京都ホリスティックアロマセラピストてんてんの ~幸せの風日記~

生きることは愉しいことヽ(^。^)ノ~起こること・・すべては愛~

笑いは奇跡を起こす?

2008-02-18 22:29:00 | てんてんお笑い伝説

今日は月1回の研修会の日だった。

卒業されたセラピストや講師達が自由参加で意見交換をしたり、自分の体験談、臨床例を

発表しあったり、トリートメントのスキルアップをはかる月1回のお勉強会。

京都校の研修会は月曜クラスと土曜クラスがあるのだが、まぁ~~どちらのクラスも

みんなよく笑い、よくしゃべる。

生徒の頃クラスも違えば卒業した時期もみなそれぞれ違ったりするけれど、

京都校のみんなはなんだかとっても仲がいいみたい。気が合うようだ。

月1の研修会が同窓会のよう・・・。

そんなみんなの笑い声や話し声を下のキッチンでハーブティーを用意しながら

聴かせていただくのはてんてんにとっても幸せなことだった。

てんてんの1レッスンの目標・・。

それはみんなに「笑ってもらうこと!」

もちろん、そんなに意識して「笑わそう~」とはしてないのだけど、

でもてんてん自身笑いがないと生きていけない。

精油の臨床例も解剖学の臨床例もやはりおもしろい「え゛~!!」っと

ひっくりかえりそうになるくらい笑えるエピソードほど生徒さん達の

記憶に深く残るようだ。

ここに通ってきてくださるみなさんは将来のセラピスト達。

けれど、みんなもやっぱり人間・・・。

1週間前あ~~んなに元気がよかったのに~~と思っても

次の週、「こんにちは~」とレッスン室の扉を開いたら、レッスン室が

どよよ~~んと灰色1色に染まっていることもある。ひえ~~~!!

