迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

泥夏泥音。

2023-07-18 23:52:00 | 浮世見聞記
猛暑炎暑酷暑續きの東京は、今日は36.0℃まで氣温が急昇云々、川の水さへ煮詰まってドロドロしてゐるやうに映る。夕方には日が落ちたぶん、いくらか氣温は落ち着くものの、余熱がそのまま熱帯夜を引き起こす。この夜になっても氣温の下がらない熱帯夜状態が原因で、盆踊りや夏祭りなど、夏の夜を彩る催しをやむを得ず中止にする例を、ちらほら耳にするやうになった。  そこまでヒドイのかと、唖然とせざるを得ない。この調子 . . . 本文を読む
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市川猿之助容疑者を再逮捕父・段四郎さんへの自殺ほう助容疑

2023-07-18 11:20:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20230717k0000m040251000c?fm=d『逮捕容疑は5月17〜18日、段四郎さんに睡眠導入剤を服用させ、向精神薬中毒で死亡させて自殺を手助けしたとしている。』── . . . 本文を読む
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全国190地点で猛暑日、今年最多豊田39.1度、甲州38.8度

2023-07-17 18:42:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/asahi/nation/ASR7K53V1R7KUTIL00C?fm=d『午後3時20分現在、17日に全国で最も高い気温を記録したのは愛知県豊田市で、39・1度。山梨県甲州市が38・8度、岐阜県多治見市が38・7度と続いている。』──こんなに暑けりゃ、蚊だって出てきません。にもかかわらず、そんな白 . . . 本文を読む
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若華麗爽。

2023-07-16 20:02:00 | 浮世見聞記
北區王子の北とぴあにて、歌舞伎の夏巡業を觀る。三ヶ月前に切符を買った時は、古典の大歌舞伎と云ふやつを、この際に改めてしっかり觀ておかう、と云った氣持ちだったが、それから三ヶ月の間に考へもいろいろ變はり、今日にはこの酷暑のなかわざわざ外に出なくても……、と云った氣分にさへなったが、結局は切符代もったいなさに、東京北郊まで出掛ける。「鬼一法眼三略巻 菊畑」は、舞薹上の真っ白に塗った役者の黄聲と、客席後 . . . 本文を読む
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迎へたまへ、浄めたまへ。

2023-07-15 18:54:00 | 浮世見聞記
お盆のお墓参りに行く。映像や冩真などを介して、故人の生前を見られても、それはやはり、“逢った”ことにはならない。自分の心のなかに生きてゐる、その人を確かめることが、墓前まで出掛けて合掌する意味であり、逢ふと云ふ行為なのだらう。本當にかけがへのない人の冩真は、私はどうも見られない。 . . . 本文を読む
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美音浄執。

2023-07-14 16:15:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送の、金春流「玉鬘」を聴く。源氏物語の同巻に登場する女性をシテ(主役)に、金春禪竹が戀の妄執に苦しむ女の靈を夢幻味たっぷりに描いた、神経を集中して觀なければおそらくなんのことやらサッパリな能。戀だの何だの、さういふ感情をそもそも面倒臭く思ふ私は、ただ音樂として、金春流八十世のいよいよ深みを増す謠ひを樂しむ。 . . . 本文を読む
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名優総天然色。

2023-07-13 19:20:00 | 浮世見聞記
日本橋三越本店の七階にて、「歌舞伎衣裳展」を觀る。現在歌舞伎の衣裳を担當してゐる松竹衣裳と、かつて担當してゐた三越衣裳部の新旧現物を並展した興味深い内容で、 (※展示衣裳の撮影可)三越が所蔵する旧い衣裳の、現在ではまずお目に掛かれない深い色合ひに目を惹かれる。  (※大正十四年十月 歌舞伎座の舞薹)役者が三越衣裳部のものを纏ってゐた戰前では、冩真はほとんどが白黒もしくはセピア色であり、衣裳の柄は判 . . . 本文を読む
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忘夏苦汗。

2023-07-12 19:22:00 | 浮世見聞記
東京メトロに乗ったつひでに、今月二日に閉館した中野サンプラザを見納めに、中野驛まで足を伸ばす。忘流の忘師について日本舞踊をかじってゐた昔、ここの一室を借りて行はれた一門の温習會(おさらいかい)に一度だけ参加した際に、来たことがある。季節はちゃうど夏、師匠形見の絽の黒紋付を着て、素踊りを踊った。曲目なんて、もふ忘れた。古典の骨法を改めてしっかり身に付けやうと、かなりしっかり稽古したつもりだったが、立 . . . 本文を読む
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炎日行路。

