうです。
 92歳でいらっしゃいます。
 4年前にドクターストップが掛かっていたにもかかわらず、
 精力的にご活動なさっているお姿をテレビなどで拝見していました。

 私は、瀬戸内寂聴さんには特別な思い入れがあります。
 作家として人間として心から尊敬できる方の一人です。

 お若い頃の作品は、私自身が未熟でしたので好感が持てませんでした。
 瀬戸内晴美としての作品はどろどろした恋愛小説のように思えました。
 しかし、魅力ある文章に引かれて、色々な作品を読みました。
 私は瀬戸内晴美さんと母を重ねていたのです。
 10歳の時、生別した母にお顔と生き方が似ていました。
 
 瀬戸内晴美さんは、かって、テレビのインタビューの中で申されてました。
 その時の正しいお言葉とは異なりますが、
 作品の中の主人公と作家自身が同じ人物と読者に誤解されることが多い
 と、言うような内容だったと思います。
 たしかに、私は瀬戸内晴美さんを自由奔放で恋多き女性としてとらえていました。
 小説と現実を混同していたのです。若気の至りです。
 それ以来、瀬戸内晴美さんの作品と真剣、かつ、客観的に向き合うようになりました。
 
 20年前になりますでしょうか、友人と京都の寂庵を訪ねたことがあります。
 丁度、寂聴さんがいらっしゃって、笑顔で迎えて下さいました。
 他にも女性が数人いました。
 私は『寂庵便り』の購読を申し込みました。
 寂聴さんが、一緒に写真を撮りましょうと手招きして下さいました。
 行こうとする私を友だちが止めました。
 寂聴さん、忙しいから悪いわよって。
 友人は照れ屋さんです。そして、私のようにミーハーではありません。
 でも、いまだに後悔しています。ご一緒に写真に収まりたかったと。
 後悔だらけの人生です。

 それから、数年して、寂聴さんと再会しました。
 朝日カルチャーの源氏物語講座で。
 昨夜から一睡もしていないとおっしゃりながらも、朗々として分かりやすい
 講座でした。博識と記憶力のすごさに驚きました。

 その後も、精力的に全国を法話、講演行脚でのご活躍。
 お身体を案じながらも嬉しく拝見しておりました。
 瀬戸内寂聴さま、どうか、お身体を呉々もおいたわり下さいませ。
 また、お目にかかりたいと存じます。

コメント (6)
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