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レイナムパーヴァの災厄

2014年12月31日 | ミステリ
幻の本格派、という触れ込みなので、気をひきしめて読み始める。

んん、なんだこりゃ。

極端に言えば、後半の半分くらいでいいのでは。
それ以前の筋は10ページぐらいにしてしまえば、もっとタイトな話になるような。
で、「本格」の意味する中心線を勝手にクイーンに設定していたこちらが悪かったわけで、
発表年代が1929年ということは、フリーマンやフットレルに近い「本格」だったのでは。
29年にはクイーンやクリスティはすでにデビューしていますが、
コニントンは二人に比べるとちょっと古いタイプの作家だったのですね。
推理もなにもないし。
もしも他作品が出るのであれば(「九つの鍵」「二枚の切符」とか)また評価が変わるかも。
クイーンの「レーン4部作」を「最後の事件」から読み始めたような居心地の悪さ。
これより先に何作か出した後にこの作品でないと、作者の思惑が台無しです。
出版社の意図が分かりかねます。

■レイナムパーヴァの災厄 J・J・コニントン

そういえば、この論創社のシリーズもいまや立派な海外ミステリ叢書ですね。
来年(2015年)の刊行予定がHPに掲載されていますが、
白魔 ロジャー・スカーレット
三つの栓 ロナルド・ノックス
緯度殺人事件 ルーファス・キング
この3冊は期待(とくに「白魔」は嬉しい、生きてて良かったあ)
しかし、
ワシントン・スクエアの謎 ハリー・スティーヴン・キーラー
このヒトの作品が出るのか! 吉と出るか凶と出るか。
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