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『ベータ2のバラッド』

2006年08月24日 | SF
わが青春のアルカ…じゃなくて、故サンリオSF文庫の現代出現体、国書刊行会の未来の文学、『ベータ2のバラッド』。

ディレーニイの「ベータ2のバラッド」は肩透かしに普通のSFでしたが、それはこちらに教養が無さすぎるから?。時が経てばもしかすると「衝撃の1作」になるかも。
「四色問題」は収録作中いちばんのニューウェーヴ。ということはいちばん意味不明に近い? J・G・バラードの「残虐行為展示会」につながるようなアバンギャルド小説。
「降誕祭前夜」はとにかくロバーツの作品が読めたことに尽きます。解説者ほどキリスト教文化に通じていないので、描かれていることがそんなに(イギリス的に)異端行為かどうかわからないので。第二次世界大戦でドイツが勝利したという改変世界もの。オーウェルの「1984」風。
「ハートフォード手稿」は渋いとことろでR・カウパー作。日本ではサンリオで2冊出ているだけのSF作家ですが、編者が偏愛する短編だそうです。実はウェルズの小説「タイムマシン」の変奏曲の1つであり、隠しトラックとしてそのウェルズ作「時の探検家たち」を収録。

ベータ2のバラッド(サミュエル・R・ディレイニー他著 若島正編 国書刊行会)
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