ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

危機を乗り越えバケツ稲育つ

2011-07-16 06:03:32 | 田んぼ風土記
 一時はイナゴの食害で無残だったバケツの早苗が、見事に復活しました。これからは、稲のプランター栽培、バケツ稲もおススメです。稲には喜びと希望があります。そして美しい。毎日稲と出会う楽しみを、皆様にお分けできれば幸いです。

********************

 今日は、手で運べる小さい田んぼのお話です。
いわゆるバケツ稲といわれるものを、今年初めてやってみました。
ただいま、田んぼの隣、トンボとカキツバタの池にて、元気に育っています。

バケツ稲というものは、一粒の種籾から収穫まで、稲の一生を一個のバケツの中で観察できます。
子供たちでも簡単に体験できるので、すぐれた教材でもあります。
最初に考えた人はえらいですね。
きっと、稲が心から好きな人だと想像します。

 稲という植物は、本当に美しい生き物だと感じます。
まず、何よりも葉の色が見事です。
若い苗も、実りのときの黄金色も、稲ならでは深さと輝きがあります。
そして、日本の風土を愛する人なら、穂が出るころから特に、稲に会いたくなるものです。

実は、このバケツ稲も、観賞のために準備しています。
市内の笠間焼ギャラリーの店主さんとの話で、ご来店のお客様に楽しんで頂ければと、企画しました。
晴れて店頭デビューの日も近い。
稲穂とバケツではミスマッチですから、自然系の素材で鉢カバーを考案して、楽しんで頂く計画です。

 実は、この稲たちにも危機がありました。
田植え後間もなく、イナゴの幼虫たちが群がり、葉っぱをかじってしまいました。
葉っぱの7割以上がかじられて無残な姿になり、再生も難しいように思われました。
その後もしばらく、田んぼの稲との元気の差は歴然でした。
それが、梅雨の後半から、にわかに元気を取り戻し、今ではこの通り、何事も無かったような青年の姿に。

水を補給する以外は、薬も肥料も何の作業もしていません。
おてんとうさまと水と稲の自力で、すべてが回復しました。
自然の稲というものは、本当に強いと実感しました。
あのみすぼらしい姿がうそのように。
イナゴさんたちも奥ゆかしいと思いました。
稲が復活するに必要な部分は、ちゃんと食べ残してくれたようです。

 稲が育つさまを身近に見ながら生きるということは、とても幸せなことです。
このバケツ稲は、ベランダで育てることも出来ます。
管理も簡単ですし、給水も忙しくありません。
何よりも、日々稲を見つめることは、とても楽しい。
そして、おてんとうさまがあれば、豊作の秋が、感動とともに訪れるのです。

これからは、庭先でもベランダでも、こういう稲を育てる人が増えるといいですね。
そのためには、おススメの品種など、いろいろ工夫もしていきたいと考えます。
これから、お店に置かれる稲たちは、お客様に実りの喜びを伝えてくれると思います。
素朴に力強く、そして、美しく。

 一粒万倍(いちりゅうまんばい)・・・
バケツの稲はささやかなものですが、来年も、また来年も、持続して復活する底力を感じます。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