Daily Bubble

映画や歌舞伎、音楽などのアブクを残すアクアの日記。のんびりモードで更新中。

『プラダを着た悪魔』

2006-12-14 23:14:09 | cinema
女の子はたいていオシャレ好き、と思いがちだけど実はそうでもない人もいて、でもオシャレを楽しまない人=真面目で頭が良くて性格の優しい人だっていう考え方はかなり偏っていて全然オシャレじゃない!と思っているので、そのことについてだけはソリが合わなかったけれど、それ以外は堪能した映画でした。しかし、それが軸になってしまっているから、『プラダを着た悪魔』の残像はあまりシャープじゃなかった(つまり、オシャレじゃない!)。

俗物人間の私はもっともっともっともっとオシャレをしたいけど、現実は厳しく、理想のファッションとお財布の中身はまったく釣り合わないために、妥協に妥協を重ねた毎日を送っています。
毎日クールにエレガントにピンヒールをコツコツ鳴らして出勤する”サイズ2”の女性たちを映し出す冒頭から、引き込まれていました。アン・ハサウェイもメリル・ストリープも素敵だったけど、なんと言ってもご馳走は女性たちの纏う洋服たちでした。
頭はいいけど野暮ったいアンドレア(アン・ハサウェイ)が、ブランドに身を包んで変身するカットの素敵さ!白いコートに男の子みたいなハンチング、可愛かったなぁ~。
ミランダ(メリル・ストリープ)が毎朝アンドレアのデスクに放り出すコートとバッグの数々…。バッグマニア(ブランドのじゃないけど)としては、ほんっとうにため息ものです。
服を着る、ということの半分は実用じゃなくて遊びだものね。たくさんのオモチャに囲まれたオンナたちはどうしてもキラキラと輝いて見えてしまうよ。

次のご馳走は、やっぱりメリル・ストリープでしょうね。意地悪でわがままで口の悪い女王様だけど、誰よりもファッションを愛する頭の切れる編集長で政治家でもあるミランダ役。
嫌味たっぷりなのにユニークで、アンドレアの側からしたら最悪な人間なのかもしれないけれど、私は好きです。だって、こんなに明快に自分と自分の仕事(と子供たち)を愛している人っていないでしょ。
メリル・ストリープの突き抜けていて繊細な演技が素晴らしい、と思いました。今まであまりいいイメージを持っていなかったけど、好きですね。彼女を見られただけでも、この映画を見る価値はあるのかも。

”サイズ6”のアンドレア、アン・ハサウェイのバタ臭い顔も嫌いじゃないけどやっぱり変身してからの方が素敵。
だから、アンドレアにはどこまでもミランダに着いていってほしかった。どろどろと渦巻くファッション業界の奥地に進んでいってほしかった。
いい人でいることより、ずぶずぶと悪魔の仲間入りをするのが見たかった。だって、他人の不幸は密の味、だもの。
結局、私はいい人じゃないのかしらね。


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