2023-07-11 23:45:00 | 浮世見聞記
今日も相變わらずな炎天下にゐて、暑いわえ、と汗を拭へど、暑さそのものを不快に感じぬ程には体も慣れたやうだ。梅雨明けはしてゐなくても、もふ梅雨などとは云はせぬ。初夏の花が、猛夏に咲くは誤りぞ。向こふの木立に、寺の塔が見える。あそこまで行って、しばし休みたい。が、たどり着くにはまだかなりの時間が必要だ。 . . . 本文を読む
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炎炎吐嘆。

2023-07-10 22:33:00 | 浮世見聞記
トウキョウの日中の最高氣温など知りたくもないほどの、炎暑にやられる。あの蒸し暑いのイヤだなァ、はさうなる前までの話しで、いざさうなると、案外平氣で過ごしてゐたりする。ただし、屋外でもヒトがウロウロしてゐる場所では、まだまだマスクは必須と考へる。あのフツーに咳できるヒトって、何なん?今日あたり梅雨明け宣言かと思ったが、まだらしい。トウキョウが炎暑の一方で、九州では豪雨による被害があちこ . . . 本文を読む
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寂夏場所。

2023-07-09 22:58:00 | 浮世見聞記
今日から大相撲名古屋場所が始まったが、何となく應援してゐる貴景勝は初日から休場、大關不在の不完全場所となり、興味も半減す。大關の地位を辛うじて守る綱渡りな状態が續くのも膝が不調なため、その間にも次代の若手が覇を競ひ追ひ上げてゐるやうだが、どうも若さゆゑの勢ひだけのやうな氣もして、大して注目する氣にもならない。今場所も、他に用事をしながらラジオ中繼で聞き流すくらゐが丁度よいか。 . . . 本文を読む
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恩慰謝辞。

2023-07-08 20:48:00 | 浮世見聞記
今日で安倍晋三元首相が銃撃により亡くなって一年、その一周忌法要が芝の増上寺で執り行はれる云々、13:00からは一般人の献花も受付云々、昨年九月の國葬儀のやうな、混雑と云ふより混亂を目の當りにするのはもふ澤山と、今回は棲家より哀悼の意を捧げんと思へど、人災疫病禍元年には十萬圓とマスクで間違ひなく助けられた一國民として、やはり改めて御禮を述べんと、正午過ぎより出かける。當地はやうやく佛 . . . 本文を読む
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暑免蟷螂。

2023-07-07 20:43:00 | 浮世見聞記
朝からすでに纏はり付く蒸し暑さに、こりゃたまらん、と尻込みする。かういふベタつく暑さと云ふやつは、体力も氣力も奪ふので、ひたすら涼しい場所に籠もってゐるに限る。青草が高く繁りはじめた堤道に、草片と見えるものが落ちてゐて、構はず踏んで通らうとしたら、實はカマキリであることに氣が付いて、慌てて足を引っ込める。ごめん、ごめん。しかし、アスファルトは熱くはないかえ……? . . . 本文を読む
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愛は諸刃の剣。

2023-07-07 10:20:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送の、觀世流「鐵輪(かなわ)」を聴く。自分を棄てて後妻を入れた元夫を、後妻もろとも呪殺せんがため惡鬼と化した先妻女の、根深き怨念譚。──が、陰鬱に響く謠ひから聞こえてくるのは、自分を棄てた元夫に對し、自分は尚も棄てきれずにゐる、元夫への愛。過去に、今は無い澁谷區松濤の舞薹でこの曲を觀た時、安倍晴明が設へた祈祷壇に下げられた後妻の髪を惡鬼女が打ち据ゑる様子は、恐ろしさよりも惨めさと哀れさが勝 . . . 本文を読む
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希夏避暑。

2023-07-06 20:18:00 | 浮世見聞記
朝方の雨はどこへやら、日中はスカッとした晴天に炎天。今日のトウキョウ地方は30℃超え云々。さうさう、この暑さだ……、と毎夏における感覺を、日陰との著しい温度差で思ひ出す。この先のトウキョウ圏は雨らしい雨もないやうなので、このまま梅雨明けとなってくれることを、期待したい。 . . . 本文を読む
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