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幽霊が多すぎる

2006年06月17日 | ミステリ
フリーマンの本を読んだあとで、思い出したのはポール・ギャリコの『幽霊が多すぎる』(創元推理文庫)。こちらは1959年の作品です。

ポール・ギャリコは今度リメイクされた映画「ポセイドン」(オリジナル映画は「ポセイドン・アドヴェンチャー」)の原作者でもあります。ほかに動物小説やスポーツ小説もこなす才人です。好きなのは『雪のひとひら』『ジェニイ』。

『幽霊が多すぎる』はそのポール・ギャリコの本格ミステリで、設定がマニア感涙の幽霊屋敷もの。ポルターガイストが現れる貴族の屋敷へ呼ばれたゴーストハンターが、密室で鳴るハープ、一人でに動き出す椅子、幽霊の襲撃という謎に立ち向かいます。
全体の構成は本格ミステリ然としており、ギャリコの本格ミステリを堪能できます。犯人、トリック、プロットもおおよそ想像がついてしまいますが、とにかく読ませる。人物描写がケタちがいにうまいんですね。とくに探偵は魅力的なキャラクターですが、かれの冒険談は残念ながらこれ一冊だけ。惜しいです。

抄訳ながら、日本リーダーズ・ダイジェスト『 リーダーズ・ダイジェスト名著選集』第34巻に『蝋の手型』というギャリコのオカルトミステリが紹介されています。じつはこれ持っているんですが、探偵が同じ人物かどうか覚えていないんです。もしかしたらシリーズキャラだったかもしれません。
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