南米料理と音楽の店 ペーニャあまんかい

アルゼンチンから一番遠いペーニャ(南米の音楽酒場)へようこそ

アルゼンチン映画への御招待

2007-04-18 08:26:40 | 南米の映画Pelicula
現在開催されている映画祭のこともあって、ここのところ南米を中心に映画ばかり見ています。


先週上映された映画は「HISTORIAS MINIMAS(小さな物語)」
目的は違うけれどアルゼンチンの南、パタゴニアに向かう3人が不思議に交差してゆくそんなストーリーです。
時々カメラが引いた時に映る地平線の美しい事。
地平線がこんなに出てくる映画は珍しいんではないですかね。
アニメでは、はじめ人間「ギャートルズ」がありますが・・・・


2本目は、「EL ABRAZO PARTIDO(僕と未来とブエノスアイレス)」というブエノスアイレスにあるガレリア(商店街)を舞台にした映画で、唯一日本でも公開された映画です。
ガレリア店主達も人種が様々でアルゼンチンの縮図のようです。
主人公のアリエルは長い間会わなかった父親を見かけた時、母から衝撃の告白をされた時、現実から逃げ出そうとするのですが、兎にも角にも走る。
ブエノスアイレスの街を疾走するんです。その時にかかるオーケストラ・タンゴがとーってもいい!
このCDを手に入れたいと切に思いました。
何の因果か、丁度この映画を始める時に機械の不備が見つかって、私も久茂地を疾走する事になってしまいました。往復4キロを全力失踪したのは何年ぶりでしょうか。笑
アリエルの母の恋人役のサロ・パティックさんはかつてシルビオと一緒に仕事をした古い友人なのだそうです。

今度の日曜日の一回目の映画は2004年制作の「ROMA」。
長い間一人でスペインに住む偏屈なアルゼンチン人作家ホワキン・ゴメスが自らの自叙伝を雇った助手と執筆する事になるのですが、ホワキン氏の一言一言に毒気があり、苦笑させられます。
そんな彼のブエノスアイレスでの幼青年期、出会った女性、そして母、ローマとの思い出が語られていくのですが、彼の人生にどんどん引き込まれていきます。
ホワキンが幼かった時、一緒に川釣りに来た父が言います。
「Las penas la tristeza la bronca por algo que te haya pasado,todo lo malo al rio.(心の)痛み、悲しみ、怒り、何かおまえに起こったら、悪い事は全て川へ流せばいいんだ」
本が完成し「もうここには戻ってこない」と言い残しホワキンが向かった先は・・・・


映画祭最後を飾るのは2003年制作
「Bar"El Chino"」
ブエノスアイレスのポンページャ地区に実際にある店、バー”エル・チーノ”が舞台になっています。
店の中ではタンゴやフォルクローレが演奏され、長年その店で歌ってきた歌手達のステージやインタビューと
その店に惚れ込んで記録を残していた編集者と映画の企画を持ち込んだ女性とのロマンスを交えながらアルゼンチンの抱える社会問題までも写していく、そんな作品です。
タンゴ、そしてフォルクローレファン必見の映画です。

日本語字幕がないと言うハンデにもかかわらず、毎回たくさんの方々がお越しになっています。
見ごたえありますよ。アルゼンチン映画祭に是非遊びにきてくださいね