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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

国家プロジェクトでの、デマカセと、パレーシア

2014-01-18 06:45:55 | フーコーのパレーシア

 

 パレーシアな関わりが罠になることもあるのですね。

 

 

 

 

 

 今日は『イオン』です。これはパレーシアな戯曲です。

 この戯曲の神話的枠組みは、アテネを基礎づける伝説を含んでいます。アテネの神話によれば、エレクテウスはアテネ生まれの最初の王様で、大地の子であると同時に、死して大地に戻ったのです。エレクテウスは、アテネ人が自慢にしていること、つまり、このように、アテネ人の土着性を体現しています。アテネ人は文字通りアテネの土から生まれます。紀元前418年、この戯曲が書かれた頃、このように神話を参照することが政治的な意味がありました。エウリピデスが聴衆に思い出してもらいたいことは、アテネ人は、アテネの土から生まれているということでした。しかし、クスートス(エレクテウスの娘のクレウサの夫で、ビュティアーの出なので、アテネ人にとっては外国人だった)を通して、エウリピデスがまた聴衆に示したいと願っていることは、アテネ人は、結婚を通じて、ペロポネソス半島出身者、特にアカイア人と関わり合うことでした。アカイアの名は、クスートスとクレウサの息子の一人、アカイオスに由来します。なぜなら、エウリピデスがアテネ人の家系には汎ヘレニズムの性質があると説明するによって、イオンを、アポロとクレウサ(古代アテネの王様エレセウスの娘です)の息子にします。クレウサは後ほど、クスートス(エビア人との戦争[紀元58-62]で、アテネ人の同盟者でした)と結婚しました。二人の息子はこの二人から生まれています。ドーロスとアカイオスです。イオンはイオニア人の祖と言われましたが、ドーロスはドリア人の祖と言われますし、アカイオスはアカイア人の祖と言われます。このように、古代ギリシアの部族の祖達は、アテネの王族出身として描かれます。

 

 

 

 

 日本では、パレーシアの人のほうが罠に陥りやすく、損ですね。

 今朝の新聞でも、国家的プロジェクトである、アルツハイマー病研究で、データの改ざんというウソがあると告発した人が、大損をしたことが報じられています。

 益々、パレーシアとパレーシアステスが求められる社会ですね。今の日本は。

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創造的な人には、選択の自由がゼロ : 全く新しい視点

2014-01-18 05:21:37 | エリクソンの発達臨床心理

 

 ダーウィンがビーグル号に乗ったのは、まったくの偶然のようですね。医学の道に失敗しなかったら、ビーグル号には乗らなかったでしょうし、病気のために今少しで乗り損なっていたのですからね。でも、ビーグル号に乗ったおかげで、「自然淘汰の法則」というアイデアを、ダーウィンはもらったのでした。偶然のような必然です。

 今日は、フロイトの偶然のような必然です。

 

 

 

フロイトはすでに30歳になっていた時に、単に環境によってそうせざるを得ないように駆り立てられていたみたいですが、神経学を生業とするようになり、自分の研究所で精神科診療をするようになったのです。彼は遅まきながら、医学の学位を得て、17歳で医者になる決心を取りやめて、医学研究者になる決心をしたのでした。彼の支払い猶予期間は、そのおかげで順序立てて学校教育を受けることができましたが、フロイトの特別な賜物と革命的な創造性を発揮するのを遅らせもしたのですが、(当時は、物理主義的な)生理学をやっていました。フロイトが自分の途方もない一生の仕事に、とうとう船出したとき、神経症の苦痛によって、さらに遅れるところでした。だがしかし、創造的な人には、選択の自由など全くありません。フロイトは自分の最高の仕事に出くわしたのは、ほとんど偶然なのかもしれませんね。いったんその仕事に取り組むや、自分の仕事とすることが、同時に、自分の一番根深い葛藤、卓越した物事を識別する感覚、頑固なほどの一途な思いと、深いところでつながっていることがわかりました。フロイトは、病気や失敗や狂気を自ら招いたのは、まさに、既存の世界が自分を押し潰すのか、それとも、既存の時代遅れの基盤をぶち壊して、新しい基盤を作り出す余地をこしらえるのか、そのどちらを選ぶのか、吟味するためだったのです。

 

 

 

 

 

 その結果は明瞭です。いままでの「常識」をフロイトは覆して、新しい世界観の基礎、人には「無意識」という、通常意識でコントロールできない部分が猛烈にありますよ、という、まったく新しい視点を、もたらしてくれたのです。 

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