それだけならいいが、どこで拾ってきたのか、、どこでそんなものを

見つけてきたのか、、なんだか一緒に重たい岩まで背負ってくる人もいる。

そんな岩を置いていかれてはてんてんちも大変困る。

灰色のお部屋に染まったお部屋もまた困る。

だって、てんてんはなんてたってきれ~いなローズピンクが大好きなんだも~ん。

まずは深い深呼吸と共にその灰色をかぎりなく白に近づけていき、

その白をかぎりなく薄いけれどピンク色に持っていけたらガッツポ~ズだ。

いきなりかわいいピンク色は無理でもいい・・せめてスモーキーピンクでいい。

お部屋をもとのローズピンク色に近づけていくのはやはり笑いなのかもしれない。

てんてんお得意の「三枝笑い」(←椅子からひっくり返って笑うこと)がでたら

もう大丈夫・・生徒さんがわざわざ持っていらした岩も知らず知らずどこかに消えている。

生徒さんのほっぺがレッスンを終了する頃には少しでもピンク色づいてたら

やっぱりうれしい。

『来週まで又がんばってね~~』と心の中でつぶやきがら生徒さんのおせなを

お見送りさせていただく。

時々『おまえもがんばれよ~』という声も聞こえてきたりもするけどね・・。アハハ。


高校の頃、てんてんは自慢じゃないけどほんとーーーーーーーーに勉強しなかった。

高校1年の夏に生まれて初めてアルバイトというものを体験してからというもの

アルバイトの楽しさにすっかりはまってしまったのだった。

・・と同時に自分の中に「大学進学」というイメージが全くわかなかった。

将来なにがやりたいとか、将来の夢とかその頃は全然まだわからなかった。

とにかく毎日が楽しくて楽しくて先のことなんてとんでもなく考えれなかった。

学校の授業が終わってからもアルバイトに励み、土・日も朝から晩まで働いた。

レジのアルバイトだったのだけど、すごく楽しかった。

また一足先に社会人の仲間入りをしたような・・・大人みたいで気分よかった。

バイト先では同学年の友達だけではなく、おじさんやおばさん、また大学生のお姉さん

なんかともいろいろな話ができて自分の世界がどんどん広がっていくようで楽しかった。

毎日毎日アルバイトに励んでいたら気がつけば進路を決めなくてはいけない時期に

きていた。

「進路??」やっぱり全くイメージがわかない。

「こんな若さで自分のやりたいことなんて決められないよ・・。」と思っていた。

同じグループの中にはすでに将来獣医になりたい!と決めている子や

学校の先生になりたいと決めている子がいた。ほんとスゴイ!!と思った。

この若さで明確な目標があるのだから・・・。

てんてんはやはり迷うことなく、就職を決めた。

・・・と言ったらかっこいいけどほとんど勉強してないのだもの・・・

多分どこの大学にも入学できなかっただろうし、その時点で大学で勉強したいと

思うこともなかったのでそれなら働いたほうがいい~~と思った。

けれど、進路指導の先生から思わぬ?手痛い言葉をいただいた・・。

「たけうち・・・おまえの成績だったらどこにも就職できないぞ。」

「就職だって甘くないんだぞ。」「せめて・・オール3くらいがんばらないと・・」と

言われた。

その言葉を聴いて初めて「ヤバイ!」と思ったてんてんは1学期間だけ

アルバイトを休んでほとんどやってなかった勉強をやりはじめた。

そして見事・・・ほんとう~~に「オール3」を成し遂げたのだった。

就職先を決めろ・・といわれてもこれも又、全然イメージがわかなかった。

とにかくやりたいことがないので、「こんなところに就職したい!」というのも

なかった。

求人票を何度も何度も見返してもピン!とくるところがない。

ところがある1枚の求人票に目がいった。

それが以前にも書かせていただいた室町の呉服卸し問屋だった。

呉服なんてそれまでまったく接点がなかったてんてんだし、興味も全く

なかった。

ただ、求人票にこう書かれてあった。

「そろばん2級以上、字が綺麗な人。」

この2項目だけにピン!!ときてしまったのだ。

てんてんは学校の勉強はできなかったがなぜかそろばんは大得意だった。

そろばんに行くのが楽しみでならなかった。

小学校の頃、親がソロバンを習わせてくれたのだけどすごく楽しかった。

近所のお友達は3級を習得するくらいでやめていく子が多かったけれど

それでもやめずに一人で通い続けた。

そして小学校6年生の頃「初段」に合格したのだった。

字を書くこともすごく好きだった。

綺麗かどうかはわからないけれど、お習字とか硬筆とかこれも昔から

好きだった。墨の臭いとかもすごく好きだった。

進路指導に先生に

「私、この会社に決めます~~」と伝えにいくと・・・

「う~~ん、この会社はちょっとおまえの成績では難しいかもな・・。」

「けっこうこの会社は今までうちの卒業生でも成績優秀な子達がいってるし、

成績だけじゃなくて行事作法なども重要視する会社だからなぁ・・

まぁ・・・だめもとで受けてみるか・・」と言われた。

てんてんが就職した頃は世間はバブルの絶頂期でその呉服会社も

室町卸呉服問屋の中では大きくて有名な会社で社員数もすごく多かった。

父親がこっそりといろいろ調べてくれていたようなのだがとてもしっかりとした

会社だった。

他の求人票を見ても全然ピン!とこない。

今から思うと何故呉服問屋だったのか?よくわからないけれど

