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忙中閑話

四季の移ろい、花鳥風月を楽しみつつ
趣味はミニチュア木工、電子工作、旅行など

五重塔、三重塔、多宝塔巡り  (3)醍醐寺 五重塔

2012-12-16 | 旅行
 国宝の五重塔のなかで3番目に古いのが醍醐寺の五重塔。

 

 高さ38.2m、建立は951年。
国宝、国の重要文化財に指定された五重塔24基のなかでも4番目の高さを持つ
堂々とした風格だが周りを樹木で囲まれているので近くまで行かないと見えない。

塔としてはすばらしいのだが、遠方からもランドマーク的な姿を見せる東寺や
八坂の塔、備中国分寺の五重塔に比べるとやや物足りない感じがする。
ただ塔全体を一枚の画像でカメラに収めるにはこれくらいの高さがちょうど良い。
周囲にかなりの広さの空地もあって少し離れれば一枚に収まる。


ところで醍醐寺といえば「醍醐の桜」。太閤秀吉が亡くなる半年前に1300人もの
大人数で大花見会を開いたという。そのために多数の茶屋を建て、開花時期を
合わせた桜を多数近隣から集め移植したらしい。

数年前の4月の初めに長男が名古屋で挙式し、その帰りに桜を見ようと訪れた。
しかし残念なことに、式の前日に回った名古屋城は満開の桜だったのに僅か2日
遅れで醍醐寺の方は散り始めの状態であった。
 名古屋城と桜 
 

 醍醐寺の桜
 


ここの三宝院に立派な庭園があるが撮影禁止が徹底しており、室内はもちろん
庭園も厳しく撮影禁止。何でもない通路の廊下で家人を撮ろうとしたらそれも
ダメという。庭園の片隅に桜が満開であったが仕方がないので退出したあと、
塀の外から上に出ている部分を撮影した。
撮影禁止の庭園は他に1件あった記憶があるだけで殆どない。なぜか狭量な
印象が今も強く残っている。
 庭の桜
 


なお、車で行ったのだが近場の駐車場はシーズン中どこも混雑しまた異常に高い
というのが身に染みている。周辺地域を回ってリーゾブルな駐車場を探すうちに
寺の北側に閑静な住宅街があり、そこの道路の路側帯に車1台を停めるだけのスペ
ースがあった。電柱が路側帯に立っていて車は通れず通行の邪魔にはならないし、
車の往来もない。駐車禁止でもなさそうなのでここに停めさせてもらうことにした。

そこで車を置き道路反対側を見るとなにやら説明板が立っている。建物は周辺地域の
集会所のような平凡な建物であるが、これが赤間薬師堂という。
説明版に、赤間関(下関)で祀られていた木像薬師如来を源平の乱を避け、この地に
祀るとある。
山口からたまたま来て、そこで山口に縁(ゆかり)のある仏像に出会えるとは。
この奇遇に驚く。


五重塔、三重塔、多宝塔巡り  (2)室生寺 五重塔

2012-12-15 | 旅行
 室生寺は奈良の外れ、三重県との県境に近い山中にある。(奈良県宇陀郡室生村)
信州からの帰路、伊勢神宮に立ち寄ったあと伊勢から奈良へ抜ける途中にあった。
この塔は建立が8世紀初めということで法隆寺に次いで2番目に古い。

 

 



 まずは伊勢からの順路。
伊勢からは紀勢自動車道の勢和多気ICで一般道に降りると国道368号を
西走。途中の敷津という交差点で左折し国道369号へと進む。
国道368号、369号はともに伊勢本街道と呼ばれる旧街道で、昔は
お勢参りで多くの人が往来していたのだろう。

さらに栂坂(つがさか)峠を越えてしばらくして県道26へと分岐する。
現在は栂坂バイパスが開通して峠の下をトンネルで抜けるようになっており
トンネルを抜けたあと出口直近で右折して旧道を戻ることになるらしい。
因みにバイパスの開通は2006年8月で、行ったのは開通直前5月のGW。
殆ど完成したはずで看板もあったような気もするが殆ど記憶がない。

県道26号は途中に道路巾が非常に狭い区間があり、杉木立の中で車が離合
できないほど狭い道を曲がりくねって通った。幸いにして離合車はなかった。
この辺りの話になると助手席の家人は寝入っていて全く覚えていない由。
幸いなるかな・・である。(起きていたらクマが出そうなどと言って怖がる)


