Akatsuki庵

日々と向き合って

茶道具を守る更紗がステキ☆

2019年07月31日 05時07分55秒 | 美術館・博物館etc.

★湯木美術館 サイト
夏季展『茶道具の次第―更紗を中心に―』 ※8月4日(日)まで

週末、大阪と京都へ行って来た。

お宿で少し暇している際に、暑中お見舞いメッセージなど送る。
そしたら、返信で「今回は何の目的で?」

一瞬、ハタと返事に詰まった。

かなり前から、このタイミングで予定を入れたので、その理由が自分でもわからなくなっていたのだ。

しばらく考えてから、「あ、そっか」

湯木美術館の夏季展に来たかったノダ。

花会員に入館してから、だいぶ経つ。(5年か6年くらい?)
この2年、年会費のモトが取れるか取れないかのギリギリのところの状態。

なんでだろ?考えてみて、「夏季展に行かないからだ」と合点がいった。

バックナンバーを遡ると、前回の夏季展訪問は2016年。
夏に行けなかった一昨年と昨年はオトク感が薄かった。

よし。ならば今年は行くぞっ

てなことで。

「次第(しだい)」という言葉が茶道具に付随する仕服や挽家、箱書、添幅、包物(風呂敷など)をさすということ、
今回初めて知った。(単純に「付属品」と呼んでいるのかと思っていたし、そういう表現をされていたような~)

圧巻は中興名物の瀬戸肩衝茶入「飛鳥川」とその次第。

飛鳥川茶入は湯木美術館を代表するお道具の一つで、何度も拝見したことがあるけど、
付属品を見たのは初めて。

仕服の枚数とか、牙蓋の数は「こんなものか」だけど、お盆を入れる仕服(袋)あって、その裂がとても珍しい更紗でビックリした。

あとは、お道具よりも裂地! しかも、更紗に特化した裂地のオンパレード。

もとものジャワとか南の島で織られ、現地の人がまとっていた布だから、涼しげ。

風通しがよいから道具を包むんだり保護するのに重宝されたのかなぁ。

名前もおもしろい。

鳥手更紗や格天井更紗とか。

更紗同士をパッチワークの発想で片身ばりに2枚縫い合わせて包み布にしていたり、
茶碗を箱に収納するにあたって、四隅に嵌め込む柱も包み布とおそろいの更紗でくるんであったり。

山鵲手(さんじゃくて)という彦根更紗に類似品があるという珍しい 更紗もあった。
山鵲というのはカラス科だそうで、でも「鵲」は「かささぎ」と読むわけで~。まぁ、南国のきれいな鳥さんというか烏さんなのだろうナ。

他にも東インド会社が日本向けに輸出した更紗もあった。

そういえば、10年前くらいだったかしら。あ、そうそう2008年9月にトーハクで彦根更紗が特別陳列されたことがあった。→こちら
この時は五島美術館でも更紗の展覧会がかかっていて、お互いに宣伝していたっけ。
五島の年間パス会員にもなっていたので、講座とか展覧会へ行って勉強したなぁ。大倉集古館とも3館で更紗やっていたっけ。

なんか、懐かしくなった。

帰り道、珍しく? 湯木美術館オリジナルのグッズ(クリアファイル)が販売されていた。
たぶん、試験的になのだろう。かなり枚数絞ってしか作っていないというレアものとのことだって、即購入。

