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「なぜ日本では、韓国『1987』のような政治映画が成立しにくいか」、

2025年06月26日 | 映画

韓国映画『1987、ある闘いの真実』は、警察による学生拷問死という一事件から、軍事政権下での民主化運動のうねりを描き出した傑作だ。

観客700万人以上を動員し、社会的議論を呼んだ。だが、ふと考える。

「なぜ日本では、これほど政治的で、かつエンタメ性の高い映画が作られないのだろうか?」

その理由は一つではない。

まず、制作側の制度的な壁。韓国では民主化以降、文化コンテンツ産業に対する国家の支援が充実し、政治を扱う作品でも助成を受けられる。

一方日本では、助成や出資にあたって“政治的中立”が過剰に重視され、政治色が強い企画は通りにくい。さらに、テレビ局や芸能事務所との繋がりが強く、自由な表現が難しい構造もある。

が最大の違いは、観客側の感受性かもしれない。

日本では、「政治は面倒」「映画は娯楽であるべき」とする意識が根強く、政治映画を観に行くこと自体が“特殊な行動でダサい”として見られる。

これは全共闘運動の挫折以降、政治への冷笑主義が染み込んだ結果でもある。

とはいえ、日本にも可能な政治映画はある。

好きなわけではないが、
是枝裕和の『万引き家族』は、家族の物語を通じて制度の不在を描いた。原一男の『ゆきゆきて、神軍』や『れいわ一揆』(まだ見ていない)も、予算や流通の制限はありながら、現実社会に鋭く切り込んでいる。


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