Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

湯木美術館「古筆、茶陶、大師会」

2018年05月09日 07時28分28秒 | 美術館・博物館etc.
★湯木美術館 サイト
 開館30周年『湯木コレクション選 その2 古筆と茶陶/吉兆庵 大師会の茶道具』
 ※6月25日(月)まで
  前期 5月13日(日)まで
  後期 5月16日(水)~6月25日(月)

今年訪れるのは2回目。
5回訪れないと年会費のモトが取れない。
昨年まで、どうにかクリアしてきたけれど、今年はピンチだなぁ。
(そろそろ飽きてきたのかも~)

さて、今回はコレクション展の第2弾。

先ずはケース1のお茶碗。
柿の蔕茶碗。古くてシブイ。形がカッコイイ。銘は「藤波」。でも、松永耳庵が追銘「茨木」とつけた。
御伽草子に出てくる鬼の一人「茨木童子」から来ているのだそうな。確かに、赤鬼!って感じの色と肌ぐあい?
絵高麗梅鉢文茶碗。あ~、これ。 頭がチリチリ。
昨年のコレクション選1の中において、唯一出てなかった「吉兆庵七種(茶碗)」だー。

なんか、ちょっとウレシイ。

御所丸茶碗「藤井」。これも耳庵が追銘「由貴」。(湯木と引っ掛けて?)
確かに雪のような、白い茶碗。なんかね、これ見ていると古田高麗が頭に浮かんでくる。

住吉蒔絵平茶碗(山本春正作) 住吉神社へも行ってみたいんだけど。

ケース2もコレクション選から。

仁清の色絵結文香合。
結びが長くない香合を春のサントリー美術館(寛永文化の美展)で見たなぁ。
根津美術館の香合展にも出ていたっけ。

串団子文の織部香合は昭和39年の大師会にも出たものらしい。

青貝寒山拾得図香合は明時代のもの。国宝の油滴天目茶碗(大阪市東洋陶磁美術館所蔵)と同じ若狭酒井家に伝来したもの。

ケース3は重文の祥瑞蜜柑水指(明時代 17世紀)
これぞ祥瑞の蜜柑!という感じの、立派な水指。

これは長板一つ置に使いたい。
(ウチの先生は「長板一つ置は青磁の雲龍水指しかダメなの!」って言ってたけど、そんなの好みでしょ!としょう内心思ったっけ)
腹の山水図が中国~という感じ。

ケース4は昭和41年4月21日の大師会(会場は三渓園)に湯木貞一が釜を懸けた時の道具組から。
蕎麦茶碗「夏月」の正面の筍のような模様がいい感じ。16世紀の朝鮮王朝の時代のものだって。

ケース5は昭和39年4月21日の大師会の懸釜の道具組。
会場は三渓園の臨春閣だって。

あぁ、あそこかぁ。
三渓園の中でも中央にある、お茶会なら一番人が並ぶメインの会場だ。
(紀州徳川家の建物だったかな?)

確かに、あそこなら仁清の色絵柳橋図水指は似合いそう。
青井戸茶碗「春日野」とか飛青磁の夜学蓋置とか、春らしい道具組。

茶釜はケース8に。芦屋松竹地紋真形釜。(室町時代 15世紀)
炉釜。なるほど~


ケース6は掛物。
重文の高野切が目玉。伝紀貫之筆。でも、藤原行成の子、行経の筆とする説が有力らしい。

阿倍仲麻呂の「あまのはらふりさけみればかすがなるみかさのやまにいでしつきかも」なんだけど。
字が薄くて細くて、読めない~

どんなに名筆でも、これは「見えない」レベル。 私には猫に小判だわ。

ケース7は懐石道具の名品。

物は何度も観ているから、ちゃんと覚えようとすると器にからむエピソードを把握するしかない。

面白いところでは祥瑞本捻鉢。たしか、野村美術館もあったはず。

これじゃないけど、不昧公は捻鉢に白瓜を入れたそうな。

御本刷毛目鉢には里芋を盛ったそうな。

縁が緑なのが印象に残った五彩龍文四方鉢は1950年(昭和25年)4月18日に小林一三を招いた茶事に進鉢で出されたもの。
赤貝きゅうり、わかめのマチカラ和え(唐辛子入り甘酢に漬けたもの)を盛ったそうだ。