 ともあれ室生寺に到着。

訪れたのはシャクヤク満開の時期。境内いたるところにシャクヤクが
咲き乱れていた。冒頭の写真でわかるように塔の前の登りの石段の両脇
もシャクヤクの植え込み。
まさに女高野山と呼ばれる室生寺にふさわしい雰囲気であった。
閉園間際の午後5時ごろだったので観光客が殆ど帰っており、おかげで
ゆっくりと回ることができた。

この五重塔は高さが16mと小振りの塔。法隆寺の塔のほぼ半分、最大
である東寺の塔に比べると約1/3ほどしかないがその小ささを全く感じ
させない。塔全体のバランスと木立の中という立地がそうさせるのだろう。

茶系の朱色と軒下の白い水平のラインが高貴な印象を与える美しい塔
である。

1998年に台風による強風で背後の杉木が倒れ掛かり大きく損傷する
害に遭ったが見事に修復されていた。


五重塔、三重塔、多宝塔巡り  (1)法隆寺 五重塔

2012-12-14 | 旅行
 別に五重塔や三重塔、多宝塔を見て回るのが趣味ではないが、古刹、名刹
の仏像や建物、庭園を拝観して回るうちに、多くの寺院に残っている、いわゆる
多重塔も数多く見てきていた。

 先月、山口・瑠璃光寺の紅葉についてブログにアップした際、調べてみたら
国宝の五重塔は11基のうち9基と殆どを見て回っていた。そこで国宝以外の
ものはどうか、三重塔や他の塔についてはどうかと、アルバムを開いて調べて
みると次のような数字になった。

 五重塔 国宝 9基 (全11基 残り 2基)
      重文 6基 (全13基  〃 7基)
 三重塔 国宝10基 (全13基  〃 3基)
      重文10基 (全43基  〃33基)
 多宝塔 国宝 2基 (全 5基  〃 5基)
      重文 1基 (全38基  〃37基)

なんと国宝については五重塔、三重塔も殆ど拝観していた。重要文化財の五重塔
も大半は見ている。

三重塔、多宝塔の見落としが多いのは、これらが奈良・京都から離れたところに
位置することが大きい。財が集まりにくかった地方では大きな塔が建てられず
どうしても三重塔や多宝塔へと規模を縮小せざるを得なかったのだろうと思わ
れる。


これらの塔は、京都・東寺や岡山総社市の備中国分寺の五重塔のように遠くから
でも見えるほど威容を放つものから、林の中にひっそりと建つ小ぶりな塔まで
さまざまである。
もともとこれらの塔は釈迦の遺骨を分骨して収めるための舎利塔だというが、
お寺に参拝できない人が遠くからでも拝めるように高くなったとも言われている。


何はともあれ塔は美しい。古代の木造建築の技術力の高さ。


多重塔にはこれら国宝、国の重要文化財以外に県、市町村指定のものもある。
少しながら思い出を含めて紹介したい。



まずは法隆寺五重塔(国宝)


地名の斑鳩、時代の天平、飛鳥、そして聖徳太子ゆかりの寺ということで
古(いにしえ)のロマンを感じさせる。

たそがれ時にここに行くとまず浮かぶのが
  「柿食へば 鐘がなるなり 法隆寺」(正岡子規)
寺の外、北東の方角から茜色の空に塔を見ると、鳴っていないのに鐘の
音が聞こえる気がした。

隣接する中宮寺の弥勒菩薩半跏思惟像は何度見てもいい。


 法隆寺に初めて訪れたのは半世紀も前の中学の修学旅行。だが殆ど覚えていない。
二回目はそれから20数年後になる。原料の納入先である工場の査察のため
出張したら、工場の場所が何と奈良・斑鳩。仕事を早々に切り上げて法隆寺へ。

三回目以降は家内を同伴。家内と何度か行ったうち、5年ほど前法隆寺に
すぐに行けるようにと近くに宿を取ったところこれが今までで最低の宿。
パイプベッドに抜けそうな床。風呂場のタイルは剥がれ、洗面台の排水は
ビニールホースで補修。おまけに脱衣場もない。これがなんとまだ潰れずに営業
している。
楽天トラベルの口コミでもぼろ糞に書かれているがそれでも泊まる人がいる様だ。
未だに宿探しの際にたびたび我々夫婦の話題になる。並みの宿ならすぐに忘れるが
そういう意味ではおかげで強烈な思い出を残してくれた。

