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水煮三国志

2005-10-29 20:52:54 | 三国志/小説(演義ベース)
水煮三国志(みずにさんごくし)~中国ビジネス思想の源流を知る~/成 君憶(チェン・ジュンイ) 著/呉 常春(ウ・チャンチュン)・泉 京鹿(いずみ きょうか) 訳/日本能率協会マネジメントセンター/刊行中/1600円(本体価格)
内容とコメント「三国志」のビジネス小説。劉備や曹操たちの企業家としての奮闘を「三国志」の展開に沿って描き、彼らの口を通して経営者の心構えを教示しています。
雑誌で人気を博した連載を単行本化し、中国でも日本でも大ベストセラーになった作品です。タイトルの「水煮」は四川料理の人気メニュー「水煮魚片」(油で揚げた唐辛子と山椒がたっぷり入った激辛の川魚の水煮)のようなピリ辛の風刺を効かせたという意味で使用したそうです。
この作品に登場する劉備たちは現代の人間で、「三国志」は古典として登場します。それが時々紛らわしくなってしまいます。
例え話として出て来る寓話(イソップ物語?)もその必要性に疑問を感じ、大いに戸惑います。
人材管理(社員の操り方)や顧客の心をつかむ方法など、ビジネス教本としてはとても勉強になりそうで、必要とされる方が読まれると確かに面白いかもしれませんが、「三国志」の武将たちが非情なビジネスの世界で利潤を追求する姿には感動出来ません。
それと、ビジネス用語もある程度知っておく必要もあります。これは最近のニュースや新聞を騒がせた流行の用語がちょうど出てきます。
それでも、展開は「三国志」に沿っているので、呂布絡みの話(劉備から徐州を奪ったり、貂蝉の為に董卓を殺害してしまった事や滅亡の様子)や赤壁の戦いのあたり(特に曹操の南下や黄蓋の偽降と火計)などは現代風にアレンジされていて面白かったです。
各章の終わりにはその章で教えた事のまとめを、巻末には登場人物の総覧が収録されています。
この女性がキラリ!
阿丑(あしゅう)。諸葛亮の妻。この小説では(でも?)扱いがひどい女性陣の中では良い役に描かれています。
世に出て自分の力を試したい孔明に覚悟を決めさせ、快く送り出す、爽やかな奥方です。
孔明より頭脳明晰な印象もあります。



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