蝸牛の歩み

「お話」を作ってみたくなりました。理由はそれだけです。やってみたら結構面白く、「やりたいこと」の一つになっています。

『兵士の訴えたいこと』

2016-08-24 00:21:46 | 日記
「退役米兵1日平均20人自殺/10・20代が率高く/戦地体験でPTSDに苦しみ」。「退役軍人省は、緊急電話相談窓口の設置や精神疾患を患う元米兵を治療する医師の増員など」「同省の支援制度を利用した退役米兵の間でも自殺率は8・8%上昇 
2016年8月6日 に報じられたこのニュースを記憶されている方も多いかもしれません。
今回出版されたこの本には、PTSDに苦しむ元兵士、政府高官、軍の関係者へのインタビューが掲載されており、自殺の背景についての根源的な分析が行われています。「もう、こんなことは止めるべきだ」と語る元部隊長の発言は、公式に発表され、お茶の間に伝えられるイラク戦争のイメージを覆すものです。
この本の末尾に、一枚のDVDがついています。それは、著者がインタビューしていたまさにその時に、46階から飛び降りた元兵士の「その瞬間」を捉えたものです。2時間にわたるインタビューの直後、にこやかに著者と握手をしたその兵士は、くるりと後ろを向き、窓を突き破って飛び降りました。部屋の片隅に設置されていた固定カメラは、彼の身体が窓に吸い込まれ、靴の裏が消えていくまでを記録しています。
「紛争の解決手段として『戦争』を手放さないすべての人に送る」という著者の言葉をあなたはどう思うでしょうか?
なお、この本は、店頭に並んで1時間ですべて回収され、著者は逮捕されました。理由は、「表現の自由を大幅に逸脱した残虐な映像を公開したこと」だそうです。
 

『橋下徹回顧録』

2016-08-22 19:19:31 | 日記
『橋下徹回顧録』は、氏の没後一年を記念して出版されました。
 「風雲児」と持ち上げる人も多く、一時は国政政党にまでなった「維新の会」ですが、結局は、金の問題で四分五裂、内部告発から裁判沙汰となり、「泥仕合」と書く週刊誌もあったほどです。
 大阪人の中には「自虐ネタ」として使っている人もあるようですが、府民の体質と言っていいのか、何事もなかったかのように、話題に乗せる人もいないようです。
 道頓堀の付近で、マイクを向けて、「あの・・橋下さんについて・・」と言ったとたんに、手を振って足早に去っていく人が多いようです。
 一時は、渦中にあった人ですから、「日本の政治史の中の一断片を知ることのできる史料」として読んでみた人も多いようですが、全360ページの中の大半が自己弁護と(弁護士だけに)、他のメンバーへの批判に終始しています。一枚岩と思われていた、松井一郎氏への罵倒が20ページにわたって続くという有様。
 「俺が当選し、知事にも市長にもなれたんは、大阪府民に人を見る目がなかったいう事で、ただ、おもろかったらええやん」という風土のなせる業だったかもしれん」(p340)という箇所は、本音が現れているかもしれないと思って読みました。

『栄光の記録』

2016-08-21 15:48:15 | 日記
オリンピックもすでに終盤を迎えている。この本は、行われたすべての競技で選手に与えられた金・銀・銅のメダルのレプリカを作成、再生装置にセットすると、試合の模様、観客の姿、選手の成育暦、日常の生活ぶりを立体映像で楽しめるようになっている。臨場感は抜群であり、高飛び込み、水球などでは視聴者も実際に水を浴びるような設計になっているので、付属のレインコートを着用することが必要である。
 今年から取り入れられた太陽風を利用した地球・火星間のヨットレースの模様は圧巻で、隕石の直撃を受けながら最後まで完走をあきらめなかった選手に対して贈られた白金のメダルはまさに感涙もの。全人類が火星に移住してから二十年を記念して開かれた大会だけに、懐かしい地球の映像に涙する人も出るかもしれない。