化石の日記Ver.2

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チベット語になった『坊っちゃん』

2012-04-03 23:27:29 | 読んだ本とか
http://blog.goo.ne.jp/nammkha0716/e/cab8a7422616dea810be6453e76c51d4

という本を読みました。


冒頭は、さだまさしの「防人の詩」を聞き取り、

スラスラとチベット語に翻訳するチベット人学生たち。

日本語を習いはじめて三ヶ月程度というのには驚くしかありません。


チベット語と日本語は文法が似通っていて

「てにをは」に相当するチベット語があるそうです。

それに、いつも習っている漢字(中国語)がプラスされるので

かなり理解が早いそうです。


が。ここまでに至るのは、かなりの紆余曲折があり、

それまでは、チベットの日本語テキストは「北京語」のものしか存在しなかった。

日本語と中国語は文法がかなり違うので、

日本語→チベット語ならスムーズにわかるところを

日本語→中国語→チベット語では、かなり大変だったもよう。。



日本語の意味はよくわかるものの

中国政府の強力な漢語教育により、

チベット語の文法が怪しくなっているチベット人学生や、

翻訳作業の中で、想像以上に日常語に漢語が入っているのに

複雑な思いを抱えるチベット人教師など、


現代のチベットがおかれている状況や、

民族独自の「ことば」のあり方など

いろいろと考えさせられるものがありました。


私はNGOのボランティアで、タイ少数民族のこどもたちが

支援者に送る手紙を翻訳しています。

手紙の原文は、彼らの母語であるはずのアカ語、ラフ語などではなく

すべてタイ語です。



きちんと調べてはいないのですが、学校教育はタイ語でされていて、

学校で母語を話す機会はほとんどないのでは…

就職など、タイ国で社会の一員となるにはタイ語は必須です。


この本を読んで、よほどの保護活動をしないと、

彼らの言語はすたれていく運命なのでは…

ということに気がつきました。


翻訳を始めたのは7年くらい前なのですが、

そのころの子ども達の名前は、民族固有の名前

(「ナワ」とか「ナ」で始まる名前が多かった)がほとんどだったのですが、

時代が下がるにつれて、タイ風の名前(○○ポーン)とか、

が増えました。

こういうところでもタイ化が進んでいるのを感じます。




では。ごぞんじのない方も多そうなので貼っておきます。



「防人の詩」 さだまさし

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