忙中閑話

四季の移ろい、花鳥風月を楽しみつつ
趣味はミニチュア木工、電子工作、旅行など

国宝三重塔巡り(9) 向上寺(尾道)

2013-03-19 | 旅行
 かつて会社勤めの折に単身赴任を2度経験しており、この向上寺も単身赴任がなければ行くことはなかったところの一つである。

 所在地の行政区域は今は尾道市となるが例の「平成の大合併」で合併するまでは瀬戸田町というところであった。本四架橋の一つである「しまなみ海道」の尾道側から三つ目の島、生口島にある。

尾道市街から向島、因島と渡り継いで30km余り、単身赴任先の福山からは約50km足らずである。休日のドライブには程よい距離であり、天気のいい日には瀬戸内の島々を眺めながらのドライブを幾度となく楽しんだ。

 向上寺は島の北側の瀬戸田町瀬戸田というところにあり、日本画の大家である平山郁夫画伯の出身地ということで同地に平山郁夫美術館がある。この平山美術館に行くのがまた楽しみの一つであった。

美味しいレモンの産地でもあり、シーズンには必ず買って帰ったし、また平山美術館を南に回ったところにある耕三寺入口付近のパーラーで売っていた塩アイスでこポンアイスというのも旨かった。(注:ドルチェ耕三寺前店)

そして平山美術館から西にある瀬戸田港まで瀬戸田商店街が並ぶ。いまや日本各地の商店街は郊外のショッピングモールに押されてシャッター通りとなっているところが多いが、この商店街はレトロの感じを残したまま存続しており瀬戸田に行くたびに往復した。

瀬戸田港は三原市から高速船が出ており、車でなければ本土からはこちらの方が便利である。耕三寺は西の日光東照宮とも呼ばれていて、日光陽明門を真似た絢爛豪華な山門もあって観光客も多い。フェリーで渡る観光客にとってこの商店街は参道に当たるのでシャッター通りにならずに済んでいるのだろう。しかし参道にはなっているが他の観光地にある土産物屋街ではなく自転車やコロッケ屋などもある。その後、高速道の1000円均一割引のため廃止になったフェリーも多い。幸い、さきほど調べてみたらまだ存続しているようである。


そういうわけで何度か瀬戸田に通ううちにすぐ近くの山上に塔が見え、行ってみようとなったのがこの向上寺の三重塔である。

瀬戸内の島々に映える朱色が鮮やかな美しい塔である。平山画伯もスケッチに訪れており、スケッチポイントの銘板があった。

平山画伯スケッチポイントから




対岸の高根島から(瀬戸田港と向上寺)


本堂の老朽化再建のための寄付を募っていたが、現在再建中ということである。