カキツバタさんの不思議世界

　その一輪に、はっとしました。



格別の遅咲きが、今年も一輪。
毎年の常ながら、何故に。
全てが散ったその後で、しばらく間を置いて、忽然と。



開いたそれは、月光にも際立つ一輪。



遅く咲いても、品格の一輪でした。
遅く咲いた一輪にこそ、宿る幸運を思います。



時既に、青葉に埋もれつつ、幾多の花が実鞘となった頃。
この遅れて咲く一輪は、天の配剤と感じます。
天変地異に遭遇しても、この一輪が、難を潜り抜けて子孫につながるプログラムか。



まさに、自然界さんのお知恵とは、底知れない物語。
天命を宿すゆえの美しさかと、納得の一輪。
前日の紫色で天突くつぼみは撮りそびれましたが、それも負けず劣らず感動的でした。



有難し。
この一輪に感謝です。
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