湯木美術館の夏季展「夏の祭釜と茶道具」 ※8月12日(金)まで サイト
ココは春と秋に展覧会をかけるのが通例だったので、真夏に訪れるのは11回目にして初めてのこと。
なにか妙な気分。(気のせいかもしれないけれど、入場料が100円高くなっていた?)
趣向は夏の茶会。
昭和34年(1959年)7月15日に故・湯木貞一氏が高麗橋吉兆庵で催した御霊神社の祭礼釜の道具組をほぼ再現。
夏祭りの活気と涼を求める組み合わせがいい感じ。
それと大阪とか浪速といった暑苦しさではなく、船場という京都にも似た雰囲気を醸し出す上品さがあるような?
今日庵命名のエピソードで知られる清巌和尚の一行物「風颯々水冷々」の字がなんとも大胆で変わってる。
東南アジアの小ぶりの砂張釣花入に片輪車の蒔絵香合。
この3つが床の間にある姿はなんとも涼しげ。(今回は展示ケースだけど)
(梨地の精巧な香合は作者不明だけど、原羊遊斎の可能性もあるとか。
江戸後期の、最高水準の技術がすごいなぁと思う)
井戸脇の丸みを帯びた井戸脇茶碗はしっかりカイラギもある。
替茶碗は保全策の神馬ノ絵が描かれたもの、茶杓の銘が「神わざ」。いかにも神社の祭礼っぽい。
茶杓は仙叟作。ゴマの入った竹で中央にしっかり筋が入った景色。
春慶塗の水指はいかにも最初から用途を決めて作りましたという感じ。(←見立てではない)
仁清の色絵丸文茶器ともそうだけど、そこに品が感じられる?
一入の黒楽平茶碗は黒というよりは暗い赤が不思議な感じ。
不思議といえば、古染付なのに芋頭の侘びた水指も涼しげだけど、少し変ってる。
半券のデザインにもなっている仁清作の白釉輪花水指「雪月花」も同じ。
(形がとってもユニーク)
オランダ染付の茶器も注文品かと思うほど、茶器にしか使い途が考えられないほどのいい形。
奥には釣舟花入がいっぱい。
大きいの、小さいの、舟というよりは現代のボートみたいの。
「天下三舟」があるということを初めて知った。
松本舟は泉屋博古館蔵、針屋舟は畠山記念館蔵、淡路舟は野村美術館蔵。
いずこも訪れたことがあるところだけど、1つでも鑑賞したころあるかしら????あ
本来の釣花入NO.1は本能寺の変で焼失したらしい。
釣舟花入も奥が深いなぁと感心した。
祭り釜の再現とは直接関係しないかもしれないけれど、夏の懐石道具の取り合わせもステキ
10代宗哲の片輪車の蒔絵が施された煮物椀がとても美しい。
梨地や車輪に螺鈿を使って水の光を表現している上に、蓋の内側は鶴。贅沢な作り。
仁清の水玉透の向付。
畠山で水玉透の鉢を見たことがある。模様はつかないのでシンプルだけど、実はとても高度な水玉透の技が光る
バカラ製の切子の鉢や徳利は大阪の春海商店の取り扱い。
この前、野村美術館でさんざん見たっけ。
茶室の展示スペースには風炉釜や菓子器など。
遠州好みの色紙形の風炉がステキ。(灰形が難しそう)
青磁の二段菊の菓子鉢は実際に主菓子を盛り付けた写真パネルが展示されていた。
鶴屋八幡の「水牡丹」。
葛菓子。黄色い葛が数珠のようにも盛られている様は見た目にも涼しげ。
利休の在判があるという若狭盆には御幣と笹葉の干菓子。これも祭りや夏の涼に因んでいる。
相変わらず点数は少ないけれど、「これぞ夏の取り合わせ」とイメージが容易にできる。
今回も主な展示作品の解説リストがあって、読み返すのが楽しい。
なお、次回は秋季展「茶道具の琳派」とのこと。こちらも楽しみ。
ちなみに、9月6日(火)~12月11日(日)
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★参考~過去の湯木美術館訪問記録
2011.6月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」三期「湯木貞一の茶道具 - コレクションから」
2011.5月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」二期:「数寄者との交流 - 小林逸翁・松永耳庵・松下幸之助」
2010.9月 『上方豪商の茶』
2010年5月 『釜と水指』
2010年3月 『茶の裂地』
2009年11月 『棗と茶杓』
2009年5月 『千家十職-茶道具と懐石の器』
2008年10月 『茶道具と器にみる四季の花』
2008年3月 『茶碗を愉しむ』
2007年11月 『風流と美』
ココは春と秋に展覧会をかけるのが通例だったので、真夏に訪れるのは11回目にして初めてのこと。
なにか妙な気分。(気のせいかもしれないけれど、入場料が100円高くなっていた?)
