Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

禅僧と茶道具

2015年10月11日 06時57分38秒 | 美術館・博物館etc.
★湯木美術館 サイト
 秋季特別展『禅僧と茶道具―大徳寺を中心に―』
 ※9月1日(火)~12月20日(日)
  前期:10月25日(日)まで
  後期:10月28日(水)~12月20日(日)

今年5度目の訪問。(年間パスのモトはとった

タイトルからしてオカタイ印象を持って、館内に入ったのだが、
内容はいつも拝見する吉兆さんらしいラインナップ。

館を後にする際、「あ、禅寺や禅僧がテーマだっけ」と思うほど。
言われてみれば大徳寺ゆかりの品が多かったなぁ、、と。

それだけ大徳寺ゆかりのものが自分の中では身近であり、思い出深いということなのだろう。

ケース1
 井戸香炉「三国一」は地味~。 江月宗玩所持、鴻池家伝来。 ←初見のような気がする。地味な印象ゆえ、記憶に残らなかった?
 丹波耳付茶入「生野」 相変わらずカワイイ。滴翠でみた高取と似た印象。 遠州所持。雲州蔵帳所載
 茶杓「柏樹子」。 遠州作。蟻腰でカッコイイ。

ケース2
 茶飯釜。圧巻 釜肌の「飢来飯 渇来茶」がいかにも禅問答。
 黄瀬戸建水「利休大脇指」(千家名物) 確かに黄瀬戸。でも小ぶりの水指のように見える。(建水として使うには重そう)
 砂張合子建水。明代のもの。いかにも禅寺にありそう。

ケース3
 四方釜。回転台に載ってる。辻与次郎作。四角の形もさることながら、くねっとした裂け目を3か所にわたって鎹で補修しているのがスゴイ。
 石州好の土風炉。西村宗四郎作。西村善五郎の弟だそうで奈良の土風炉師。五徳の爪が上から二重に打ち付けてある。これも補修か?
 (遠山の灰形。灰の種類が見慣れない。以前もよそでこういう欠片の灰を見たことあり。流派の特徴なの?)

ケース4
 野々宮釜。 西村道仁作。 織部、三斎が所持し、高桐院伝来。 肩の曲線が優美。
 乙御前釜。 遠州所持、孤篷庵・赤星家伝来。 口廻りが僅かに立ち上がっているという珍しい形の乙御前釜。環付が葉っぱ。
 (これを見た2日後に孤篷庵を見学したので、今思うとより印象的な茶釜)

ケース5
 宗旦作の竹一重切花入「白雪」 太い。そしてひび割れがねぇ。
 南蛮芋頭水指(森川如春庵所持) 形が現代的ないい形。
 利休茶杓「ヤハラ道怡(どうい)」。 雲州蔵帳所載 蟻腰

ケース6
  清巌宗渭の横物「茶道入」がよかった。
  鉄ヤツレ風炉 徳禅寺文字入り 肩衝筒釜 大西定林作 織部焼敷瓦
   (灰形が丸灰で赤い前瓦)

ケース7
 赤楽茶碗「再来」 長次郎作。
 御所丸茶碗「由貴」  古田高麗のことを今思う。
 柿の蔕茶碗「藤波」 追名「茨木」 朝鮮茶碗の中で最も伝世の数が少ない柿の蔕茶碗だけど、美術館ではちょくちょく見かける。
 菊蒔絵大棗 原羊遊斎作。 不昧公が30個だか31個作らせたアレ。あちこちの美術館で見るけど、どれも存在感がある。

ケース8
 瓢花入 片桐石州作 細長い。

ケース9(茶室)
 わりと最近のもの

 風炉が唐銅撫肩(5代弥五郎作) 小さいのにきれいに二文字の灰形が切ってあった。

 風炉は3点出ていたけれど、いずれも違う灰形で趣きがある。
 いつも感心するのだけど、湯木美術館のこういうところが好き。

今回は珍しく同行者を伴っての見学。
一緒に見ていると会話してしまいそうなので、少し距離をとって見学した。

でも、着眼点には相通じるものがあった。

やはり、10年来、隣り合わせて灰形の稽古に励んできた仲だけあって、
お互いに釜と風炉には注目してしまうところが面白いなぁ。


★おまけ
湯木美術館を訪れる前にランチ。


Restaurant RIVE GAUCHE(レストラン リヴ・ゴーシュ) ぐるなび 食べログ

★湯木美術館バックナンバリスト
 2015年6月 夏季展『小さな茶道具の豊かなデザイン―香合・羽箒・炭斗をみてみよう―』
 2015年4月 春季特別展『茶道具の創出(クリエイト)・再生(ルネサンス)・世界化(グローバル)-逸翁と吉兆庵のコレクションから-』 
 2015年3月 春季展『楽歴代と千家歴代の茶道具-利休のデザインと展開-』(後期)
 2015年2月 春季展『楽歴代と千家歴代の茶道具-利休のデザインと展開-』(前期)
2014年11月 秋季特別展『大名家の茶道具コレクション-遠州と不昧の蔵帳から-』後期
2014年9月 秋季特別展『大名家の茶道具コレクション-遠州と不昧の蔵帳から-』前期
2014年7月 夏季展「酒井抱一の短冊で一年と楽しむ -待合掛と茶会の道具たち-」(短冊の方)
2014月7月『酒井抱一の短冊で一年と楽しむ -待合掛と茶会の道具たち-』(茶会の道具)
2014年6月『海を渡ってきた茶道具-名物記・茶会記に現れた唐物・南蛮・高麗-』
2014年2月『激動期の茶の湯』(前期)
 2013年12月『湯木貞一の眼差し 茶の湯と料理の器』後期
 2013年9月『湯木貞一の眼差し 茶の湯と料理の器』前期
 2013年7月『吉兆庵湯木貞一の茶事-五月雨の茶事・朝茶-』
 2013年6月『茶の湯の漆器―利休と不昧のデザイン―』2期
 2013年4月「茶の湯の漆器―利休と不昧のデザイン―」1期
 2013年1月「江戸時代の千家のわび茶 宗旦の高弟とその子孫たち
2012年10月「関西数寄者の茶道具」(前期)
2012年5月「名物記に載せられた茶碗と名碗たち -高麗・樂・国焼を中心に-」2期
2012年3月「名物記に載せられた茶碗と名碗たち -高麗・樂・国焼を中心に-」1期
2012.2月「千家名物とその周辺-利休・少庵・宗旦の茶道具 
 2011.12月 秋季展「茶道具の琳派」
 2011.8月 夏季展「夏の祭釜と茶道具」
 2011.6月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」三期「湯木貞一の茶道具 - コレクションから」
 2011.5月 「日本<茶>料理の開拓者 吉兆庵湯木貞一生誕110周年記念展」二期:「数寄者との交流 - 小林逸翁・松永耳庵・松下幸之助」
2010.9月 『上方豪商の茶』
2010年5月 『釜と水指』
2010年3月 『茶の裂地』
 2009年11月 『棗と茶杓』
 2009年5月 『千家十職-茶道具と懐石の器』
2008年10月 『茶道具と器にみる四季の花』
2008年3月 『茶碗を愉しむ』
 2007年11月 『風流と美』

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2 コメント

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Unknown (ちゃちゃ)
2015-10-11 09:55:10
渇来茶
返信する
Re:Unknown (akatsukian)
2015-10-11 09:57:01
茶々さん

ありがとうございます。
すぐ直します。
返信する

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