このホテル、駐車場100台とあり相当大きなホテルをイメージしていた。
ホテルの前の駐車場はそれほど広くない。では裏にあるのでは・・・と、
動きが悪いガラス窓を開けてみると道路を隔てた向こうは大きなスレートの建屋
のみ。駐車場はない。

ところでここまで書いたのは理由がある。今回この稿を書くに当たって昔出張で
行った会社の所在地を確認していたら、なんとその工場のすぐ北隣にこのホテル。
なんと窓を開けて見えたスレートの建屋はこの工場だった。なんという奇遇か。


なにはともあれ斑鳩はいい。法隆寺の北方に徒歩で15分のところに法輪寺、
法起寺がありそれぞれ三重塔がある。法起寺は最古の三重塔で国宝。法輪寺も
昭和19年落雷で焼失するまでは最古の三重塔だった由。昭和50年に再建
されていて古(いにしえ)の佇まいを醸している。

法隆寺から法輪寺までの小道をゆっくり歩いてゆくと途中の民家に珍しい苗字が
ニ、三見受けられる。正確なところは失念したが、鉋さんだったか釘さんだったか
一文字の苗字だった記憶がある。昔宮大工だったのだろうかと思いを馳せながら
斑鳩の道を散策したのを思い出した。



西日が差してやや茜色に輝く。




バスガイドの新人研修。ガイドの練習、歓声やらでずっと賑やかだった。


紅葉の京都 散策の残照

2012-11-30 | 旅行
 我が家の庭のモミジは北側の一枝だけが僅かに赤い葉を残して他は全て
葉を落としてしまった。

 今年の春、京都泉涌寺と石清水八幡のモミジの根元で見つけて”採取”
した幼木は無事に20~30cmほどまでに成長して今盛りの紅葉となって
いる。いずれ落葉するだろうが、こげ茶に近い深紅で小さいながらも眼を楽し
ませてくれている。

先週訪れた京都の紅葉。このところTVや雑誌の特集が目に付く。
一昨日もTVで源光院の「迷いの窓」、「悟りの窓」や嵐山の中継を放映して
いた。先週の旅の記憶が蘇る。

入場券や案内パンフレットを見るとこれがまた実にいい。

 曼殊院入場券
 

 宝巌院入場券
 

 永観堂入場券
 

 永観堂パンフ
 見返り菩薩像
 



 天龍寺

 入場券
 

 天龍寺 雲龍図(加山又造画伯)~パンフ
 

 達磨図~記念はがき
 



 ニ尊院~パンフ
 

 祇王寺~入場券
  



 光悦寺~入場券
 

 源光庵~パンフ
 

 

 常照寺~入場券
 



 フェルメール展 @神戸)
       ※正式には「マウリッツハイス美術館展」

  数年前に「真珠の耳飾の少女」を題材にした映画を見た。
  当時のヨーロッパの農民が貧しく質素に暮らしていた様子が描かれていて興味
  深かった。

 入場券 
 (¥1500、ここに限らず公立の美術館、博物館の入場料がどこも高い。現地まで
 行くことを考えれば安いのかもしれないが、それにしても高い。経費削減の努力は
 どこまでやっているのかはなはだ疑問) 
    

 土産のクリアーホルダー(表、裏)
 
 
 約350年ほど経っているのに実物はヒビ一つ見えないので不思議に思っていたが
 アップの写真をみると照明の関係で見えなかったようでやはり相当ヒビが入っている
 ようだ。
 


  このようにパンフで再度楽しむのもまたいい。


11月もあっという間に今日で終わりとなり、明日からいよいよ師走。






紅葉の京都 散策 '12

2012-11-28 | 旅行
 毎年、紅葉の季節になると無性に京都に行きたくなる。春の桜の時期の
丸山公園、哲学の道もいいが京都は赤いモミジが似合う。

今年も先週火~木にモミジを見るために車を駆って行って来た。
メジャーな寺院は殆ど行き尽くしたこともあり、今年は家人のリクエストで
サブメジャーな箇所を中心に巡ることにした。
家人いわく、「メジャーな所はひとりになってもバス等で行けるので、車で
連れて行ってもらえる間にあまり有名でないところに行っておく」と。

