カフェリブロ 作家養成ゼミ 

数々の新人作家を生み出した経験から、今度は書店の経営する池袋のカフェリブロから新人作家を育てようとするプロジェクトです。

『いち、にの、さん。』(実谷蒼依著)が発売しました!

2010年07月12日 | 第二期ゼミ
第二期作家養成ゼミの企画
『いち、にの、さん。』実谷蒼依(みたに・あおい)著 ポプラ社
が発売しました。

発売に先立ち、前回の作家養成ゼミでは
実谷蒼依さんと編集者にコメントをいただきました。
以前のブログでもお伝えしましたが、
本作品は内容や伝え方、など多くの方から真摯な意見がよせられた、ゼミ参加者にとっても、思い出深い作品。

実谷さんがゼミに初めていらしたときから、2年のときが経ち、世に出ることができました。
是非ご覧ください。
リブロでもウィンドウを使って大きく展開していただきました。

実谷蒼依
オフィシャルブログ「言ノ葉収拾所」

GREE公式ブログ 

※産経ニュースのサイトに下記のように紹介されました。

■傷ついた子供の代弁者

「家庭」も「学校」も安心できる場所でなく、周りに理解者もおらず、気持ちのやり場をなくした子供たちは、時にリストカットなど自傷に走ったり、「死」に救いを求めてしまう-。
そんな子どもの心の裡(うち)を、自殺未遂から立ち直った20歳の女の子がつつみ隠さず綴(つづ)ったのが本書です。

日本は、12年連続で自殺者数が3万人を超える自殺大国です。そのなかで、生徒・学生の自殺者は年間約800人といわれています。予備軍まで含めれば、さらに多くの若者が「死」と隣り合わせにいるのではないでしょうか。
著者もそんな一人でした。小学校5年生で自傷を始め、16歳の時にはマンションから飛び降りてしまいます。彼女はいいます。

「自らの手で、命を絶たないでほしい、死んでほしくない。自殺未遂を繰りかえし行った私がいうのは矛盾に思われてしまうかもしれない。だけど、こんな失敗を犯した私だからこそ、伝えなければならない。自殺はいけないだとか、正論を述べたいんじゃなくて。ただ、悲しい気持ちのまま命を終わらせてほしくないのです。」(本文より)

「生きる」希望を見つけた彼女は今、この瞬間にも暗闇で死を願う子供たちに伝えたいという一心でこの原稿を書いてくれました。

悩める若者にとっては、そばに寄り添い痛みを共有してくれる友達のような、大人たちにとっては、意思疎通のままならない傷ついた子供の代弁者のような本だと思います。
どうか必要としている方々に届きますように。(ポプラ社・1260円) 

 ポプラ社一般書編集局第二編集部 斉藤尚美