蝸牛の歩み

「お話」を作ってみたくなりました。理由はそれだけです。やってみたら結構面白く、「やりたいこと」の一つになっています。

『オレの宇宙はまだまだ遠い』『宇宙兄弟』

2015-08-31 17:33:58 | 日記
 この別館の初心(?)は、コミックスの紹介であったのかなと思うのですが、途中から方針転換をして、「お話」を作る方に行ってしまいましたが、時々、初心に帰りたいと思います。

 『オレの宇宙はまだまだ遠い』益田ミリ 講談社 というコミックスがあります。益田さんの作品は面白くて、『すーちゃん』、『僕の姉ちゃん』などは、くすっと笑ってしまうのです。
 『オレの』の主人公は土田君という青年。書店員をしています。この本の末尾近くに、「『オレの宇宙はまだまだ遠い』に登場した書籍一覧」という見開き二ページの部分があります。
 『100万回生きたねこ』、『窓ぎわのトットちゃん』『サンタクロースっているんでしょうか?』『赤毛のアン』などの中に混じって、『宇宙兄弟』という作品が紹介されています。
 どんな漫画であるのか、土田君の紹介を引用いたします。ちなみにこの部分は対話になっています。どんな人との対話なのかは書きません。そして最後の対話も故あって書きません。

 「小学生の兄弟が宇宙飛行士になって月に行く夢を追う物語です」
 「行けたんですか?月に」
 「弟はとっくに行ったけど、兄の方はまだなんです。このお兄ちゃんが面白いんですよ。人が好くて髪とかもじゃもじゃで」
 「お兄さんもいけるのかしら?」
 「今、訓練してますよ」

 『宇宙兄弟』、いまアニメで放映しています。途中で気がついたので、第一話からというわけにはいかず、コミックスの方も図書館で借りて読む・・という日々が続いていたのですが、とうとう、コミックスの方がアニメに追いつき、図書館から借りだしもあと数人待ち…という事態になり、ついに決断を迫られました。このままでは、アニメを見ることができない・・。

 「全巻購入」!26巻までで、9400円ほどかかりましたが、価値はあります。そして、掲載誌の『モーニング』にも、次週から「『宇宙兄弟』連載開始」との予告。
『モーニング』は、御存じの方も多いと思いますが、「あの」山岸凉子さまが「レべレーション」という題名でジャンヌダルクを取り上げた作品を二か月に一度というペースで連載中なので、その号だけ買っていたのですが、ああ・・・。

またまた決断を迫られるわけです。










現代にゃん語の基礎知識

2015-08-30 10:03:42 | 日記
「現代にゃん語の基礎知識」

 にゃんたちと生活を共にすると、その共同体のみで通じるような言葉が生み出される。ワタクシは、すでに10年になろうとしているにゃんたちとの生活を振り返り、私たちが生み出した言葉のいくつかを紹介してみたい。
 なお、この原稿は、『WORLD CATS REPORT』誌にも掲載が予定されている。興味がおありの方には、購読をお奨めしたい。

<まえがき>
 にゃんたちと生活を共にするという光栄に浴したものは、須らくそれまで保持していた言語体系の変容を受け入れることを求められる。その中には、広く使用されているもの、これを「シニャンフィエ」と呼ぶ。それに対して、ある特定の共同体(家庭とか)で独自に使用されているものを「シニャンフィアン」と呼ぶ。今回、ワタクシは、苦節十年にわたる観察と記録の一端を紹介し、同好の士の渇を癒したいと思うものである。
 では早速、紹介に入る。

〇「カリカリ」 これは、「サイエンス大エット」や「ロイヤル華南」などから発売されている乾燥系のシロモノであり、これを「エサ」と呼ぶか、「お食事」と呼ぶかで、「にゃん愛度」が測定される。

〇「まろすい」 これは我が家の「まろ様」の頭頂部に顔をうずめ、その香りを胸いっぱいに吸い込むことを言う。

〇「ゴロン攻撃」 これも「まろ様」の得意技の一つであり、お腹を見せてゴロンと床に転がり、「撫でてもいいぞ」というサインを送る動きを指している。これを無視できるものは皆無である。