いつものことだが行き帰りのプランは自分が立てるが、市内散策のプランは
家人の担当。雑誌や新聞等で穴場の情報をよく知っているので実は都合が
いい。

今年の紅葉は、夏の猛暑の関係から紅葉がいまひとつであった昨年と違い
一段と鮮やかだった。余りの綺麗さに写真を撮りすぎて選別するのに困るほど。

 まずは前夜神戸に一泊して突撃準備。この時期は奈良・京都が人気のためか
神戸は穴場だったらしく驚くほどいい宿が取れた。


 曼殊院門跡
 京都の北東に位置する。道が細く、対向車と離合するのに一苦労。大体
 坂道では下りの車が動くものだが、相手も怖いらしく止まったまま動かない。
 そうこうしながらやっとの思いでたどり着く。
 近々天皇皇后両陛下の御幸啓が予定されているらしく、来月3日までの予定で
 両陛下にご覧いただくため宝物の特別展示がされていた。

 参道の紅葉
 

 入場案内
 

 境内
 

 勅使門? 木製の階段は両陛下御幸啓の準備か
 


 赤山禅院
 ナビが示すルートを辿ったところこちらはもっと狭く、車一台がやっと通れる
 ほどの小道だった。おまけにすぐ近くまで行っているはずだが入口がわか
 らない。自転車で通りかかった年配の男性に道を尋ねたら親切にも入り口まで
 誘導してくれた。
 ここは離合に苦労しても、曼殊院から一旦大道りに戻った方が良かったのかも
 しれない。

 境内の紅葉と寒桜
 
 

 


 禅林寺永観堂ライトアップ
 ライトアップを含めて幾度となく訪れてはいるが、「見返り菩薩像」は京都
 に行く度に参拝したくなる。後を来る永観を、立ち止まって「永観遅し」と
 振り返りつつ待つ姿という。深い思いやりが感じられる。横を向く御仏は他に
 見たことがない。
 ライトアップが始まったばかりで入口はすでに200人以上の長蛇の列。
 どこかのTV局が中継を行っていた。

 

 

 見返り菩薩  永観堂の堂外から
 

 池に映る紅葉
 

永観堂の参拝のあと、近くの南禅寺に回ってみたが天授庵のみで時期が過ぎていた
のか境内のライトアップはやっていなかった。天授庵のライトアップは数年前に
見たことがあるが息を飲むほどすばらしかった。今回はスルー。


翌日は天龍寺の駐車場を確保して嵐山・嵯峨野を終日散策する。
夜、携帯付属の歩数計で見ると29000歩、19kmを示していた。ぶらぶら歩きなので
実距離は10km程度と思うがそれにしてもよく歩いた。

 嵐山・天龍寺
 ここも幾度となく訪れてはいるが今年のモミジは又一段と美しい。
 天龍寺は庭園と加山又造の雲竜図(天井画)を見る。

 参道途中のモミジ
 

 庭園
 
 
 
 
 庭園の奥は嵐山の借景。
 
 

 嵯峨野
 常寂光寺、ニ尊院へと続く竹林
 

 落柿舎 落葉し実だけが残る柿木があり名前通りの佇まい
 

 常寂光寺山門 今回は入場せず
 
 

 ニ尊院
 

 

 

 二尊院から京都市街の眺望
 

 


 祇王寺
 
 


 嵐山 法輪寺
 

 展望台から渡月橋
 


 渡月橋
 
 


 宝巌院
 
 


 広隆寺
 奈良中宮寺に並ぶ弥勒菩薩半跏思惟像がある。帰路の中途で立ち寄る。
 以前拝観したことがあり、今回は境内散策だけにとどめる。
 弥勒菩薩の案内
 
 
 


三日目は午前中光悦寺周辺を散策。

 光悦寺
 入場口までの細い50mほどの参道のモミジが美しい。
 駐車場に車を停めると1時間\300だったが、1時間を越えるとさらに\1000という。
 駐車スペース20車ほどの狭い駐車場なので放置したまま周辺を散策されたら
 困るのだろう。
 寺というが庫裡らしきものは見当たらず、こじんまりとした庵群。30分もあれば
 一周できるので駐車料金システムに納得。ただ、このあと行った源光庵は無料
 だった。
 
 参道のモミジ
 
 庵の一つ
 


 源光庵
 庭園
 
 迷いの窓 
 
 悟りの窓
 
  

 常照寺
 山門越しの参道の紅葉
 
 庭園
 
 


これで紅葉の京都散策は満喫。当面感動は抜けそうにない。

帰路もう一度神戸に立ち寄って、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を
市立博物館で見てきた。これも良かった。
 会場入り口の案内表示。右の武井咲もいい。
 

   

紅葉に映える瑠璃光寺五重塔(山口市)

