来てはいけない

2009年03月12日 22時20分01秒 | Weblog
昨日のレッスンでのこと。

夕方から小学4年生のグループレッスンがある。
モモちゃん,ユウくん,トモヤくんの3人組である。

昨日は,ユウくんが一番早く来て,
ほどなくしてモモちゃんがやって来た。
いつもは早くやってくるトモヤくんが,今日はまだ姿を見せない。

「トモヤくんどうしたんだろうねー。」

と,言っていたところへドアが開き,トモヤくんが入ってきた。

彼はその顔にマスクをしていた。
そして,顔色も悪く,咳をゴホゴホしている。
この時期は,花粉もあり,レッスンにマスクをしてくる子は
けっこういるのだが,トモヤくんは,なんだかかなりしんどそうだ。

「あらー,トモヤくん,どうしたの?しんどそうやね。
 風邪?花粉症?」

と問うた私に,彼は消えそうな声でこう答えた。

「・・・インフルエンザです・・・」

えーーーーーーーーーーーーーッ
来たらアカンやーーーーーーーんッ

普段はおとなしく,リアクションの薄いモモちゃんとユウくんも
その時ばかりはカッと目を見開き,トモヤくんをキッと見た。

いやいや,もう治りかけなのかもしれない。
学校へももう,行っているのだろう,と思い再度トモヤくんに問うと
こう答えた。

「・・・学校をまだ休んでいます・・・」


えーーーーーーーーーーーーーーッ
絶対ここ来たらアカンやーーーーーーんッ

発表会前なので,親御さんも休ませてはいけないと思ってくださったのか何なのか
来させてくださったものの,さすがに私もドキドキしてきた。
でもここでたじろいではイケナイ。
こども達に動揺を与えてしまう。
そう思った私は,まるで独り言をつぶやくかのように,

「あ,先生,名簿を取ってくるの忘れちゃったなぁ。」

とか何とか言いながら,教室の外へ出た。
そして,受付スタッフのアオヤマ嬢に

「トモヤくん・・・インフルエンザなのにレッスンに来た・・・」

と告げると,彼女は

「ヒッ」

と声にならぬ声をあげ,目を見開いた。

そう言えば,2か月ほど前だったか,他の先生のクラスでも
そういうことがあり,除菌もできる空気清浄機を,教室でかけた,
と聞いていたので,アオヤマ嬢に,それを頼むと,
彼女は泣きそうな声で言った。

「それが・・・今・・・貸し出し中なんです・・・」

えーーーーーーーッ貸し出すなよーーーーーーッ

アオヤマ嬢も私も半泣きになった。
でも,しょうがない。
教室の換気扇をまわすことにした(焼け石に水)。
しかし,あからさまにすぐまわしたのでは,トモヤくんが傷ついてはいけない。
アオヤマ嬢に頼み,10分後くらいにさりげなくまわしてもらうことにした。

そして,名簿を取りに行ったはずの私は名簿も持たずに教室へ戻った。
本当は今すぐにでも換気扇をまわしてもらいたい気持ちをグッとこらえ,
レッスンにのぞむ。

極力息をしないように頑張ったものの,すぐに酸欠になり目の前が真っ暗になった。
(当たり前だっつーの。)
そうして,フラフラになっているところへ,
教室の外よりアオヤマ嬢,換気扇のスイッチON。
ゴイン,と鈍い音がして換気扇がまわりだす。
当然,寒くなるが,この場合仕方ない。

しかし,寒さのせいか,トモヤくんの咳がますますひどくなってくる。

「ゲホッ,ゲホッ・・・」

ギャー,しかも,マスク,微妙にズレてるしーーーーーーーッ

もう何をどうレッスンしたかわからないが,なんとかレッスンを終えた。
とにかく頭が酸欠でよく覚えていない。
ちょっとしたパニック映画を撮れそうだった。

これを読んでいるかたで,お子さんに習い事をさせてる方々へ。
いくら月謝がもったいなくても,インフルエンザの時は休ませてください。
お願いします。

今現在,私にうつった気配は無いが,まだ油断できない。
もし,うつってたら,また報告します・・・。
そうならないことを祈りつつ・・・。
コメント
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