Daily Bubble

映画や歌舞伎、音楽などのアブクを残すアクアの日記。のんびりモードで更新中。

読書日記-5月後半

2006-06-03 23:14:52 | book
あっという間に6月です。水無月。異名は風待月(かぜまちづき)、常夏月(とこなつづき)、鳴雷月(なるかみづき)ですって。
なんとなく、6月が楽しみになりました。もう3日が過ぎているのにね。
さてさて、この頃恒例になりつつある読書日記

『橋本治歌舞伎画文集 かぶきのよう分からん』
昭和の終わり(60年~63年頃)に橋本治が描いた歌舞伎画と歌舞伎に関する文です。あはは、タイトルそのままですね。
写真や映像でしか見たことの無い役者さんたちが描かれているんですが、それぞれの役者さんの特徴がよく捉えられていて、分かってしまう。
橋本治のオシャベリのようなヒトリゴトのような文章は、まだ分からない部分も多いけど、それでもきっと間違いなんてある訳がないと勝手に思う。だから、『夏祭浪花鑑』の長町裏の殺しのシーンでカミュの『異邦人』を思い出すのは、そんなに的外れなことじゃなかったんだ、ってまた勝手に嬉しくなる。
もっと歌舞伎が分かれば、もっともっと面白いんでしょうね。
橋本治にとっての歌舞伎は歌右衛門さんだったようですが(この本に書かれている「昭和歌舞伎」を語るときに、歌右衛門さん抜きしては何も言えないんでしょうね)、歌右衛門さん亡き今、橋本治はもう歌舞伎(現在のね)について書いてくれないんでしょうか?

『真夜中のマーチ』奥田英朗
面白かったー!!
奥田英朗さんはディープで緊迫感のある『最悪』が面白かったんですが、青春小説の香りすらするこちらもよかった。
ヨコケン(思わず剣さんを連想してしまうそこのあなた、CKB剣さんじゃないですよ)、クロチェ、ミタゾウという25歳のちょっと駄目な3人が計画する10億円強奪。ラストがカラッと晴れやかでいい。

『美しき日本の残像』アレックス・カー
また、読み返したい1冊。感想(?)はコチラ

『ニシノユキヒコの恋と冒険』川上弘美
西野くんが繰り広げる数々の女の子との恋のお話。それはきっと恋ではあるんだけど、愛なのかどうかは分からない。
虚しい気持ちは残るけど、同時に恋する気持ちも残ったよ。

『窯変 源氏物語1』橋本治
「源氏物語」がこんなに面白いお話だったんだって、初めて気付きました
「源氏物語」の行間にあって、今の私たちには想像するのが難しいことを、橋本治さんは格があるのに分かりやすい文章で書いてくれる。今後が楽しみ。

これから読みたいのは、こんな。
『ひなた』吉田修一
『空中ブランコ』奥田英朗
『雪屋のロッスさん』いしいしんじ
『ぶらんこ乗り』いしいしんじ
『窯変源氏物語2』橋本治

珍しく、男性作家ばかりです。