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【会津野】まちづくりを工学ですすめてはいけない

2016年09月11日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

昨年から「観光地域づくり人材育成講座」に参加し、勉強をさせて頂いています。

観光と言うと、「観光→観光地づくり」と連想をしてしまう方が大多数であることが実状です。私も講座を受ける前までは、そう思っておりました。しかし講座では、「マスツーリズム」(より大量に、より安価に、よりコストをかけず)の旅行形態が時代とともに崩壊したことを振り出しに、観光のために地域づくり(まちづくり)をしても、結局はマスな経済活動に向かうので失敗すると教えられました。結論としては、まちづくりに観光を利用するという形で、地域づくり(まちづくり)を行う方向が良いとのことでした。

「まちづくり」と言うと、そのまちが必要とする機能的な側面を洗い出し、人々の動線を考えつつ、さまざまなインフラや住宅地、商業地を配置することを、私はまず想像しました。あとでわかったのですが、こういうことは「まちづくり」よりは「都市計画」という方が適切な言い方で、都市計画は「工学的」な手法を用いながら、最小面積で最大効果を生む、言うなれば都市効率の最大化を求める傾向があることがわかりました。

しかし、都市計画が進んだところでは、都市効率を求めたからか、そこに住む人々の逃げ場(やすらぎの場所)が削られ、魅力のないまちへと変遷し、結果として人々が離れていく現象も起きています。

観光と同じように、まちづくりも「マス」や「効率」を求めると、結局は失敗するということに私たちは直面しています。

そこで、「まちづくりの哲学」((著)蓑原敬、宮台真司、(企画・編集)代官山ステキなまちづくり協議会)を、読んでいます。

近頃、私がかなり影響を強く受けている宮台先生によると、「盛り場」、「芝居街」、「色街」と言った都市計画では語られない機能こそが、住む人々にとっての非日常の逃げ場を提供し、大きな魅力だと言います。「祭り」についても、ハレとケを一時的に入れ替えて非日常を演出するものだけれど、私が思うには、近頃の祭りは経済的な側面が強く、祭りと言う名の販売促進デーとなっているだけのように感じています。

観光については、科学的なアプローチで地域資源を商品化する方法(DMO)が進められており、金融で言う金融工学のようなコンピュータによる利益最大化を求めるような方向へと向かっています。

まちづくりは、都市工学で失敗。次なるまちづくりの手法は、「哲学」なのか?

インバウンドでは、よく「夜のまちづくり」を求めることが、学者さんから聞かされます。

芝居街、色街が変な方向へ行きスラム化しないように注意をしながら、「夜のまちづくり哲学」を模索することが必要なのかななどと、本を読みながら考えております。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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