この作品がメジャーになる事で
作詞家
白石ありす氏の
名前が知れ渡ることとなる
先述ブログに紹介したように
山平和彦さんのもとへ
この
「伽草子」も持ち込まれた。
しかしながら
彼が この詩には曲のイメージが
湧かないという理由で
三片の作品の中で
「伽草子」は返されたという
そして
よしだたくろうさんのもとへ
渡った「伽草子」
♪雨もふりあきて
風も止んだようだね
つい今しがたまで
どんちゃん騒いでた町が
ひっそりかんと 膝をただしてさ
静かだね woo〜wo
静かだね woo〜wo
夢でも食べながらも少し
起きてようよ
君も少しはお酒を飲んだらいいさ
覚えたての歌を
歌って欲しい夜だ
スプーンもお皿も
耳をすましてさ
あゝいいね woo〜wo
あゝいいね woo〜wo
泣き出しそうな声で
も少しいきますか
雲が飛ばされて
月がポッカリ独り言
こんな空は昔
ほうきに乗った魔法使いの
ものだったよと
悲しい顔してさ
君の絵本を
閉じてしまおう
も少し幸せに
幸せになろうよ…
現実の世界はなぜか
悲しみがあって
それは絵本の中のことのように
絵本を閉じれば
悲しみに
対峙しないでいいのだから
言い聞かせるように
「も少し、幸せになろうよ」という
希望と願いを込めた言葉で
この詩はおわっている
この詩のキモは
最後の一行にある
「も少し幸せに、幸せになろうよ」
大きな幸せを望むより
もうすこし
でもなく
も少しなのだ
捉え方なのだろうと思うが
も少しは
ほんのちょっとだけなのだ
ほんのちょっとのことで
ほら、幸せになれるんだよ
だから
幸せになろ?
って
優しく導いている
この歌の中にいる
男性の気持ちの距離
女性を見守りながら
優しく導いている
強引な感じはなく
柔らかく本人を尊重しながら
その心に寄り添っている風な
状況が見える
♪夢でも食べながら も少し起きてようよ
最初に出てくる
「も少し」
ここもちょっとだけつきあってよ
っていう気持ちが伝わってくる
強制ではなく
同意をもとめながらの
「も少し」。
♪君も少しはお酒をのんだらいいさ
の
いいさ
という言い回しも
どちらでもいいんだよという
優しい言葉。
お酒を飲みなよ
なのか
お酒を飲んでみたら?
なのか
お酒を飲んだらいいさ
なのか
この いいさ という言葉の深みと含みは
お酒を飲む行為の先に待つ結果が
きっといい事だからという
確信のもとに
促している言葉だと感じる
も少し
という言葉が
スパイスのように
効いている
も少し 起きてようよ
も少し いきますか?
も少し 幸せに 幸せになろうよ
あと少しのところが
夢の中なのか
おとぎ話のような世界の中に
いる二人
幸せになるにはあと少し…
1973年 激動の時代に誕生した
拓郎さんの
名曲 「伽草子」
深夜放送からも
よく流れていた。
吉田拓郎さんが
金沢事件で苦しんでいた時に発売されたアルバム 「伽草子」
そして
無罪にて
釈放されてすぐにステージに戻って
その存在を改めて知らしめた
伽草子ツアーと銘打って
全国を回っていった
語ることより
反撃することより
歌でその全てを覆し健在ぶりと
存在感たる
光を放った
激しい感情の裏には
こんな優しい名曲によって
自らが癒されることにもなった
名曲 「伽草子」
きっと
この詩は
未来から送られたものなのか?
おとぎの国から送られたものなのか?
この時の状況を知ってか知らぬか
拓郎さんの元にくるべくしてきた
詩で、作品でもあったし、
作詞家白石ありす氏の代表作にもなったのだ。