Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

商人の茶

2010年10月13日 00時01分40秒 | 美術館・博物館etc.
「上方豪商の茶」
湯木美術館 12月12日(日)まで サイト
※前期は10月24日(日)まで 後期は10月27日(水)~12月12日(日)
 ★特別展示 10/14(木)まで、10/27(水)~11/16(火)

訪れてから紹介するまで1ヶ月もかかってしまうなんて
こんなことは初めて

つまらなかったから遅れたのではなく、よかったから「後期も行こうかなぁ
って考えているうちに時間が経ってしまった。

今まで、古い茶道具を鑑賞する際は背景に大名、千利休さんとその子孫・関係者、
あとは公家に禅寺。。。と、身分の高い方々もしくは茶の湯のプロ集団と、
ある種、パターンがあった。

利休さんも堺の商人だったし、もちろん商家の茶も鑑賞しなかったワケではない。
三井家と鴻池家、住友家など有名な豪商については知っていた。
冬木家と平瀬家もちょくちょく目にする。
だけど、知っていたのはそれくらい。
逆に言えば、それくらいしか知らなかったから、商家でこんなに茶道が盛んだとは
と、いろんな商家の「名」を見て、新たな発見に感動した。
展示は平瀬家と鴻池家が圧倒的に多いのだけど、
商家が好んだ茶道具ばかりの展示を見ていると、大名家と好みが全然違う?
商家の方が開放的な感じ。
仕服など裂地も明るい。

織部串団子文の香合なんて、いびつで面白い。

住友家に伝来した裏千家、表千家の家元による対の茶杓。
仙叟作「明歴々」はカーブが印象的、覚々斎「露堂々」は真っ直ぐさが茶筅の筒みたい。
それぞれの家の特徴を象徴しているみたい。

鴻池家伝来の猿鶴絵茶箱は豪華。中身も華やかなだなぁ

あとね、一番ビックリしたのは、自宅にあるのと同じ形状と柄の茶碗があった

これは日吉窯の加藤丈佳先生が坐忘斎が家元を継承した折に道場に納めたという茶碗。
てっきりオリジナルだと思ってたら、本歌があったなんて
宋赤絵馬上杯形茶碗って言うんだねぇ。(鴻池家伝来)
勉強になりマシタ

小間のスペースは炭道具の取り合わせ。
風炉も雲龍、釜も小雲龍。
先日の冨士見亭の茶室の取り合わせと同じダ
あ、いや違う。湯木の雲龍風炉は土風炉だった。しかも楽弘入さんの作

「そこまでビンボーだったの」と思わず呟いてしまったけど、
作りは土風炉師の西村家にも引けをとらない、いい感じの小ぶりの風炉だった。

不昧公が所持したというホロホロ鳥の羽箒もえかったなぁ

特別展示帰還は唐物茶入「紹鴎(みほつくし)茄子」が出るらしい。
観たいなぁ。。。
後期も行こうかなぁ。

湯木美術館の展示は前後期両方見たくなるラインナップが多い。
実際、リピーターするのはなかなかできないんだけど
だけど、今回ばかりは思案中。
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★参考~過去の湯木美術館訪問
 2010年5月 『釜と水指』
 2010年3月 『茶の裂地』
 2009年11月 『棗と茶杓』
 2009年5月 『千家十職-茶道具と懐石の器』
 2008年10月 『茶道具と器にみる四季の花』
 2008年3月 『茶碗を愉しむ』
 2007年11月 『風流と美』

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