さすが！

半月ほど前のお話。

明け方，しかしまだ真っ暗な，4時頃だったろうか。

愛犬みどが，ワンワン吠えていた・・・ような気がした。

とにかく，眠くて眠くて，みどの鳴き声が夢の中で聞こえてくるような

感じだった。

夢うつつの中で，みどの声を聞きつつ，

それにしても，いつもの鳴き声と様子が違うなぁ，

しかも，距離的にずいぶん近くで聞こえるぞ・・・

と感じていた。

外の様子を見てみようか，と思いつつも，

猛烈な眠さに勝てず，そのまままたぐっすりと寝入ってしまった。

そして，朝，起きた時は

「あれは夢だったのか！？」

という気分だった。

すると，義母が

「今朝，大変じゃったんよ。」

と言った。

事の顛末は・・・

みどがあまりにも，いつもと違う様子で鳴き続けるので

義父と義母は外へ出てみたらしい。

（↑さすがこのあたりが高齢者。一度目覚めるとなかなか寝付けないのか。）

すると！！！

玄関のところで，鎖がちぎれてフリーの状態になったみどが

ワンワン吠えていたというのだ！

今まで使用していた鎖は，

みどがウチに来てからほぼずっと使っていたものなので，

金属が疲労していたらしい。

何かの拍子に簡単にちぎれてしまったようなのだ。

みどはビックリしたらしい。

玄関先で

「あさひさーん，あさひさーん，これ，どうするんスかー，

　オレ，どんどん小屋から離れちゃってるんスけどー，

　これっていいんスかねー，どうなんスかねー」

と，一所懸命吠えて伝えていたらしい。

そんなみどの必死の訴えもむなしく，

当の私はグースカと寝てしまっていたのだ。

義父と義母が出ていき，とりあえず間に合わせの綱で犬小屋に

みどを繋ぎ直した。

すると，みどは安心したようにまた犬小屋へと入り，

眠りについたらしい。

義父と義母は，非常事態を懸命に知らせようとした

みどにいたく感動し，

「さすが，ウチの子じゃ。賢いわ。」

と，何がどう

「さすがウチの子」

なのかわからないが，かなり悦に入っていた。

でも考えて見れば，鎖がちぎれようとちぎれまいと，

犬小屋が好きならそこで寝ていればよいものを，

一所懸命吠えて知らせてくるという，みどのこの行動。

やはり，

「さすがウチの子じゃ。」

という気に私もなってきた。

「これは只事ではない」

ということを，懸命に知らせる忠実さよ！！

しかし，いつものごとく物事を一歩引いて見る夫は

「遠くへ行く勇気がなかっただけじゃろ。」

と，にべも無い。

挙句の果てには

「メル（うちの猫）の方がよっぽど遠出しとるわ。」

とまで言う。

いーえッ

みどは，賢いんですッ

忠実なんですッ

そして，あさひ家が大好きだからこそ，遠くへ行かないんですッ

さて，先日，探偵ナイトスクープを観ていたら，

何度繋いでも脱走してしまう犬のことをやっていた。

この犬，まぁホントに，どれだけ繋いでも強引にハーネスなどを抜けて

外へ脱走していってしまうのだ。

みどと好対照。

どちらが犬らしいのかわからないけれど，

やはり私としては，みどの

「あさひさーん，オレ離れちゃってますけどどうしたらいいんスかー」

という，忠実さが大好きである。

結論。

「さすがウチの子じゃ。」