蝸牛の歩み

「お話」を作ってみたくなりました。理由はそれだけです。やってみたら結構面白く、「やりたいこと」の一つになっています。

億万長者になったんですが

2016-04-27 20:06:13 | 日記
 先々週、宝くじが当たった。二億円。で、どうせあぶく銭と思って、競馬場に行って、5レースにそれぞれ一千万づつつぎ込んだ。5レース中3レースで万馬券。
 家に帰って考え込んだ。まず、腹が減っているから何を食べるか。カップヌードルのシーフード味と、ローソンで買ったイナリずし。
 六畳の居間兼寝室兼勉強部屋に、札束を敷き詰めた。その上に布団を敷いて寝た。
 七時にアラームがセットしてあるので、起きて、賞味期限を一日過ぎたおにぎり(これは、ファミマで買った)と、飲むヨーグルト(これはローソン)の朝食をとる。
 七時半になったから、背広に着替え、リュックサックに教科書を入れる。えーっと今日は、3時間目に倫理、4時間目に日本史B。少し早いけれど、出勤して「天明の飢饉」のところをもう少し調べておこう。札束から、2枚だけ抜いてポケットに入れ、あとの札束は、押し入れの中の段ボール箱の中に入れる。段ボール箱5つが満タンとなった。
 どこかで読んだんだけど、宝くじの一等があたった人の中で、33%の人は仕事を続けているという事を思い出しながら、ドアのキーを閉めた。


タックスヘイブンのススメ

2016-04-23 00:03:03 | 日記
 日本は、「タックスヘイブン」への道を歩むことを宣言した。それも、「パナマ文書」で明らかになった世界の権力者オンリーという路線は取らない。
 ウリは、「誰でも使えるタックスヘイブン」。つまり、だれでも、年齢も国籍も問わずに、年間一万円支払えばペーパーカンパニーが創設でき、法人税、所得税、固定資産税は、タダみたいに安い設定となっている。買い物袋を抱えて、一円でも安い卵を売っているスーパーを血眼になって探している大阪のおばちゃんも、正月親戚中の人たちから5万円というお小遣いをせしめた小学生も、アメリカ人も、パプアニューギニアのオッチャンも、この制度を利用することとなった。
 最初の一年間でペーパーカンパニーを登記した会社と個人は2億に達した。日本の国には、2億人×1万円=二京円という天文学的な金が転がり込んできた。日本人一人当たり年間500万円支給しても、500兆円で済む。消費税もなくなった。

明朗会計

2016-04-19 00:56:20 | 日記
 amazonが、お坊さんの宅配を始めたという。結構好評らしい。法事の際に来ていただいたとき、お布施をどれぐらい包んだらいいかと迷うことはあるのだが、きちんと料金が明示されている。たしか3万8000円だったか。
 これをさらに進めると、メニュー表が出来そうだ。般若心教だけなら1万円とか。30分読経してもらったら3万円。大学出たての若い坊さんなら、初心者割引という事で定価の半額。
 お盆の場合は、20%増しとか。
 ついでに、芸能人の宅配。たとえば、マドンナに来てもらってダンスと歌一曲で20万。アンコール一曲につき10万なんて安すぎるか。
 そのうち、本人を運ぶというサービスも出てくるかも知れない。火星とか。
 タイムマシーンが出来たら、壇の宇浦の合戦を特等席で見るとか。

歌舞伎の原点

2016-04-09 20:29:40 | 日記
 ついに、「この日」が来た。歌舞伎界が「原点」に戻る日が。
 板東玉三郎が、「歌舞伎の世界は、出雲阿国の原点に立ち返りたい」と記者会見を行ったのである。
 つまり、女性を受け入れるということである。ただし、何の制限もなしにというわけではなく、「当面は男役に限って」と注釈がついた。
 記者会見の会場からは、「それは、歌舞伎界が『宝塚化する』ということでしょうか」との質問が飛んだが、玉三郎は、軽く笑って、「私たち女形の伝統も絶やしたくありませんから」と答えた。

春に飛んでくる

2016-04-01 20:41:14 | 日記
 黒い傘をさしたご婦人が風に乗って飛んできたのを見た。私の頭の上を通り過ぎた時には、エチケットとして下を向いたのだが、たしかにあれはメアリー・ポピンズだった。ただし、ジュリー・アンドリュースではなかったと思う。
 春になったんだなぁと思っていたら、番傘をさしたどえらく派手な人物が飛んできた。江戸紫の鉢巻。えっ、助六か? 『助六所縁江戸櫻』を南座で見たことを思い出した。見得をきったままで風に吹かれて飛んでいく。
 日傘をさした女性も飛んできた。モネの絵、そのままだ。
 春になって飛んでくるのは花粉だけではない。黄砂も飛んでくるけれど、時には素敵なものも飛んでくる。