迷い犬

2008年11月03日 14時03分52秒 | Weblog
先ほどのことである。
息子が何やら叫びながら私のところへ走ってきた。

「か・・・かあちゃーん!
 知らん犬がぁッ!知らん犬がぁッ!
 みどのところへーッ!」

どうやら,迷い犬がうちの敷地内に入ってきたらしい。
それで,愛犬みどがさっきからワンワン吠えていたわけである。

慌てて外へ出てみると,
首輪をつけおまけに繋がれていたリードまでズルズルひきずった
中型の犬がフラフラと歩いていた。
この近所では見かけない犬である。

目が青く瞳が小さいので
たぶん,シベリアンハスキーが混ざっていると思われるが,
茶色い毛がふわふわした感じと,顔が丸みを帯びているところは
チャウチャウも混ざっているように思える。

義母と,これどうしようか,という話になった。
ひとまずうちへ繋いでおいて,近くの交番へ電話してみた。
おまわりさんは,私から犬の特徴を詳しく聞くと,
届け出がでていないか調べてみてから折り返し連絡する,
と言ってくれた。

待つこと数分,おまわりさんから電話があった。
届けが出ていないから,家出してきてまだ間もないのでしょう,
とのことであった。

おまわりさんが言うには,
「鎖をずるずる引きずったままそんなに遠くまでは
来られないはずだから,繋いでおかずに放しておけば,
犬ですから案外自分で家へ帰るものですよ。」
とのことだった。

しかし,この犬,あまり若くない感じで,足取りもそんなに
身軽ではない。
私と義母は,この犬が無事に帰れるのか少し不安になり,
しばらく繋いでおいた。

チャウチャウ混ざり(推定)のせいか,どことなく愛嬌もあり,
私と義母はしばらくその犬を眺めていた。
犬も人懐こく尻尾を振っている。
あさひ宅の居心地がいいのかしら。

でも,このままにしていても埒があかないので,
おまわりさんの言うとおり,放してみることにした。
でも,私は心の中では
「そんなうまいこといくかいな。
 ここで居心地よさそうにしてるのに。」
と思っていた。

道まで連れて出て,手を放した。
すると!
その犬はチャーッと一目散に南の方角へ走り去った・・・

居心地いいどころか,彼は知らぬ家で拉致されて怯えていたのだった。
そんな気持ちは全く解さない私と義母・・・。
義母はぼそりと
「大きなお世話だったんやねぇ・・・。」
と,つぶやいた。

私は「人志松本のすべらない話」の中で
以前,次長課長の河本が話していて大変おもしろかった,
「犬のタロ吉」の話に似てるな・・・
と思った。
わかるやつだけわかればいい。

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