ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

高所の風に海を思う午後です

2011-07-22 03:41:05 | 今日の一歩
 毎日、天も地も、台風も動いております。雨が上がり、午後は高所での作業となりました。稲田方面を見れば、吾国山麓、箱庭ビュー。そこで受ける風は海からのよう。風と海と、動き続ける自然さんのココロに思いをはせました。

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 台風一過、雨もやみ、笠間市の西郊外での今日の仕事は高所です。
ただ今私は赤とんぼの唄、竿の先の極楽とんぼ状態です。
トラッククレーンの先端、高所作業ゴンドラの上におりまして、遠景を一枚撮影しました。

ここからは、吾国山(わがくにさん)も近くに見えますね。
右奥には、石の町として長年栄えた稲田の家並みが続いています。
仕事場の二階建て住宅の屋根のてっぺん、その少し上から覗いていますが、キモチいいですね。
こういう高所というものには、高所ならではの風があるようです。
風が、こせこせしていなくて、大河のように流れている感じです。

 地上の風とは、どこか違いますね。
笠間の話になりますが、笠間は盆地である上に、その盆地がいくつも枝分かれしています。
風もまた、それぞれの場所で、それぞれの風が吹いている感じです。
私が住む飯田の里でも、家々で吹く風が違います。
やれ、誰の家は冬はどうだの、夏場の風はどうだのこうだの、しばしば個別の風が話題になる気がします。

一口に風といってもいろいろなんですね。
「風ってなんだか知ってますか」と聞かれて、知りませんと言う人はいないでしょう。
でも、風のイメージとは、人それぞれのものです。
この笠間の中でも、同じ集落でも、夏の風に限ってみても、人の数だけさまざまな風が吹いています。

 私が受けている、ただ今の高所の風には、何か太い力を感じます。
これは、きっと海からの風ではないか。
台風のせいだけではなく、前にもこの位置で、同じ時間帯に同じ風を受けた気がする。
海から吹いている風、それもとても太い力、どんどん押してくるような圧力すら感じます。

前日の記事のアキアカネ君たちのことを思い出しました。
風に揺られる葉の先端、神経を研ぎ澄ますかのような彼らの姿勢には感動しました。
羽をピンと張って、風のセンサーを磨いているような。

あの小さな体で長距離集団飛行を成し遂げるには、やはり風の力があると思います。
それも、太く広く長い風の存在。
海流にのって魚群が移動するように、海流のような風とともに行き、風とともに帰還するのでしょうか。
名女優さんは、風とともに去ってしまいましたが・・・。

 私は、生まれつき、高いところが好きなようです。
昔から、煙とナントカは、高いところに昇ると申します。
私は、煙ではないので、多分きっと、ナントカなのでしょう。
お陰さまで、高所ならではの風を吟味しながら作業させて頂き、この仕事に感謝です。

海の風受けながら、思います。
もし海辺ならば、この高所にも、津波はやってきます。
毎年はやってきませんし、百年に一度はやってこないかもしれませんが、千年に一度は来ると思います。
近々海に行ってみたいと思いますが、そこを忘れないことが肝要と感じます。

 あの時、震災直後の高所作業は、緊急性もありましたが、余震でゆれるゴンドラの中、覚悟の作業でした。
東北各地や茨城・千葉の沿岸部では、一層緊迫した作業だったと思います。
自然の猛威の前に人間の力は小さいですが、謙虚に慎重に、自然さんの声を聞きながら働かせて頂きます。

海の風さんに吹かれながら、あらためて誓いました。


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