〇「ぷにぷに」 猫様の肉球に触らせていただいた時のなんともいえないあの感触の事を形容する言葉。勤労意欲を奪う事もあるので、出勤前はやってはいけないとされている。

〇「プリンス・オブ・コゲールズ」
         「まろ様」は、我が家にいらっしゃった御幼少の時は全身ほぼ真っ白という状態であったが、その後、歳を重ねるにつれて身体の数か        所にうすーい茶色の、まるで「カシミアコート 秋の新色」のような柄が現われ、その色の在り方を形容するために作り出された言葉。

〇「一人圧力団体」 主としてチャー君の行動を形容する際に使用される。お腹が減ると、やや甲高い声で意志をお伝えになり、我々は、「まだお食事ま        で一時間ございます」と抗弁するのであるが、中々聞き入れてはいただけない。

〇「個体識別」 あも君の行動によく見られる。家族のそれぞれに対して、「自分に対して何をしてくれる係なのか」をきちんと認識する能力。

〇「もふもふ」 猫様のお腹の部分に顔をうずめて、その柔らかさを堪能する事。

〇「チュッチュッ」 まろ様が、ワタクシのお腹の部分をチュッチュッとお吸いになるありさま。なのでワタクシは、風呂上りでも、このご要望に応える         べく、シャツの着用を怠りません。小さなときにお母さんと別れてしまったので、こういう性質が残ったようです。

もう一つの日本

2015-08-29 16:59:48 | 日記
 パラレルワールドというSFの分野がある。過去が改変されたことによって、未来も変化を受け、元の世界とは異なる歴史が展開されていくという手法が一般的にとられる。以下は、あるパラレルワールドで起きたことである。

 日本の最高権力者は命じた。

 「刑法に照らして違法行為を行った満州事変関係者を拘束し、取り調べを行うように」

 「我が国は<大東亜共栄圏>という大義を掲げた。その大義に忠実であれば、世界に向かってなんら恥じることはない。戦時中に作成された文書はすべて保管し、焼き捨てることは一切禁止する。作成責任者は、客観的な解説を付せよ」

 「満州事変以来今日まで、作戦の拙劣さから皇軍の兵士を多く戦病死、餓死に追いやった責任者のリストアップをおこなうように」

 「大本営発表を検証することなく垂れ流したマスコミ関係者を逮捕し、なぜそのような行動を行ったのか、証言させよ。自己弁護は一切許すな」

 「キリスト教、仏教界の指導者を拘束し、戦時中の言動をすべて洗い出すように」

 「今回、私の命令に従わず、「我が国はまだ負けていない」と部下を巻き込んでの反乱を企てているものはすべて賊軍として討伐せよ」

 「『死して虜囚の辱めをうけることなく』という戦陣訓を作成した責任者、そしてそれに異を唱えなかった軍の指導部に対しては、『この戦争はなぜ負けたか』『なぜ「戦陣訓」のようなおよそ現代戦の常識からかけ離れた文書が特段の反対もなしに認知されたのはなぜか』というテーマで所見を書かせよ。書き終わったら、武装解除をすべて終え、米軍の進駐日程が決まったら、その二日前に全員切腹させよ」

 「私は、これらの事が一段―落ついたら、退位するつもりでいる。道義的責任を取れば、戦後の日本の教育にすこしでも資する所はあると思う。」

お医者さん

2015-08-28 20:24:25 | 日記
近くに病院がオープンした。動物病院で、猫専門。ビラがポストに入っていた。「お気軽においでください」と書いてあって、院長先生の写真が載っている。

 猫だ。
 
 学歴が書いてある。日本の国立大学と、アメリカのかなり有名な大学の名前が書いてある。獣医学科卒だそうだ。日本初って書いてあるけれど、世界初でもあるんじゃないか。

 隣の町に、牛が肉屋をやっていて、「肉の事しか知らない肉屋」という看板を掲げているのは知っている。さすがにいい肉をおいている。ただ、財布との相談で、細切れとか、スジしか買えないのは残念だが。おまけをしてくれるのが嬉しい。但馬出身だと聞いた。

