夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

ヘーゲル『哲学入門』序論 九[行動と行為]

2019年05月27日 | ヘーゲル『哲学入門』

 

§9[行動と行為]


Die Tat  ist überhaupt die hervorgebrachte Veränderung und Bestimmung des Daseins. Zur Handlung aber gehört nur das­jenige, was von der Tat im Entschlusse liegt oder im Bewusstsein war, was somit der Wille als das Seinige anerkennt.(※1)

第9節
行動 とは一般的に存在するものに変化と規定を創り出すものである。しかし、行為に属するのは、決断のうえに行われた行動か、あるいは自覚された行動のみであり、それゆえ、意志が自己自身のものとして認識している行動のみである。

※1
行為(Handlung)とは、明確な自覚と決断のうえに行われた行動(Tat)のことであり、だから意志はそれが自己自身のものであることを認識している。
意識とはそもそも「私」の自己内分裂によってもたらされたものであり、したがって、その行為が意識的に自覚的になされる行動であることに、動物とは異なった人間の行動のみの特殊性がある。

 ※2
ドイツ語や英語では、行為(Handlung 、Act)と行動(Tat、 Deed)の違いは明確に自覚されているようです。とくに意図や自覚をもって行われる行動が行為(Handlung 、Act)とされている。

 

 


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