趣向は夏の茶会。
昭和34年(1959年)7月15日に故・湯木貞一氏が高麗橋吉兆庵で催した御霊神社の祭礼釜の道具組をほぼ再現。
夏祭りの活気と涼を求める組み合わせがいい感じ。
それと大阪とか浪速といった暑苦しさではなく、船場という京都にも似た雰囲気を醸し出す上品さがあるような?
今日庵命名のエピソードで知られる清巌和尚の一行物「風颯々水冷々」の字がなんとも大胆で変わってる。
東南アジアの小ぶりの砂張釣花入に片輪車の蒔絵香合。
この3つが床の間にある姿はなんとも涼しげ。(今回は展示ケースだけど)
(梨地の精巧な香合は作者不明だけど、原羊遊斎の可能性もあるとか。
江戸後期の、最高水準の技術がすごいなぁと思う)
井戸脇の丸みを帯びた井戸脇茶碗はしっかりカイラギもある。
替茶碗は保全策の神馬ノ絵が描かれたもの、茶杓の銘が「神わざ」。いかにも神社の祭礼っぽい。
茶杓は仙叟作。ゴマの入った竹で中央にしっかり筋が入った景色。
春慶塗の水指はいかにも最初から用途を決めて作りましたという感じ。(←見立てではない)
仁清の色絵丸文茶器ともそうだけど、そこに品が感じられる?
一入の黒楽平茶碗は黒というよりは暗い赤が不思議な感じ。
不思議といえば、古染付なのに芋頭の侘びた水指も涼しげだけど、少し変ってる。
半券のデザインにもなっている仁清作の白釉輪花水指「雪月花」も同じ。
(形がとってもユニーク)
オランダ染付の茶器も注文品かと思うほど、茶器にしか使い途が考えられないほどのいい形。
奥には釣舟花入がいっぱい。
大きいの、小さいの、舟というよりは現代のボートみたいの。
「天下三舟」があるということを初めて知った。
松本舟は泉屋博古館蔵、針屋舟は畠山記念館蔵、淡路舟は野村美術館蔵。
いずこも訪れたことがあるところだけど、1つでも鑑賞したころあるかしら????あ
本来の釣花入NO.1は本能寺の変で焼失したらしい。
釣舟花入も奥が深いなぁと感心した。
祭り釜の再現とは直接関係しないかもしれないけれど、夏の懐石道具の取り合わせもステキ
10代宗哲の片輪車の蒔絵が施された煮物椀がとても美しい。
梨地や車輪に螺鈿を使って水の光を表現している上に、蓋の内側は鶴。贅沢な作り。
仁清の水玉透の向付。
畠山で水玉透の鉢を見たことがある。模様はつかないのでシンプルだけど、実はとても高度な水玉透の技が光る
バカラ製の切子の鉢や徳利は大阪の春海商店の取り扱い。
この前、野村美術館でさんざん見たっけ。
茶室の展示スペースには風炉釜や菓子器など。
遠州好みの色紙形の風炉がステキ。(灰形が難しそう)
青磁の二段菊の菓子鉢は実際に主菓子を盛り付けた写真パネルが展示されていた。
鶴屋八幡の「水牡丹」。
葛菓子。黄色い葛が数珠のようにも盛られている様は見た目にも涼しげ。
利休の在判があるという若狭盆には御幣と笹葉の干菓子。これも祭りや夏の涼に因んでいる。
相変わらず点数は少ないけれど、「これぞ夏の取り合わせ」とイメージが容易にできる。
今回も主な展示作品の解説リストがあって、読み返すのが楽しい。
なお、次回は秋季展「茶道具の琳派」とのこと。こちらも楽しみ。
ちなみに、9月6日(火)~12月11日(日)
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★参考~過去の湯木美術館訪問記録
2011.6月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」三期「湯木貞一の茶道具 - コレクションから」
2011.5月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」二期:「数寄者との交流 - 小林逸翁・松永耳庵・松下幸之助」
2010.9月 『上方豪商の茶』
2010年5月 『釜と水指』
2010年3月 『茶の裂地』
2009年11月 『棗と茶杓』
2009年5月 『千家十職-茶道具と懐石の器』
2008年10月 『茶道具と器にみる四季の花』
2008年3月 『茶碗を愉しむ』
2007年11月 『風流と美』
友の会、五島美術館のと似てます。
五島ならばモトは取れるんですが、湯木美術館の方はモトがとれそうにないので、入会は考えてないです。
勉強会もおもしそうなんですけどねー。