音信

小池純代の手帖から

日毎の音 友 210109

2021-01-09 | 日記

  友


 木に立ちて友呼ぶ鳩もその鳩を聞く西行もすごき夕暮れ


 数少なき友のひとりの思はるれ石あたためて手に載せるとき


 知己といふ語を知りてより友といふ語をとほざけて友をうしなふ


 すずやかな流儀がときに現れてすみやかに去るごとくに知友


 歌一首はたりと影を落とすかな五体投地のともがらならむ




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