そういう風に料理を持った姿を想像すると記憶に残る。

茶室(ケース9)は茶道具組じゃなかった。
鈴木其一筆の四季草花図屏風の前に惺入(せいにゅう)作の将棋駒。将棋盤は一閑作。

確かに陶器の将棋駒って感じはする。重そう。
惺入さんだから明治時代だよね。大阪の商人とか近代数寄者たちの遊びに使ったのかなぁ。

という感じ。

あ、時間を気にしたせいか、入口のパネル展示をじっくり見なかった。

後期はなー。6月。ウーム。わざわざ、交通費使ってくるのは苦しいなぁ。


★湯木美術館バックナンバリスト
 2018年1月 早春展『千家に受け継がれる美の形』
 2017年9月 開館30周年記念『古筆と茶陶 名品をすべてご覧いただきます=その1= 湯木コレクション選-吉兆庵光悦会の茶道具-』
 2017年5月 春季展『ひと目でわかる京焼300年の歴史 江戸時代のやきもの―仁清・乾山窯と後期京焼の食器を中心に―』
 2017年2月 早春展『わび茶のすがた 江戸時代後期の千家と大名の茶道具』
 2016年11月 秋季展『茶道具と和歌 -ものがたりをまとった道具たち-』(後期)
 2016年10月 秋季展『茶道具と和歌 -ものがたりをまとった道具たち-』(中期)
 2016年7月 夏季展『茶人のたしなみ 茶事へのいざない―夏の茶道具―』
 2016年6月 春季特別企画展『茶陶いっき見‼ やきもの百花繚乱 ―宗旦・宗和・遠州とその時代―』 
 2016年2月 春季展『おしゃれな名品たち―茶道具の文様・めでたいデザイン―』
 2015年11月 秋季特別展『禅僧と茶道具―大徳寺を中心に―』(後期)
 2015年10月 秋季特別展『禅僧と茶道具―大徳寺を中心に―』(前期)
 2015年6月 夏季展『小さな茶道具の豊かなデザイン―香合・羽箒・炭斗をみてみよう―』
 2015年4月 春季特別展『茶道具の創出(クリエイト)・再生(ルネサンス)・世界化(グローバル)-逸翁と吉兆庵のコレクションから-』 
 2015年3月 春季展『楽歴代と千家歴代の茶道具-利休のデザインと展開-』(後期)
 2015年2月 春季展『楽歴代と千家歴代の茶道具-利休のデザインと展開-』(前期)
2014年11月 秋季特別展『大名家の茶道具コレクション-遠州と不昧の蔵帳から-』後期
2014年9月 秋季特別展『大名家の茶道具コレクション-遠州と不昧の蔵帳から-』前期
2014年7月 夏季展「酒井抱一の短冊で一年と楽しむ -待合掛と茶会の道具たち-」(短冊の方)
2014月7月『酒井抱一の短冊で一年と楽しむ -待合掛と茶会の道具たち-』(茶会の道具)
2014年6月『海を渡ってきた茶道具-名物記・茶会記に現れた唐物・南蛮・高麗-』
2014年2月『激動期の茶の湯』(前期)
 2013年12月『湯木貞一の眼差し 茶の湯と料理の器』後期
 2013年9月『湯木貞一の眼差し 茶の湯と料理の器』前期
 2013年7月『吉兆庵湯木貞一の茶事-五月雨の茶事・朝茶-』
 2013年6月『茶の湯の漆器―利休と不昧のデザイン―』2期
 2013年4月「茶の湯の漆器―利休と不昧のデザイン―」1期
 2013年1月「江戸時代の千家のわび茶 宗旦の高弟とその子孫たち
2012年10月「関西数寄者の茶道具」(前期)
2012年5月「名物記に載せられた茶碗と名碗たち -高麗・樂・国焼を中心に-」2期
2012年3月「名物記に載せられた茶碗と名碗たち -高麗・樂・国焼を中心に-」1期
2012.2月「千家名物とその周辺-利休・少庵・宗旦の茶道具 
 2011.12月 秋季展「茶道具の琳派」
 2011.8月 夏季展「夏の祭釜と茶道具」
 2011.6月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」三期「湯木貞一の茶道具 - コレクションから」
 2011.5月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」二期:「数寄者との交流 - 小林逸翁・松永耳庵・松下幸之助」
2010.9月 『上方豪商の茶』
2010年5月 『釜と水指』
2010年3月 『茶の裂地』
 2009年11月 『棗と茶杓』
 2009年5月 『千家十職-茶道具と懐石の器』
2008年10月 『茶道具と器にみる四季の花』
2008年3月 『茶碗を愉しむ』
 2007年11月 『風流と美』

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