ほんとに「そろばん2級以上、字が綺麗な人。」この1文だけだったのだ。

そしていよいよ就職試験。

筆記試験もけっこう難しかった。それから面接・・・。

な・なんと!!てんてん以外に高校生で就職試験を受けに来たのは20名もいたのだ。

そしてそこで合格するのはたったの2名。

もうその時点で、「無理やな。」と思った。

制服とはちがい、立派なスーツを着ていると周りはみんなてんてんよりかしこそ~な

子達ばっかりに見えた。

その面々を見て「無理やな。」と思った瞬間、するする~っと緊張の糸がほどけてしまった。

そしていよいよ面接。

面接官は社長、副社長、専務、総務部長の4名だった。

まずは自分の自己紹介からはじまり、社長から

「たけうちくんはどうしてこの会社を選んだのかね。」と聴かれ

「はい、私はそろばんがすごく得意なので求人票にそろばん2級以上と

書いてあったので、こちらを受けさせていただきました。」・・・と「まんま」で

答えてしまった。

「他には?」と聴かれ、

ほんと~に何もなかったので、

「すみません。それだけです。」と答えてしまった。

「たけうちくんは学校の勉強では何が一番得意なのかね?」

と聴かれて一瞬冷や汗がでた。

だ・・だって・・・得意もなにも勉強なんてこの3年間してこなかったので

あるはずもなかった。

『なにか答えないと~~』と思い

「古文や漢文が得意です!」と答えてしまった。

社長は

「じゃぁ、ひとつ何か覚えているものがあれば言ってみてください。」

と言われ、咄嗟に思いついたのが

平家物語の「屋島の合戦」だった。

これは中学の頃、国語の先生がすごくおもしろい先生で「屋島の合戦語り大会」を

企画してくれたのだった。大会と言ってもクラス内だけでだけど・・。

すべて全文を暗記し、一人づつ前の教壇の先生用の机?にすわり

琵琶法師になりきって目を閉じて、屋島の合戦を語るのだった。

実はその大会でてんてんは見事優勝したのだった。

先生が作ってくれた「はりせん」を片手に「ベンベン!!」と机を叩いて

落語家のように語るのだ。

そう・・あの時も語りながら確かに那須与一が荒波に浮かぶ小船の上で一人の

女性が持っている竿の先につけられた日の丸の扇に矢を向けているその光景が見えてくる

ようだった。矢は見事と的中し、敵である平家も那須与一の見事な弓に歓声をあげたという

あの場面が・・まるでそこで見ていたかのように頭の中に描かれてしまうのだった。

そう・・てんてんはすぐに陶酔してしまうのだ。その世界に入りこんでしまうのだ。

そして・・てんてんはやってしまった・・。

その就職の面接で同じように「屋島の合戦」を語ったのだ。

やはり・・酔いしれてしまった・・・。

終わって目を開けたら社長をはじめみなさんが

「あんた・・おもいしろい人やなぁ・・やぁやぁ愉快なお人だ・・」といっててんてんを見て

「ふホッ、ふホッ、ふホッ・・・」としばらく笑っていらした。

なんだかわからないままに面接を終え、

親にも「20人中、2人しか合格しないんやって~。まぁ期待しんといてなぁ・・」と告げた。

そしてそれから1週間後、進路指導の先生が鼻息荒くてんてんのところに

走ってきてくれた。

「たけうちぃ~~~!!奇跡や~~!!奇跡が起きたぞ~~!!」

「合格したぞ~~~!!」「ようあの成績で合格できたなぁ~~!!」と

なんだか半泣き状態で喜んでくださった。

誰よりびっくりしたのはてんてん自身だった。

そして入社日前に事前説明会に会社を訪問したとき、もう一人高卒で

就職が決まった女の子も来ていた。

やっぱりすごくかしこそ~で、スポーツも抜群らしくて、女らしくててんてんとは見た目

比べ物にもならなかった・・。

「なんで合格したんやろ?」

さっぱりわからなかったけれど、唯一・・もしかしたら「これでかなぁ?」と思うのが

「まんま」だったからかもしれない。

そして屋島の合戦を陶酔して語り、社長はじめみなさんが笑ってくださったから

かもしれない・・。

もちろん役員の人達を笑わそうと思ってやったわけではない・・。

それしか知らなかったからやっただけなのだ。

「笑いは奇跡を起こす。」

それを自らが体験した貴重な出来事だった。

この会社はその後6年半お世話になったのだけど、正座事件をはじめまだまだ

数々のエピソードを残している。

なんにも知らなかったてんてんを一から社会人として育ててくださったこの会社。

社員の人達も本当にいい人達ばかりだった。

確かに定時女だったけれど、それでもたくさんの楽しい思い出が詰まっている。

当時は辛かったこともあったのだろうけど、あまり覚えていない。

それよりもいい思い出ばかりしか覚えていない。

先輩社員のみなさまには本当に可愛がっていただいた。

新入社員の頃大失敗をしてしまったことがあったのだけど、誰一人イヤな顔をせず

グチも言わずみんなでてんてんの失敗をフォローしてくださった。

たった一言「もう、同じ失敗は繰り返したらあかんで・・」と事がすべて終えてから

優しく厳しく最後に言ってくださった。

あの時のみなさんの大きさにてんてんは泣いた。

みなさんどうされているのなぁ・・・。懐かしいなぁ・・・。

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