2012-11-16 | 旅行
 昨日、山口に行く用があり久しぶりに瑠璃光寺に寄ってみた。
池の縁に植わっているモミジが色づいて池に映り込んでいた。

 池に映る紅葉と五重塔
 

 瑠璃光寺前からの五重塔
 

 五重塔正面
 

 屋根の曲線
 


 奈良・京都を中心に多数の五重、三重塔を見ているが、瑠璃光寺
五重塔は違う佇まいを持っている。薄い桧皮葺の屋根が軒先の四隅
の反りと尖りをいっそう際立たせていて春夏秋冬いつ見てもいい。
司馬遼太郎に「長州はいい塔を持っている。・・・」と言わしめて
おり、塔裏手に大きな石碑が建っている。


市役所方面から山口駅へ向かう道路の並木も秋色に色づいていた。

 道場門商店街交差点付近の街路樹
 


因みに国宝に指定されている五重塔は以下の通り11基あり、
各地を回るうちにいつの間にか羽黒山、海龍王寺小塔を除いた
9基を拝観していた。市内に凛として建つ東寺や興福寺の五重塔
もいいし、小ぶりな室生寺の五重塔も朱色の塔が周りの樹木の
緑の中に際立って印象的だった。室生寺を訪ねたときはちょうど
シャクヤクのシーズンでもあって華やかでもあった。
海龍王寺小塔は兎も角も羽黒山の五重塔だけはぜひ一度拝観したい
と思っている。

国宝以外では、吉備平野のなかにぽつねんと建つ備中国分寺の五重塔も
なかなか良かった。東寺のものに似た塔であって、近辺の田にれんげ草
や菜の花が咲く春先がお勧めである。
また薬師寺(奈良)の塔は三重塔ではあるが裳階(もこし)を含めて
六重塔に見える塔が東西に2塔建っている。これは寺の外、西側にある
大池越しに見るのがいい。

 国宝五重塔
* 羽黒山 (山形県鶴岡市) - 南北朝時代 29.4m
* 東寺  (京都府京都市南区) - 江戸時代 54.8m
* 醍醐寺 (京都府京都市) - 平安時代 38.2m
* 海住山寺 (京都府相楽郡加茂町) - 鎌倉時代 17.7m
* 法隆寺 (奈良県生駒郡斑鳩町) - 奈良時代 31.5m
* 興福寺 (奈良県奈良市) - 室町時代 50.8m
* 室生寺 (奈良県宇陀市) - 奈良時代末 16.1m
* 明王院 (広島県福山市) - 南北朝時代 29.14m)
* 瑠璃光寺 (山口県山口市) - 室町時代 31.2m
* 元興寺 (奈良県奈良市) - 五重小塔 5.5メートル 屋内
* 海龍王寺 (奈良県奈良市) - 五重小塔、4メートル、屋内
   (出展:wikipedia)






信州(松本、白馬) 往復1,800kmドライブ記

2012-05-20 | 旅行
 一昨日(5/18)夜半に自宅にたどりついた。5/11に自宅を発ち実に8日ぶりの帰宅となる。

 三角形の頂が特徴的な常念岳、眼前に迫るように広がる白馬連峰の眺めが忘れられず、毎年GWに信州に通い続けている。2003年からだから今年でもう10年になるわけだ。
山に登るでもなくただ眺めて帰るだけだが信州の風を体に受け毎年気持ちがリフレッシュする。

 5、6年前には8月にも行ったことがあるが、さすがに8月になると3000m級の高山も冠雪がすっかり解けてしまっており迫力がいま一つだった。
信州はGW前に雪解けが進むと春が一気にやってきて、近景は里に桜、梅、こぶしなどの花、遠景は雪山というなんともいえない景色が楽しめる。
 今年は訳があってGWから2週間ほど遅らしたので、残念ながら花は残っておらずすべて新緑に変わっていた。
ただこの時期は観光の端境期なので、ホテルは空いておりしかも宿泊料が安い。


旅程
 ・山口→奈良(泊)
 ・奈良→愛知・常滑(泊)
 ・(知多半島周回)  常滑(泊)
 ・常滑→(伊那谷)→ 松本
 ・(松本泊)・・あいにくの雨
 ・松本→白馬→(木曽路)→京都(泊)
 ・京都→岡山(泊)
 ・岡山→山口


奈良・・・往路の中継地
 興福寺近くの下三条町に宿がとれた。駐車場も無料という。朝、宿に車を置いて徒歩で興福寺を散策する。実は、2週間ほど前にも奈良に来ており興福寺・阿修羅像を拝観した。今回は信州行きの中継地なので境内を巡るだけにする。
現在興福寺では金堂を再建中で周囲の回廊は立派な土台が出来上がっている。
   
