不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

La scelta sbagliata

2004-06-04 02:26:59 | 日記・エッセイ・コラム
先日フィレンツェである事故が起きました。
ここ数日忙しくしていたせいもあって
エディーコラ(キオスク新聞売り屋台)で新聞を買うのを怠り、
街角に立つ新聞の見出し公告だけを読んでいて、
ちょっと気になっていた事故だったので
今ネットでチェック。

1日の朝7時過ぎにフィレンツェのとある通りで事故は起きました。
大きなゴミ箱を置くことのできない街の中心部とは違って
ちょっと城壁の外に出ると
通りのあちこちに分別用に色分けされた大型のゴミ箱が
いくつも置かれているわけですが
最近、どうもこの中で眠るのが流行っているようで。

フィレンツェにはいわゆる「浮浪者」というか
家のない人々が結構います。
中央駅やそこここの広場で寝泊りしている人が大半ですが
最近ではこの分別用のゴミ箱の中で眠ってる人も多いみたい。
ごみといっても比較的きれいな「紙ごみ専門」ゴミ箱が人気。

因みに城壁の内側に当たる我が家の近くには
スペースの都合上
紙ごみ専門のゴミ箱は設置されていないので
隔週で行われる道路掃除の夜に
大扉の前に紙ごみをまとめて出しておくともっていてくれる仕組み。

今回、城壁外に置かれた紙ごみ専門ゴミ箱の中で眠っていたのは
移民のルーマニア人31歳男性。
朝のごみ収集時まで眠りこけていて
なんとごみ収集屋のトラックにごみと一緒に収集されてしまい
叫びまくって運転手に知らせ、
機械を止めてもらって消防車が出動して
とりあえず生きて救出されたのですが、
既に圧縮機械で押しつぶされた後だったので
病院に運ばれる間に亡くなりました。

この事故が気にかかったのは
最近類似の事故が相次いでいるから。
ゴミ箱に入る→収集される。
故意でゴミ箱に落ちた例もあるし
(どうするとゴミ箱に落ちるのかは謎ですが・・・)
悪意でゴミ箱に入れられるケースもあり
今回のように自ら好んで入る場合もあります。

どこで寝ようと勝手なのですが、
今回のような事故の場合
ごみとして収集されて亡くなった本人も無念だし、
傍目からみてもかわいそうですが、
ごみと思って収集してしまった収集業者も
この先ずっといやな気持ちが残るでしょうねぇ。