グリーグは、北欧のノルウェーを代表する作曲家です。
グリーグは、1843年6月15日、ノルウェーの西海岸にあるベルゲンと
いう街に生まれました。ベルゲンは古い歴史を持ち、風光が美しく、
文化的水準も高い都市です。
彼の母親の影響で、幼い頃からショパンの音楽に、非常に興味を
示し、のちに’北欧のショパン’と呼ばれた彼の作品は、きめこまか
い情緒性であふれています。
グリーグも、最初の頃はこのショパンの愛好する外国音楽への憧れ
から、ドイツで主要な音楽の勉強をしますが、ノルウェーに帰ってから
自国の音楽に目覚め、民族的な旋律やリズムを多用し、国民学派
の作曲家となっていきます。
代表作「ピアノコンチェルト」 「ペールギュント」での大成功。
彼は、この2曲のような大曲のほかに、叙情的な小品に意欲を燃やし
ました。グリーグの音楽は、常にノルウェーの自然を反映させていて
絵画であり、自然を歌った詩です。ショパンに比べておおやかで健康的
な表現は、生涯自然を愛し、その中に浸るように生活していたところ
から生まれたといわれています。
42歳の時に、トロルドハウゲンという静かな場所に、生活の拠点を移し、
ピアノと机だけを置いた小さな小屋を建て、そこで作曲に没頭します。
1907年9月4日、グリーグは63歳の生涯を閉じますが、葬儀は国葬と
して、ベルゲンで盛大に行われました。
写真のお墓は、彼の愛したトロルドハウゲンの、崖を下った丘陵の斜
面に設けられていて、夫人のニーナは長生きをして1935年に90歳で
亡くなったのですが、同じお墓に眠っています。
ピアノと海と花との生活はこちらです。
一目見て、あァ!と納得できました。余談ですが昔
或る著名な俳人が、夏目漱石のお墓について、「漱石は何処と言って悪いところはないが…あのお墓(東京
雑司が谷にある)だけは、いただけないナ」と言っていた事を思い出しました。正にグリーグに似合った
風情のお墓!と言えるのでしょう。
私メは彼の叙情小曲集が大好きで昔のギレリスの演奏によるテープで聴いています。
グリーグは、本当に健康的な人生だったような気がします。
トロルドハウゲンの家の写真は、素敵なお屋敷ですけど、その邸内の小屋、というのが晩年のグリーグの仕事部屋だったのですね。ほんとに小さいんですよ。
でも平和な生活だったのでしょうね。’叙情組曲第8集’に「トロルドハウゲンの婚礼の日」という曲があります。よく生徒もコンクールでひいたりしていますが、いい曲ですよ!是非!