次回、秋季展は9月3日(火)~12月8日(日)の日程だそうで、テーマは近現代ものとのこと。

※湯木美術館バックナンバーリスト
 2019年5月 春季展『「きれい」寛永×「いき」元禄-くらべて見える江戸茶の湯文化- 
 2019年3月 特別展『湯木吉兆庵の雛道具―ひな祭りのしつらえと茶道具―』
 2019年1月 早春展『利休と茶の湯のエピソード-茶書に描かれた利休の姿-』
 2018年11月 秋季展『松平不昧没後200年 不昧の茶道具と近代数寄者 ―その書とデザイン―』(後期)
 2018年10月 秋季展『松平不昧没後200年 不昧の茶道具と近代数寄者 ―その書とデザイン―』(前期)
 2018年5月 開館30周年展『湯木コレクション選 その2 古筆と茶陶/吉兆庵 大師会の茶道具』
 2018年1月 早春展『千家に受け継がれる美の形』
 2017年9月 開館30周年記念『古筆と茶陶 名品をすべてご覧いただきます=その1= 湯木コレクション選-吉兆庵光悦会の茶道具-』
 2017年5月 春季展『ひと目でわかる京焼300年の歴史 江戸時代のやきもの―仁清・乾山窯と後期京焼の食器を中心に―』
 2017年2月 早春展『わび茶のすがた 江戸時代後期の千家と大名の茶道具』
 2016年11月 秋季展『茶道具と和歌 -ものがたりをまとった道具たち-』(後期)
 2016年10月 秋季展『茶道具と和歌 -ものがたりをまとった道具たち-』(中期)
 2016年7月 夏季展『茶人のたしなみ 茶事へのいざない―夏の茶道具―』
 2016年6月 春季特別企画展『茶陶いっき見‼ やきもの百花繚乱 ―宗旦・宗和・遠州とその時代―』 
 2016年2月 春季展『おしゃれな名品たち―茶道具の文様・めでたいデザイン―』
 2015年11月 秋季特別展『禅僧と茶道具―大徳寺を中心に―』(後期)
 2015年10月 秋季特別展『禅僧と茶道具―大徳寺を中心に―』(前期)
 2015年6月 夏季展『小さな茶道具の豊かなデザイン―香合・羽箒・炭斗をみてみよう―』
 2015年4月 春季特別展『茶道具の創出(クリエイト)・再生(ルネサンス)・世界化(グローバル)-逸翁と吉兆庵のコレクションから-』 
 2015年3月 春季展『楽歴代と千家歴代の茶道具-利休のデザインと展開-』(後期)
 2015年2月 春季展『楽歴代と千家歴代の茶道具-利休のデザインと展開-』(前期)
2014年11月 秋季特別展『大名家の茶道具コレクション-遠州と不昧の蔵帳から-』後期
2014年9月 秋季特別展『大名家の茶道具コレクション-遠州と不昧の蔵帳から-』前期
2014年7月 夏季展「酒井抱一の短冊で一年と楽しむ -待合掛と茶会の道具たち-」(短冊の方)
2014月7月『酒井抱一の短冊で一年と楽しむ -待合掛と茶会の道具たち-』(茶会の道具)
2014年6月『海を渡ってきた茶道具-名物記・茶会記に現れた唐物・南蛮・高麗-』
2014年2月『激動期の茶の湯』(前期)
 2013年12月『湯木貞一の眼差し 茶の湯と料理の器』後期
 2013年9月『湯木貞一の眼差し 茶の湯と料理の器』前期
 2013年7月『吉兆庵湯木貞一の茶事-五月雨の茶事・朝茶-』
 2013年6月『茶の湯の漆器―利休と不昧のデザイン―』2期
 2013年4月「茶の湯の漆器―利休と不昧のデザイン―」1期
 2013年1月「江戸時代の千家のわび茶 宗旦の高弟とその子孫たち
2012年10月「関西数寄者の茶道具」(前期)
2012年5月「名物記に載せられた茶碗と名碗たち -高麗・樂・国焼を中心に-」2期
2012年3月「名物記に載せられた茶碗と名碗たち -高麗・樂・国焼を中心に-」1期
2012.2月「千家名物とその周辺-利休・少庵・宗旦の茶道具 
 2011.12月 秋季展「茶道具の琳派」
 2011.8月 夏季展「夏の祭釜と茶道具」
 2011.6月 「日本料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」三期「湯木貞一の茶道具 - コレクションから」
 2011.5月 「日本料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」二期:「数寄者との交流 - 小林逸翁・松永耳庵・松下幸之助」
2010.9月 『上方豪商の茶』
2010年5月 『釜と水指』
2010年3月 『茶の裂地』
 2009年11月 『棗と茶杓』
 2009年5月 『千家十職-茶道具と懐石の器』
2008年10月 『茶道具と器にみる四季の花』
2008年3月 『茶碗を愉しむ』
 2007年11月 『風流と美』

コメント
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