可愛そうなイリーネ
自分がまず、落ち着き、集中しなきゃ 日本のジャーナリズムの現状を嗤う 3訂版 日本のジャーナリズムは冬の時代。フリーズしてます。......
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Toys and Reasons『おもちゃ と 賢慮』 P.92,第3パラグラフ,3行目途中から。
ハイハイをして,しまいには立てるようになる能力は,自分を当てにする気持ちを伸ばすのに役立ちますから,自由にできるいろんな境界線を試す遊びを遊ぶようになります。もしも,最初の舞台,つまり,赤ちゃんには,「希望」を第一原理として宛がうとしたら,「心から歓んで生きる意志」が,第二の舞台,つまり,幼い子どもの頃に基盤がある根源的な強さだと,と見ると腑に落ちます。
エリクソンが,幼い子どもの時期に培われるべき品性は,「歓んで生きる意志」だといいます。でも,わがニッポンでは,その「歓んで生きる意志」があまり育たないみたい。
マザーテレサが最後に来日したのが,1984年だそうですが,その時,インドとは異なり,ニッポンでは,道に飢え死にする人が転がる姿は見えないし,一見「平穏」「無事」に見えたそうです。しかし,日本と日本人に「ハート・ポーヴァティ」「心の飢え」がある,とマザーテレサは言いました。それは,日本には,作り笑い,愛想笑いの人はいても,微笑んでいる人があまりいなかった,ということから直感したみたい。
それは,1歳すぎの赤ちゃんが,心豊かな時間をお母さんと楽しんで,自由にできるいろんな境界線を遊ぶ遊びが,あまりできなかったからです。1歳過ぎたら,赤ちゃんは,だいたい保育所に預けられ,延長保育が使われて,それでも足りないから,おばあちゃんに頼まれたりしますし,保育所から帰ってきても,お母さんは,やれ,夕餉の支度やら,洗濯物の片づけやら,あれやこれやで,お母さんは,” お忙しい ” ですから,あかちゃんは,寝かしつけられ(「早く寝てくれないかしらね…」)ホッタラカシが普通です。日本ではごく日常的な風景ですから,これが「病んで脆い不毛な社会」ニッポンの現実だ,と認識するには,日常生活の忙しさには鈍らされない鋭い感性と,自由な時間が必要です。