兄の悲鳴

2008年09月05日 02時10分26秒 | Weblog
私には6歳上の兄がいる。
歳が離れているせいか,よく可愛がってもらってきて,
いまだに何かと世話をかけている。

そんな彼は学生の頃,ドラマ「西部警察」の大ファンであった。
放送を欠かさず観るのはもちろんのこと,テーマ曲のサントラ盤を買って
繰り返し聴いたり,写真集を買ったり,と相当熱をあげていた。

今思えば,ありえねー!ことだらけのドンパチ合戦なのだが,
当時は「カッコイイ!」とシビれていた青少年も多かったことだろう。

レイバン風のサングラスをかけ,
「団長!自分は・・・」
などと,渡哲也を気取っていた男子の一人がうちの兄。
(こうやってあらためて文字にすると,泣けてくるくらいアホ。)

そんな彼がその年の年賀状のデザインを,
「西部警察」の
タイトルロゴにする,と言った。
そう,冒頭の画像の文字である。

兄は手先が器用で絵や工作が子どもの頃からうまく,
そのタイトルロゴを得意のゴム版画で彫り上げようと考えたらしい。

部屋に籠ること3時間。
棟方志功のごとく,魂を込めた渾身の作品が出来上がった。

「おーいッ,あさひーッ,見てくれーッ」
と,彼は飛び跳ねるように私の元へやってきた。

それを見た私は絶句した。
「に・・・兄ちゃん・・・こ・・・これ・・・」

なんと,兄は,版画ということを忘れ,文字を反転させることを
すっかり忘れてしまっていたのである!!

「あ”----------ッッッッッ」

彼が彫刻刀を握ることはそれ以来二度と無かった・・・


コメント (2)
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