 さて、猫の院長だ。
 行ってみた。シャム猫で、連れて行ったうちの仔をベッドに横にならせて、肉球で肩とか腰をぐりぐりしてくれた。
 椅子にちょこんと座りなおして、一言。

 「夏バテでしょう。ビタミン剤出しておきます。肩と腰とを少しだけ揉んでおきましたから、だいぶ楽になったと思いますよ」
 と言った。おもわず、こちらも「ありがとうございます」と言って頭を下げた。

 うちの仔も、なにか重石が取れたような感じで、にゃーと鳴いた。
 

言わなければよかった・・・

2015-08-27 15:20:54 | 日記
 いまさらながらに、あんなことをしゃべらなければよかったと後悔している。あんなことをしゃべらなければ、その後の大混乱はなかったはずだから。
 私が生活している地域にはいくつかの有名な神社があって、多くの参拝者を集めている。知人を案内している時に、小さな祠が眼に入った。四方を石柱で囲ってはあるのだが、かなり傷んでいる。
 「これはどんな神様なんだ?」
 「うーん・・結構歴史は古いらしいだけれど、今はこんな状態だね。あ、でも、うちの猫が逃亡して行方不明になった時に、お賽銭を放り込んだら、帰ってきたから御利益はあるのかも」
 「でも、それって、お前の家の近くにあるっていうだけで、ここに参ったんだろ?」
 「ま、そう言われればそうなんだけどね」
 「だいたいさあ、宣伝が足りないんだよね」
 知人は広告業に従事している。でも、大手ではない。
 「宣伝って、『いらっしゃーい!』てなやつ?」
 「あ、それはもう古いのかも。『不安をあおる』って結構効き目があるんだよね。病気とか、成績とか。予備校とか塾なんてそうだし、保険会社なんかその典型だよ」
 「不安って言えばね」
 ここで止めておけばよかった。ついつい豆知識を披露してしまった。
 「六代目の円生師匠の噺のなかに、貧乏神が、『参詣なさらねばこちらからお伺いいたします』とふれたら、すごいたくさん参詣するようになったってあったなぁ」
 「あっ、それだよ、それ。それって不安をあおってるでしょ」
 それぞれ10円玉を放り込んで終わった。

 一週間経って、ポストの中に入っている郵便物とビラ類を取り出して、部屋に入ってパラパラ見ていたら、変なビラが眼に入った。
 「当方、貧乏神でございます。最近、ますます貧乏の度を加えておりますので、みなさまにご参拝をお願いいたす次第でございます」
 その下に「ご参拝のない場合は、当方よりお伺いいたし、場合によっては居座らせていただきます」となぜか、丸文字のゴシックで書いてあり、蛍光ペンで下線が引かれていた。

 次の日に、行ってみた。ものすごい数の人達がいた。道路から、細い道を入って行って10mほど登り坂を登ってたどり着けるような祠であり、参拝し終わった人たちとこれから参拝する人たちとのすれ違いも一苦労であるようだ。
 パトカーが来た。「町内会役員」という腕章を巻いた六人の人達が警官と立ち話をしていた。
 警官が、ハンドマイクを町内会の役員に渡した。役員は、あっちに行ったり、こっちに行ったりしながら概要以下のような事をしゃべった。

 これから、賽銭箱をもっと広いところに移動すること。それを基金とし、町内会の積立金、さらに、篤志家の寄付を募って、近々のうちに祠を新築すること。

 混乱はやや解消され、人の流れもスムーズになった。それでも、毎日毎日山のように人たちが押し掛け、町内会役員と警官が対応にあたっていた。NHKのニュースでも紹介されていた。

 結局、祠は移転され、お賽銭、寄付金をもとにして、立派な神社が建った。当たり前の事だけれど、「貧乏神」という名前は消え、「福の神」が祭られているという平凡な結果となった。しかし、境内の片隅に、もとの祠が鎮座しておられ、にらみを利かせている。

 その頃、夢を見た。貧相な老人が出てきて、貧乏神だと名乗り、礼をいってくれた。いい事がある、と言ってくれた。

 宝くじを張りこんで一万円分買ったけれど、外れた。
 ぎっくり腰になり、治療に通った。通った日数分保険金が給付された。良いことってこれだったんだ・・・。