「おい、お前、俺たちを置いて逃げる気じゃないだろうな」
「な、なんでそんなことを言うんだよ。オレたちゃ仲間じゃないか」
「いいや、おまえ、ここ数日間、おかしいよ。なんか考えてるだろう。オレたちに言えないようなこと」
「そ、そんなことはないよ。ただ、このところ、トシのせいか、腰が痛くてしょうがないんだよ」
「トシのせいかって、俺たちみんな同い年じゃないか」
「そうだよ。四人まとめて造られて、今ここにいるんだから」
「ま、考えてみれば、もう何年経ったのかなぁ」
「千年は経ってるな」
「その間、ずっとこんな仕事やらされて、やってらんねぇよなぁ」
「ま、ずっとやってりゃあなにかいいことがあるかもね」
「そうでも思わないとやってられねぇよ」
「寝よ、寝よ」
「あー!やっぱりあいつ逃げやがった!」
「ホントだ。おい、おまえ見張ってなかったのかよ」
「いや、そのつもりだったんだけど、つい昼間の疲れが出て・・・・」
「つい、じゃないよ」
「どうする」
「なんかおかしいと思ったんだよ。急にずしっと重くなってきたから、なんか変だなと」
「なんか変だなって、お前、その時にみんなを起こせばよかったんだよ」
「だけど、おまえも、ずしっと来たんじゃないのか」
「そういえば・・・」
「そういえば、じゃないよ。そうなるってえと、これから先、三人でこの大屋根を支えて行かないといけないのかよ」
「あー、最悪」
「おい、もう逃げようなんて気起こすんじゃないぞ」
「二人で支えるなんて、ありえないよなぁ」
「こうなったら、逃げる時は一緒だからな」
姫路にあるあるお寺、伽藍の屋根の四隅を鬼たちが支えていたのですが、ある夜、一人逃亡して、今では三人で支えているんだとか。お寺に参った時に、聞いたお話です。それにしても、逃げた鬼はどうしているのか。残りの三人は今でも支え続けているのか、それとも示し合わせて、一、二の三!!で、逃亡したのか。逃げたというお話は、まだ伺っておりません。
「な、なんでそんなことを言うんだよ。オレたちゃ仲間じゃないか」
「いいや、おまえ、ここ数日間、おかしいよ。なんか考えてるだろう。オレたちに言えないようなこと」
「そ、そんなことはないよ。ただ、このところ、トシのせいか、腰が痛くてしょうがないんだよ」
「トシのせいかって、俺たちみんな同い年じゃないか」
「そうだよ。四人まとめて造られて、今ここにいるんだから」
「ま、考えてみれば、もう何年経ったのかなぁ」
「千年は経ってるな」
「その間、ずっとこんな仕事やらされて、やってらんねぇよなぁ」
「ま、ずっとやってりゃあなにかいいことがあるかもね」
「そうでも思わないとやってられねぇよ」
「寝よ、寝よ」
「あー!やっぱりあいつ逃げやがった!」
「ホントだ。おい、おまえ見張ってなかったのかよ」
「いや、そのつもりだったんだけど、つい昼間の疲れが出て・・・・」
「つい、じゃないよ」
「どうする」
「なんかおかしいと思ったんだよ。急にずしっと重くなってきたから、なんか変だなと」
「なんか変だなって、お前、その時にみんなを起こせばよかったんだよ」
「だけど、おまえも、ずしっと来たんじゃないのか」
「そういえば・・・」
「そういえば、じゃないよ。そうなるってえと、これから先、三人でこの大屋根を支えて行かないといけないのかよ」
「あー、最悪」
「おい、もう逃げようなんて気起こすんじゃないぞ」
「二人で支えるなんて、ありえないよなぁ」
「こうなったら、逃げる時は一緒だからな」
姫路にあるあるお寺、伽藍の屋根の四隅を鬼たちが支えていたのですが、ある夜、一人逃亡して、今では三人で支えているんだとか。お寺に参った時に、聞いたお話です。それにしても、逃げた鬼はどうしているのか。残りの三人は今でも支え続けているのか、それとも示し合わせて、一、二の三!!で、逃亡したのか。逃げたというお話は、まだ伺っておりません。