  五重塔        境内の鹿       南円堂


常滑・・・途中下車
 実は長男夫婦が常滑に住む。孫の初節句祝いと新築祝い。
ついでに「常滑やきもの散歩道」を散策後、知多半島の先端までドライブする。ここで二日ほど長男宅に厄介になる。
孫は可愛くて仕方が無いがそこをぐっとこらえて後にする。
   
  煙突群        土管坂        案内板 


馬籠宿、伊那谷
 常滑から北上、中央道・飯田ICで高速を降りて伊那谷へ。
 飯田ICの手前、神坂(みさか)PAで駐車場に車を置いて徒歩で馬籠宿に立ち寄る。
 神坂PAから馬籠へ下りられることはあまり知られていないようだ。駐車場がそれほど広くないので宣伝しないのかもしれない。人気が出てPAがにぎわうのも困るが、おかげで馬籠までの公共交通手段がないので歩いていくしかない。約1Kmほどの距離と途中に20mほどの上り下りがあって歩きは結構つらい。
馬籠も毎年行っているがついつい寄ってしまう。藤村記念館が有名だが今回もパス。
藤村のいう「信州は山、また山である」が実感できる。
   
  神坂PA        馬籠宿入口     馬籠宿
   
  馬籠宿        中央アルプス    小沢花の会のシバザクラ

 

松本
 松本に着いた次の日はあいにくの雨。当然山は全く見えない。連泊にして、宿に車を置き一日周遊券(¥500)で市内観光とする。この周遊券で東西南北の4コースが一日乗り放題。それぞれのコース所要時間約30分、30分間隔で出ているので途中下車して30分ほど見ればつぎのバスに乗れるので非常に便利だ。まずは松本城、開智学校を通る北コースを回る。松本城天守閣からの北アルプスの眺めがお勧めだが今回は雨なのでパス。
    
  松本城        松本城       旧開智学校

次いで東コースで県(あがた)の森(旧制松本高校)、旧制高校記念館(¥300)巡り。
旧制高校記念館の写真は添付しないが、全国の旧制高校や、学生生活等の様子が紹介されており実に興味深い。北杜夫の旧制松本高校時代の珍答案も展示してあった。構内のヒマラヤ杉の大きさに歴史を感じる。
     
  旧松本高校本館(玄関)   中央階段

南コース、西コースには主だった観光箇所はないがそれぞれ周回してみる。
狭い住宅街を通り抜けたりするのでそれはそれでおもしろい。


安曇野、白馬
 翌日は快晴。松本から白馬を目指す。
 安曇野の大王わさび農場に途中下車。安曇野からの北アルプスの眺めも良い。
   
 常念岳(車中からの眺め)

             
 安曇野大王わさび農場から北アルプス眺望  わさび農場水車小屋



  
 白馬駅         白馬駅から白馬連峰


白馬駅から車で20分くらいの山あいにある青鬼集落。白馬に来るたびについつい来てしまうが、田植え前の水田に白馬の山並みが映って実に美しい。
白馬駅では山がくっきりと見えたのにわずか20分程度で頂上に雲がかかりちょっと残念。
              
 青鬼(あおに)集落から北アルプス     青鬼集落と花桃  民家の庭先に水芭蕉

     
 大出(日本の原風景   四十九院のコブシ
 ※コブシの白い花が水田の水面に映って綺麗な場所だがすでに新緑に変わっていた。


 京都
 帰路は木曽路を南下。京都で途中下車。
   
 青蓮院正門        青蓮院庭園

 
  
  知恩院三門      貸衣装の観光客? 


 知恩院・三門では天井画(龍)の特別公開をやっていたので拝観したが¥800とは高すぎる。また内部の撮影禁止は仕方が無いにしても、回廊からの眺望も撮影禁止とは・・・。三門を出たら昔の旅装姿の女性が通りかかり、修学旅行のグループから記念写真をねだられていた。居合わせた外国人の旅行者から何している人かと聞かれた。勿論英語で。外人さんもびっくり。京都で舞妓さん姿、長崎でドレス姿の観光客を見たことはあるが、この姿は初めて。青蓮院でも出会ったが、こんな目立つ姿で名所巡りをするには相当の勇気が要るはず。


 京都の後、岡山にもう一泊し倉敷のアウトレットモールをぶらついて一週間振りに我が家に・・・。 往復1800km。さすがに疲れた。