もう駄目だという事は分っていた。すい臓がんが発見された時はもう末期になっていた。すい臓は「沈黙の臓器」と言われるぐらいだから、発見が遅れることはよくあるんだそうだ。
ああ、いろんなことがあったなぁ・・・といろんな思い出が頭の中をよぎって行く。これが死ぬという事なのだろうか。
家族や親せきが駆け付けてくれている。
妻は私の手を握って泣いている。
医者が、画面を見ている。心臓の動きをモニターしているのだろうか。
意識がふっと無くなった。
「ご臨終です」と医者が告げ、看護婦に時間を告げた。
その時、スマホの着メロが鳴り響いた。A〇Bの曲だった。
私はいきなりベッドの上に起き直って、言った。
「死ぬ前になんでこんな曲を聴かないといけないんだ!」
そういってまたバッタリ倒れたそうだ。医者は慌てて画面を見たが、心臓は確かに止まっていた。
念のためにという事で解剖が行われたそうで、死因は、すい臓がんから、一時的な興奮による脳溢血に書き換えられたそうだ。
遺言にちゃんと書いておけばよかった。絶対に聴きたくない曲と、絶対に聴きたい曲の双方を。
以上の話は、天国に行ってから父から聞いたことである。
ああ、いろんなことがあったなぁ・・・といろんな思い出が頭の中をよぎって行く。これが死ぬという事なのだろうか。
家族や親せきが駆け付けてくれている。
妻は私の手を握って泣いている。
医者が、画面を見ている。心臓の動きをモニターしているのだろうか。
意識がふっと無くなった。
「ご臨終です」と医者が告げ、看護婦に時間を告げた。
その時、スマホの着メロが鳴り響いた。A〇Bの曲だった。
私はいきなりベッドの上に起き直って、言った。
「死ぬ前になんでこんな曲を聴かないといけないんだ!」
そういってまたバッタリ倒れたそうだ。医者は慌てて画面を見たが、心臓は確かに止まっていた。
念のためにという事で解剖が行われたそうで、死因は、すい臓がんから、一時的な興奮による脳溢血に書き換えられたそうだ。
遺言にちゃんと書いておけばよかった。絶対に聴きたくない曲と、絶対に聴きたい曲の双方を。
以上の話は、天国に行ってから父から聞いたことである。